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映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。映画・演劇を横断し活躍する「俳優養成講座 」 2016年9月2日(金)開講決定!

4/19 アクターズ・コース「オープン・スクール」レポート

オープンスクールのおはなし

 4月19日金曜日19:30からアクターズコースのオープンスクールなるものを行いました。アクターズコース第3期の受講を考えている人たちに、僕たちこんな事してます、ちょっと体験してみませんか、という会です。

今回WSのテーマは歩く。まずは柔軟しながらのメンバー紹介。3期の受講を考えているお二人(Sさん、Mさん)は演技ほぼ未経験。Mさんはゆくゆくはニューヨークで演技を学びたいとのこと。僕の母校のネイバーフッドプレイハウスのことを少し話す。Sさんはずっとバレエを習っていたそうだ。このWSレギュラーのHさんは現役の歌舞伎俳優。今月は新歌舞伎座で公演中。そこに、1期初等科生と2期高等科生、さらに今までティーチングアシスタントとして、ずっとアクターズコースをサポートしてくれた石川さんがビューポイント初参加。そして、共催者の平松れい子さん。 


[アクターズ・コース紹介動画]2:44から近藤強レッスンの模様がご覧いただけます。

 本編に入る前に、ビューポイントの概要を少しだけ。ビューポイントはモダンダンスの即興テクニックだったものを俳優用に発展させたアンサンブル育成、俳優訓練テクニックです。ビューポイントでは、わたしたちの行為(演技)を9つの要素に分けて考えます。9つの要素は大きく2つ「時間と空間」に分かれ、時間は、「長さ、テンポ、繰り返し、反応」の4つに、空間は「立ち位置、身体の形、軌跡、ジェスチャー、建物」の5つに分かれます。今日は、歩くを通してこの一読するとよく分らないコンセプトを説明出来ればと目論んでいます。

 身体がほぐれたところで、歩きながら地下スタジオを探索。どこに何があるか、感触、これから自分たちが使う建物/舞台を知る時間。演技する上で、舞台/空間は色々な刺激をもらえる大切な要素。ビューポイント要素その1。

空間とある程度仲良くなったら、次は共演者全員に歩きながら挨拶。その後、歩きながら人と人との隙間を見つけて、隙間をすり抜けてみる。次に、パートナーを選んで、相手に出来るだけ近づく。しばらくしたら、別のパートナーを選んで、今度は出来るだけ遠ざかる。最後に、2人のパートナーを選んで、その2人から等距離に自分を位置する。それぞれのオプションに慣れたら、僕の手拍子に合わせて、近づく、遠ざかる、等距離の3つのオプションの中から1つを選んで、実行してもらう。色々なテンポで手を叩く。めまぐるしく、みんなの立ち位置が変わっていく。そして、馴れて来たら手拍子ではなく、好きなタイミングで、3つのオプションをどんどん変えていく。

 ここまでで既にビューポイントの要素が3つ登場。

その2)立ち位置。ある対象に対して、どう自分を位置づけるか。別に人でも、もの(ドア/椅子など)でもOK。立ち位置によって、相手との関係性は変化し、観客に伝わる情報も変わる。

その3)反応。外からの刺激(手拍子)に反応してアクション(3つの選択)を起こす。

その4)長さ。3つのオプションをどのくらいの長さで変化させていくのか。2秒で変えるのか、5分続けるのか。長さによって、行為の持つ意味が大きく変わる。

 

 次に教室の奥に5人一列に等間隔で並んで、客席の方を向く。立ち姿はニュートラル(シェイプ)、目の前に直線のレーン(軌跡)を想像して、その中をスローモーション、早歩き、走るなど、出来るだけ違うテンポで歩く。テンポを変えるタイミング(長さ)は自分で決める。次に外からの刺激(他の人の動作の変化、外部の音など)に反応して、歩くテンポと方向を変える。

 とにかく何も考えずに反応するように指示。初めての人はどうしても、何をしていいのか分らなくなって、何となく歩いてしまう。歩く、という単純な行為でさえ、その選択肢は無限にある。無限の選択肢の前で、最初は途方に暮れてしまう。だから、迷ったら、誰かを追いかける、遠ざかる、反応する、何でも良いから1つの事に集中するように声がけする。 今まで少し困惑気味だった初ビューポイント組もここへ来て少しリラックスしてくる。

 各組2回やった後、今度は直線レーンではなく、碁板の目の上を歩いてみる。スタジオの床の上に碁板があるように、直角に曲がり、歩く軌跡は直線のみ。ただし、碁板のマス目サイズは自由に変えられる、というルール。

 まず、自分たちがかっこいいと思うスタートの立ち位置を決めてもらう。そして、碁板上をテンポ、反応、長さは自由に即興で歩く。最初の5人は、急に増えた選択肢に戸惑いながらも、だんだんとアンサンブルとして動けるようになっていく。少し馴れて来たところで、今度は、誰かの行為を繰り返すように指示する。誰かの(または自分の)方向転換、歩いた軌跡、テンポを繰り返す。

 繰り返しが入るだけで、ランダムな動きの中に、瞬間的にテーマが立ち上がる。しばらくは反応と繰り返しだけに意識を集中。ビューポイントの利点の1つは、共通の語彙を持つ事で、指示が出しやすくなること。「反応と繰り返しに集中。」と言うだけで動きの質がぐっと変わる。

 5人一組で2回ずつ、1回8分程度の即興のセッション。今日初めて会った俳優たちがただ歩いているだけなのにいろいろな物語が浮かんでは消えていく。一番最後の回は経験者5人だけのジャムセッション。教室の両端にいる二人の動きがシンクしたり、5人が同時に立ち止まったり、はっとする瞬間がいくつもあった。

 次回5月11日は時間が今回同様に基礎を押さえながら、簡単な創作もやる予定。このブログ読んでよく分らなかったら、是非、実際に体験して下さい(笑)。そんな難しくないです。いや、本当に。

(文:近藤強)

 

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