映画美学校アクターズ・コース ブログ

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映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。アクターズ・コース俳優養成講座2023、9/1(金)開講決定!

修了生トーク(10)高橋隆大×吉岡紗良 その2

こんにちは、広報アシスタントの川島です。

前回に引き続き、高橋隆大さん、吉岡紗良さんのインタビューをお届けします!
今回は、映画美学校時代のお話から、修了後から現在、そして今後についてのお話です。

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お二人とも、今後も出演作はもちろん、俳優の枠を飛び越えて様々な活動を予定しているようです。活躍している先輩の姿、素敵です!!
また、お二人が共演されている映画『SHARING』は池袋・新文芸坐にて7/24(日)〜27(水)レイトショー上映が決定したとのこと!見逃してしまった方は、ぜひ劇場へ足をお運び下さいませ~!

 

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―では映画美学校時代の話を。入ったきっかけはどんなものだったんでしょうか?

 

吉岡:私は大学を卒業した直後に映画美学校に入ったんですけど、大学まで全く演技はやっていなかったんですね。早稲田の演劇学科は座学しかなくて。演劇を観るのが好きだったので、観ることを深めたいという気持ちでいました。
卒業して演技をしたいと思ったときに、青年団が好きだったので、ちょうどその年(2013年)に出来た無隣館を受けようと説明会まで行ったのですが、怖くて願書を出せませんでした。それで、青年団の方が関わっているもうひとつの場所である映画美学校に。

 

高橋:俺は小さい頃に芝居をする機会があって、それは辞めちゃっていたんですけど、でも俺は紗良ちゃんと違って映画を小さい頃に現場で味わったことが忘れられないというか、そういうことがあって。で、映画美学校に入る一年くらい前に卓爾さんのワークショップ(シネマインパクト)を受けたんですよ。それがワークショップを経て映画を撮る・現場を味わえるというものだったから、それで現場を味わって「やっぱり映画の現場、面白いな」というか、芝居というよりは映画の現場という感じだったけど、芝居を勉強して映画に関わりたいなという風に思い直した時に卓爾さんが映画美学校の講師をやっていて「じゃあ卓爾さんを追いかけて行く」と。元から卓爾さんが好きだったから卓爾さんのワークショップを受けに行ったんだけど、卓爾さんから直接芝居の指導が受けられるならいいなと思って映画美学校に入ったんですよ。そしたら思った以上に青年団なんだって。1年目は結構演劇の講義ばっかりだった。「映画が全然ねぇ!」とか思いながら(笑)。でも2年目に映画を撮るんだけど(※当時は高等科まであった)。だからきっかけは卓爾さんなんですよね。
そうだ。実際映画美学校に入ってみて映画に対する感覚とかって変わりました? 2期の頃から映画美学校という名前もあるから映画の方が好きで映画に出たくてみたいな感じで来る人と、演劇の方が好きで演劇やりたくて、青年団という名前で来る人と結構極端に分かれている。それが面白いんだけど、それで何か変わったのかなって。

 

吉岡:前よりも遠い感覚ではなくなったかな、というのはあります。あんまり演劇と映画と全然別物という風には思わなくなった。

 

高橋:当時は初等科・高等科と分かれていたから、1年目から演劇の講義が多くて、ウチの代は演劇の面白さに気付いていく人が結構多かったんですよ。ちょうど2期の初等科が終わるタイミングで無隣館が出来て「映画に興味があって入ったけど演劇って面白い」と無隣館に行った人とかも結構いて、俺はそこが凄く面白いなと思った。別に映画と演劇を比べるとかじゃないんだけど「凄くごった煮なところなんだな、ここは」っていう。入り口は違えど、どっちに振れても面白いなっていう。

 

―結果的にどっちも学べるというところは意外に少ないのかなという気はしますね。

 

