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映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。映画・演劇を横断し活躍する「俳優養成講座 」 2016年9月2日(金)開講決定!

ある稽古

 前日、ほとんど寝てないまま向かった稽古場。アトリエ春風舎についたら、大学の大先輩である山岡先輩の照明に皆さんが照らされていて、その瞬間に眠気とか、なんだか、忘れさせられて。温かく包んでくれるのに、突き放してもくる照明。ちょっと怖くもある。

最初に飛び込んできたモノは、ワイングラス。カチンとぶつかる食器。その、華奢な音。
自分の家のテーブルにワイングラスが並ぶときってどんなことだったろうか。

誕生日、クリスマス、それから、洋食の食卓。子供の頃といえば、お酒が食卓に並ぶのは、大人の気まぐれが常に隣にあったものです。誕生日であろうと、クリスマスであろうと、なんてことない食卓だろうと、喧嘩とか言い合いとか、揉め事っていうのは、飛び込んでくるもので、時にはそのまま食卓を片付けないといけないわけで。その時に人間の感情をもろに受け止め、表すのが、ワイングラスとか、食器だったりするんじゃないかと思うのです。時には割られたり、粉々になったり。上機嫌な人の食器を片付ける音って何も気にならないのに、なぜ、人の機嫌に食器は巻き込まれてしまうのでしょうか。人間の感情を受け止めるツールの1つだと思う

シーンの稽古が終わって休憩になると、すべての役者さんがわらわら出てきた。その光景はなんだか皆、異国の人間同士のようで。普段、ここの人たちが交わるのは演劇以外あるのだろうか。でも言ってしまえば、家が違うのは、すでに異国なのかも。異国が集まって家族になるのかも。

松井さんは何が許せなくて、何が、許せるのだろう。雪解け水のようにさらさらしているように見えて、中にはなにが渦巻いているのか、わからない。けど、確実に、人間の何かを受け止めている。ワイングラスよりも繊細に。

食卓に載っているものが高貴なものであるほど、それを囲む人たちの空気って試される気がする。

本番を楽しみにしています。


舘 巴絵  1989年生まれ。桜美林大学 総合文化学郡 演劇専修卒業
小劇場、学内公演、共に主に演出助手として活動。能動的に演劇に向かいたくて、書いている。

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