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映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。映画・演劇を横断し活躍する「俳優養成講座 」 2016年9月2日(金)開講決定!

1日で映画を作る演じる撮影する〜レポート:3月21日深田晃司ワークショップ

こんにちは。深田です。

先日3月21日に、映画美学校アクターズコース第4期の開講記念イベントとして、「1日で映画を作る演じる撮影するワークショップ」にファシリテーターとして参加しました。

このワークショップはこれまで色々な場所でやらせて頂いています。アクターズコースの私が担当する授業でも毎年一度は行っています。

もともとはRoMTの田野邦彦さんとワークショップを共催したときに、彼発案による短時間で演劇を作る「56文字演劇」というワークショップに映画撮影を組み合わせてみたものです。

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今日は、合計10人の男女が集いました。演技がまったく初めてという方が2名いて、残りの方は何かしら映像や演劇での経験をお持ちの方でした。

まずは参加者に3、4人のグループに分かれてもらいます。この日は3つのグループに分かれました。

①1台詞4文字まで、②56文字以内、というルールのものとに、ごく短い「演劇」を作ってもらいます。1台詞4文字までなら、その日のうちに台詞を覚えて、台本を見ながら芝居をしなくて済むからです。それに加えて③テーマは「別れ」、④必ず芝居の中で最低誰かひとりが外にはける、というルールも加えました。

さて、いきなり1時間で創作という無茶ぶりですが、最初はそんなうまいことできるのか、と思いましたが、これが1時間もすれば見事に各グループから個性的な内容がでてきます。誰かひとりがリーダーシップを持って牽引していくか、みんなで話し合いながら少しづつ固めていくか、毎回それぞれですが、今日は各チームで充実した話し合いが飛び交いました。

まず最初のチームは、二股掛けている男がデート中に二人の彼女と鉢合わせてしまうというもの。このチームはまず最初に「エレベーターの中」という舞台設定を決めて、そこから関係性をふくらませていきました。もうひとつのチームは父親にかわいがっているインコを逃がされた兄妹の葛藤、といった内容。こういう家族のドラマが出てくるのは意外と珍しい。横暴な父親のキャラクターが秀逸でした。最後の班はカップルの別れ話。3人の男女が集いテーマが「別れ」となれば当然出てくるのが三角関係。このワークショップを通じて今までかなりの数の「三角関係」を見てきましたが、ひとつとして同じものがないのが面白い。このチームは、別れ話を切り出そうと彼氏を呼びつけた彼女が、逆に別れ話を切り出されてしまう、という内容。

稽古を終えたら発表です。それぞれ、短くシンプルな内容なだけに出演者の個性が物語の性格を強く左右するのが面白い。発表を終えたら、今度は撮影です。各班がもう一班を監督するかたちで、撮影を行います。監督する、ということはもちろん演出もつけます。ときに台詞も変えてしまい、どうすればこの物語はより面白くなるのだろう、と探っていきます。

ほとんどの人が、カメラを持つのも初めて、という人が多いのですが、この演出部分はいつも白熱します。「映画監督」なんて何も特別な仕事ではない、ということが実感できると思います。

撮影を終えたら、私も同じ芝居を撮影します。これは「正しい撮り方」を示すためではなく、同じ芝居でもカメラの位置が変わればいかに見え方が変わるか、演劇とはまた違う映画の醍醐味を少しでも体感してもらうためです。この瞬間ほど、私が頭を回転させる瞬間はないかも知れません。必死です。

ということで、無事に3班の撮影を終え、最後はスクリーンで確認しました。

このワークショップの異議は、演じる人と撮る人の境界を曖昧にすることだと思っています。映画はいつからか、システマチックな分業が当たり前になってしまいました。ただ、本当は撮りたいというモチベーションさえあれば、誰にだって映画は撮れます。映画史を紐解けば、俳優が監督をするケースは珍しくありません。このワークショップを通過した俳優が少しでもその職掌に自ら垣根を作ることなく、自分たちでの映画作りに興味をもってもらえればと願っています。

映画美学校アクターズコース第4期、5月13日開講です。よろしくお願いします。

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深田晃司(アクターズ・コース講師『ほとりの朔子』ナント三大陸映画祭グランプリ)

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