高橋:どっちも学べるというか、発想として演劇と映画をもの凄く区別はしていないというか。演劇の面白さを映画に取り入れられるし、映画の面白さも演劇に取り入れられる、というくらいの度量の広さが映画美学校にはあるというか。それまではアクターズ・コース自体がなかったから、それがフィクション・コースとかドキュメンタリー・コースの人とかにも演劇を観ることとか演劇の面白さが映画にもいい影響を与えているし、演劇に興味があった人も映画の面白さを発見出来る、みたいな。
最初、松本正道さん(映画美学校代表理事)が映画美学校のアクターズ・コースを作る時に「昔の撮影所システムみたいにしたい」と言っていて。役者がいてスタッフがいて、そこで色々な映画がドンドン撮れる、みたいな。「役者がいないと呼ぶしかないから、そういうことが出来たらいいね」って言っていて、そういう発想が下地にある。昔は撮影所役者がいたんですよね。だからそういう発想はやっぱり面白いなって。
※撮影所システム:かつての日本映画界は「東宝所属」「大映所属」など、各会社に俳優・監督・脚本・技術スタッフそれぞれが専属として所属していた。現在の撮影現場で使われる呼称「俳優部」「演出部」「撮影部」などは会社の部署の呼び方の名残である。

 

吉岡:区別していない人たちが講師にたくさんいることによって、「区別しない」という点でかなり影響を受けたんだなと今思いました。

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―撮影所みたいにしたいということに関して、今でも各コースの修了生が出入りしているからそれは叶いつつありますよね。修了後、お二人にとって映画美学校はどういう存在になっていますか? 「修了したら完全に終わり」という学校ではない感じがしますが。

 

高橋:俺は今フィクション・コースの高等科にいます。修了制作の監督は出来ないんだけど、初等科は行っていなくてもアクターズ・コースを修了していれば高等科から入れるという制度があるからそれを利用してね。もうちょっと芝居の勉強をしたいんだけど、芝居というよりは映画をもうちょっと学びたい、と。映画の脚本の読み方だったりだとかを学んで、もうちょっと芝居の糧に出来ないかなって思って。

 

―そう思うようになったのは映画美学校でフィクション・コースの人たちと一緒に制作する機会があったからですか?

 

高橋:撮影所システムみたいにやっていきたいって言っても、意外とそんなに上手く回っていないというのが現状だと思うのよ。「月刊 長尾理世」を同期の理世ちゃんが撮っていて、そのスタッフはフィクション・コースの人なんだけど、メンバーは『ゾン~』の撮影に手伝いに来てくれたフィクションコースOBがスタッフのメイン。だから現役のフィクション生と仲間になって撮影出来るというようなことは現状中々出来ていない。現役生だと講義もあって忙しくてそういう風に講義外で遊ぶとか、なかなか時間が取れないというのもあるんだけど。

※『月刊 長尾理世』:アクターズ・コース第二期修了生の長尾理世の自主企画。「月刊で、自分が出演する映画を制作する」という趣旨で行われ、監督・スタッフに各コースの修了生が関わっている。
でも俺もそういう風なのをやりたいなと。俺を役者で使ってもらって、監督やってもらったり脚本書いてもらったりだとかっていうので遊びたいなっていうイメージがあって。それで勉強したいというのもあったから「それなら高等科行っちゃおう」と。高等科に行ったら仲間も出来るし違う見え方も出来るかなと思って行ったのがきっかけで、今はバリバリやっています。

 

吉岡:行って良かったですか?

 

高橋:良かったよ。万田さんの演出の講義もあります。シナリオの読み方は未だに分からないけれど。実際書いてみたりして。今年の12月の映画美学校映画祭でお披露目になると思うけれど、フィクション・コース第18期高等科のコラボ作品の脚本は俺が書きました(西山洋市監督作品『瑠璃道花虹彩絵』)。やっぱり自分の書いた物が映像化されて、実際にそれを試写で観たら色々発見があって。そういう風にもっと、俺がアクターズ・コースからフィクション・コースに来たことでフィクション・コースの人にも面白い影響を与えられるかもしれないし。脚本コースからでも修了生はフィクション・コースの高等科に行けるとか、そういう関わり方があったりするじゃない。アクターズ生も他のコースに行ったりしている人もいるし、芝居を勉強するのとはまた別の方向からアクターズ・コースに来る人もいる。それがもっともっと広がって行けばいいなと思うけれど、まだまだこれからね、とも思ったりする。

 

―ミニコラボはまだなかったんですよね?

