【講師リレーコラム】演じることについて|深田晃司[映画監督]
今回の講師は、最新作『淵に立つ』が第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞された深田晃司さん。
俳優養成講座では、俳優自身が創作し、撮り/撮られる「映画創作ワークショップ」を担当します。
私たちはなぜ映画を作るのか?なぜ演じるのか?なぜ表現するのか? そこには目に見える成果を得るだけではない何かがありそうです。
映画監督の目から見た「演じること」の魅力について、深田さんが語って下さいました。
それではどうぞー!
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以前、ある映画で身体障害者の役をオーディションで募集したことがあった。
それは全身麻痺に近い状態、正確には遷延性意識障害というのだけど、そういった障害を持った十代の女性の役で、おかげさまでオーディションにはたくさんの応募を頂き、二日に分けて数十人の俳優たちと対面することとなった。