映画美学校アクターズ・コース ブログ

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映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。アクターズ・コース俳優養成講座2023、9/1(金)開講決定!

アクターズ・コースの1年を振り返って(2期生の感想)

映画美学校アクターズ・コース初等科第2期修了生から、この一年間の感想を聞きました。

田山幹雄(アクターズ初等科2期生)

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ーこの一年間の感想を教えて下さい。
 僕はお芝居を観に行ったときに挟んであったチラシを見て知りました。ちょうどその時に青年団平田オリザさんに興味を持っていたので、どこかでこの人たちに教わることができないだろうかと思った時に見つけました。
 入って思ったのは、授業全体の内容がかなり濃かったのと、俳優講師陣の方々が非常に熱いというのが一年終わっての感想ですね。講師の方々も俳優ですので講師と生徒という境界線が曖昧で、一緒にその内容に取り組むといった印象でした。ただ教えるだけでなく、生徒側からの疑問に思ったことに対しても一緒に考えていく、一緒に考えてくれるという姿勢で接してくれるところがとても好きでした。
 開講ガイダンスの際に塩田監督が、「ここは映画の虎ノ穴みたいなところですので頑張って下さい」みたいな発言をしてたのを覚えています。そのあとに山内さんが「ここから10分したところにはアゴラ劇場という演劇の虎ノ穴がありますので」という発言も印象にありました。
 僕はこのアクターズコースは自主性を尊重してくれるそういった場所だと思います。そういった所を大事にして、いろんな人が巣立ちつつ、いろんな人が繋がれるような場所にしていきたいですね。

飯野舞耶(アクターズ初等科2期生)

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ーこの一年間の感想を教えて下さい。
 私は何故、映画美学校のアクターズコースを選んだか全く覚えていないんです。その時私は、留学から帰国して少したった頃で、とりあえず何か始めなくてはという気持ちがあったと思います。気が付いたら、授業内容も調べずに「私はここに行く」って思っていて。そんな勘を信じて良かったと思います。授業に参加していて、講師の方々が楽しんでいるのが伝わってくる。それはとっても素敵なことです。それに加え、生徒も含め、校内に色々な人がいるのが面白かったです。私の中で「色々な人がいる」というのはお芝居をしている理由の一つなので。お芝居をしていると、人や物事を多角的に見られるような気がするんです。アクターズコースに入ってから、「人って、醜くて美しくて愛おしい。色々な人がいて絶対なんて無い。」という自分の信念みたいなものを、より一層噛み締めるようになったし、普段の生活が全部お芝居に繋がるんだなぁと実感し、自分の周りの言葉や生活を以前よりもっと見つめるようになりました。目立つのも人前に立つのも全然好きではないけれど、ただそこに存在していたい、その場を楽しみたいという自分の強い気持ちを大事にしていきたいと思っています。

福本律子(アクターズ初等科2期生)

ーこの一年間の感想を教えて下さい。
 同期や講師、協力してくれた方々etcと、これまでの(結構長い)人生で経験したことのない関わり方ができたと思う。この一年の経験は、仲間無しでは得られなかった。
自分自身も(一般的に言って良い方向だけに、ではないかもしれないが)変わった。自分にとって大切なものを守るために、強くなったと思う。

ーどうしてアクターズコースを選んだのですか?
・働きながらでも通える時間割だったから。
・演技とは、教わるものなのか?という疑問を持っていたが、アクターズのコンセプトや講師の方のコメントには、旧態依然とした所が無く、新しいことを始めようという意気込み、やる気が感じられたから。

ー1年間受講して、演技に関して自分の中で変化した事はありますか?
 新たにできるようになったことが大きい分、自分に足りないものも見えてきた。それは今後に向けて、とても重要なことだと思う。

ー印象に残った授業は?また、その理由は?
・6月に、2人芝居(「蝶のような私の郷愁」)を全員で分担してやった発表会。まだ始まったばかりで諸々必死の状態だったが、講師の方の教えを仰ぎつつ、相手役とシーンを作って行く作業がとても興味深かった。
・ビューポイント。単純に体を動かすのが楽しい、というのもあるが、個人的には、実はセリフ劇にもすごく役立つのではないかと思う。
・撮照実習で、「映画を撮るのは楽しい」のだということを初めて実感できたこと。(きっとフィクションコースの人の、映画が好きだという気持ちが伝わってきたからだと思う。)
・「S高原から」の1シーンの発表。相手役との試行錯誤の中で学んだことがとても多かった(年始で稽古場所がなく、渋谷の街をさ迷いながら練習したのも印象的)。
・平田ゼミの創作で、ギリギリの状況の中で諦めずに脚本を練り直したこと。
・(授業ではないが)9月初めの自主企画で、授業でやったことをもとに作品を作ったこと。「全てに責任を取る」ことの大変さと充実感を知ることができた。

ー修了公演の稽古はどうでしたか?
 まだ客観的に振り返れないのですが…)他の人が稽古している間、自分の準備や休憩をしようと思っても、ついずーっと真剣に眺めて、頭をフル回転させてしまっていた。

[写真:下江隆太]