 

高橋:俳優育成ワークショップのような形ではなかった。昨年からは現役の映画監督4人が監督をして、それぞれの作品に分かれて俳優育成ワークショップ生全員が必ず出演する形式だったよね。

 

吉岡:ふ〜ん、面白そう。

 

高橋:だから修了公演で舞台を打つっていうのとミニコラボで映画を撮るというのが今のアクターズ・コースの二本柱になっているんだよね、きっと。

 

吉岡:1期2期でもあったと思うんですけど、私たち3期の時は平田オリザさんのワークショップ「オリザゼミ」があって、フィクションの方達と一緒に演劇を作ったんです。

※演劇創作ゼミ(通称:オリザゼミ):受講生が平田オリザの指導の下、全員がチームに分かれて一つの演劇作品を作る講義。受講生は作・演出・出演の全てを行う。本講義はオープン講義となっており、映画美学校の全てのコースの現役生が受講することが出来る。

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私はその時ある舞台に出ていてほぼ参加出来なかったのですが、それに参加していたフィクション・コースの加藤正顕さんが後に自主的に演劇を作ることになり、私も誘われて出演しました。
加藤さんの同期である美谷島(諒)さんと平井(正吾)さんに、アクターズ・コースの女子三人が加わった出演者五人で、東中野RAFTで公演をしたんです。
何とかして一緒に舞台を作り上げようと団結して、とても刺激的な体験でした。
そういう風に他コースと巻き込み、巻き込まれ、ということが起きることもあり、予想のつかないことも多いのでワクワクします。
加藤さん自身も、演劇を作るプロセスに自分がやりたいことのヒントがあるのではという考えがあったようで、映画美学校は、全員ではないにしてもそういう人が現れて来る構造にはなっているのかなと思います。


―垣根がそこまではないのかなっていうのは思いますよね。

 

吉岡:1人2人、垣根を取り払う人が出て来るとみんなを巻き込んで行くところがありますね。

 

―2人は2期と3期ということで期が違いますが、それぞれ「こんな期だったなぁ」みたいなのはありますか? 期の特徴というか。

 

高橋:2期は1期が上にいるんですよ。1期はフロンティア精神があって、それで取り組んでいるんですよ。だから1期は凄く面白いことをやっているし、自分たちで何かを動かしていかなければいけないっていう精神を凄い持ってアクターズ・コースを過ごして修了後もそうやっているから、凄くカッコいい先輩だし、集中した時の団結力が1期は凄く強い。で、3期は逆にゾロゾロと全員個性的な粒がいるなっていう(笑)。それぞれ一人一人が立っている、じゃないけど、みんなでというよりはゴロゴロッといるなっていう感じが修了公演とか観ていた印象ではある。2期はそういう意味ではもの凄く谷間な感じがする。何て言えばいいかな……中途半端なんだよな、2期は(笑)。自分が中にいるからというのももちろんあるけど。

 

吉岡:私は2期だと唐鎌(将仁)さんとお話することが多いんですけど、唐鎌さんは2期の中でも異質な感じがありますよね?

 

高橋:そうそう。異質感のあるやつがゴロゴロっといるかと思ったらふわぁ~んとしたメンバーがいるというか?(笑)そのバランスが変な感じな期だったなって。

 

吉岡:塊で捉えられないところがありますよね。3期もあんまり……まぁ言うとしたら足並みが揃っていないということなんですけど(笑)、よく言えば個性的。

 

高橋:しかも2期の講義は結構アバンギャルドだったっていうのもあるんだよね。1期の試行錯誤から更に試行錯誤を続けていった結果の2期だったんだよね。

 

吉岡:でも毎年が試行錯誤だから(笑)。

 

高橋:そうなんだけど(笑)、2期は特に極端な……演出だったら「わが星」の柴幸男さんが来てくれたりだとか、青年団系の演出家がガッツリきてくれたりだとかしつつ、映画監督は井川(耕一郎)さん、万田さん、西山さんっていう映画美学校のもの凄く個性的なメンバーが演出の講義に来てくれて、一方で塩田明彦さんの演出な観点から見る映画の演技の講義を受けたりだとか、もの凄くごった煮感の強い講義が多かった。高等科に上がってもそういう感じがあって、近藤強さんが「ビュー・ポイント」の講義をやるでしょ?古澤健さんがそれを見て映画の脚本を書くという凄く破天荒な講義をやったりだとか、もの凄く挑戦的なことをやっていた期なのよ。
※ビューポイント:青年団所属の俳優・近藤強が担当する講義で扱われる演技メソッド。 1970年代に振付家のマリー・オーバリーによって考案された即興ダンステクニックをベースに、アメリカ人演出家・アン・ボガートが俳優・パフォーマー・演出家向けに発展させた俳優訓練法。
(参考:http://www3.center-mie.or.jp/center/bunka/event_c/2012/0107.html)
それで修了制作が『ゾン~』だったりするんだけど。そういう意味では捉え所のないというか。1期は最初からフロンティアだったんだけど、2期で更にアバンギャルドな方向に走るみたいな(笑)。

 

吉岡:基本姿勢がアバンギャルドですよね。守らない。

 

―今後の活動について、お聞きしたいと思います。『ゾン〜』は完成しているんですか?

 

高橋:そうです。作品としては完成しているのでこれから着々と準備を進めていって、最終的に公開まで。撮影時期は『SHARING』と同じだからかれこれ2年。結構経っているよ。最終完成版はどこかで公開することになると思います。

 

―制作の思い出は?

 

高橋:修了制作で、長編で、卓爾さんが監督で、脚本が古澤さん。そもそも予算的にも全部長編に出来るかどうか難しいっていう制約があって、ドキュメンタリーを撮って、リハーサルとかも撮って、で、本編でフィクション部分を撮って、それを混ぜ合わせる形で出来たらいいねっていうのがはじめだったんですけど、結局合宿で撮影5日間だったんですけど「全部フィクション・パートを撮り切ろう!」みたいなスケジュールになった(笑)。どこを撮るか撮らないかという難しい判断になっちゃうから、結局全部撮り切って、リハとかも混ぜ込んで、本読みをしているシーンとかもあるんだけど、それをもの凄い熱量で完成させたというか。本来撮れるようなスケジュールじゃないんだけど、5日間の合宿であるということをいいことに朝からてっぺん(夜の12時)までっていうことを毎日やりながら撮影しましたね。結構ハードだったけど面白かったです。やっぱり古澤さんが脚本で卓爾さんが撮るということ自体がまず面白かった。

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ゾンという壁が出来ちゃってそこから出られない人々の話なんですけど、そこにいる男の子と仲の良い女の子がいて、ゾンの範囲から出たがったりっていう葛藤があったりという映画で、やっぱりそれがちょうど修了する時だったから「映画美学校を離れたらどうなるんだろう、でも出なきゃいけないし」という自分の状況を重ねたりしていて。だから凄く思い入れの強い作品ですね。卓爾さんを追いかけてこの学校に入ったというのもあるし、悔しい思い出もありつつ。もっと出来たという部分もあるし、蓋を開けてみれば演出に応えられなかった部分とか一杯あるんですよ。でもあれがあの時の精一杯だったと思って頑張っていこう、と。

 

―深田(晃司)さんの作品にも出演されると伺ったのですが?

 

高橋:それが『ゾン~』のB面としてのドキュメンタリー・パートを深田さんが撮るという企画で、現在進行形で動いてはいます。それは『ゾン~』を撮った後に出演者みんながインタビューを受けて、俳優としての生い立ちとか、多くのカメラの前で負荷のかかる状況で聞いたものがあって。それを『ゾン~』本編にも絡めたりしてドキュメンタリー・パートを作るという企画もあったんだけど、もっと個人個人の俳優に絞った形で深田さんは編集して、それが今絶賛制作中です。後は西山さんとフィクション・コース第18期のコラボ作品『瑠璃道花虹彩絵』は脚本を書いています。年末の映画美学校映画祭で多分お披露目になると思うので観に来て頂けたら。

 

吉岡:私は初めて「鳥公園」という劇団に出演します。9月に東京公演、10月8日・9日に瀬戸内芸術祭のプログラムとして豊島で野外公演をします。

 

「Q」に入ったのは映画美学校に入る前ですか?

 

吉岡:ほぼ同じくらいです。映画美学校に入ったのが5月、翌6月にオーディションを受けて。その時は入ったというよりも9月と11月の公演の出演が決まったというものだったのですが。その一年半後くらいにメンバーという形になりました。
Qとしては、8月13日に、岐阜県美濃市にあるエムエム・ブックスさんで公演をします。
あと、劇団と関わりなく私個人で、長野県伊那市の信州高遠美術館で行われる『高遠KONJYAKU STORY展』(7月30日~9月11日)に参加します。
高遠に伝わる民話から着想した展示とパフォーマンスを制作中です。初めての作・演出・出演になります。
また、7月から「週刊金曜日」という雑誌で書評委員を務めることになりました。これまでも何本か映画評を書いてはいるのですが。

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観たり読んだりしてきたものと、経験してきたこととのバランスがだんだん取れつつあるのかなと感じます。
評では、映画や本といった既存のものについて語るわけですけど、不思議と、脚本に沿って演技するときにも増して「自分で表現している」という感覚があって。
だから、「演劇も映画も区別しない」という話とも繋がるのですが、人から必要とされ、また自分で自分を肯定することが出来れば、表現はどんな形でもありうるんだなと思っています。

 

―隆大さんは映写技師ということですが、かなり前からやられているんですか?

 

高橋:うん。大学時代にシネコンの映写技師をやっていて、デジタルに移行しちゃったからフィルムを触る気はなかったんだけど、そんな話を映画美学校の人にしていたら「上で働いたら?」って言われて。当時オーディトリウム渋谷が映画美学校の入っているKINOHAUSというビルの2階にあって、そこにこの間映画B学校対談させてもらった千浦僚さんがいて、そこで週1~2日で働かせてもらっていて。それがきっかけで、そのオーディトリウム渋谷が無くなる時に映写機が横浜シネマリンにいくことになったからそのままシネマリンでも映写させてもらったりだとか、一回神保町シアターで本当に人が足りなかった時があってそれでそこでもフィルムを触らせてもらったりだとか。まぁ映写の世間は狭いからね。横浜シネマリンで絶賛『SHARING』が上映中です(笑)

 

―自分が出ている作品を映写するのは感慨深いですね。

 

高橋:そうだね。でもオーディトリウム渋谷時代に卓爾さんの『ポッポー町の人々』を映写したりもしているからそういう経験がなくはないんだけど、嬉しいもんですよね。

 

―じゃあこれから俳優養成講座に入ろうと思っている皆さまにメッセージを。

 

吉岡:何もいいこと言えないなぁ……。楽しければ何でもいいと思います。ダメですね、そんなこと言ってちゃ(笑)。でも何でもいいんだなという気持ちは強いです。
実は明日オーディションがあって、それが怖過ぎて、この数日間「もう怖い、逃げようかな」みたいな気持ちに支配されていたのですが、つい昨日「なんでもいいや」という気持ちになりました。
やっぱり楽しいことが大事だと思います。
講師の方からも色々教えてもらうわけだから、当然それぞれに色々な尺度があると思うのですが、結局は自分が楽しいと思えることが自分の正解だと思うので、もらうものを吸収して利用して、自分だけの楽しさを組み立てていけたら素敵だと思います。

 

高橋:役者になりたいとか、芝居を勉強したいだとか思って来てくれる人もいるだろうし、色々きっかけはあると思うんだけど、入ってから更に色々なきっかけとか、自分の中で見つけられることがあるんじゃないかなと思うんですよ。「なんで自分は芝居をやりたかったんだろう」だとか、俺はそういうことをここに入ってから余計に考えさせられて「芝居って面白いな」って思えたりだとか「映画のこと、なんで好きなんだろう?」「演劇分かんないなぁ」とか発見があったし面白かったから、入るきっかけは大事にしてもらって、踏み込んでみたら更に色々な発見というかきっかけに出会ったら、そこを紗良ちゃんが言うように楽しんでもらえたら凄く良い時間になると思うから……是非お・い・で(笑)。来て下さい。皆さんどうぞお越しやす。

 

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高橋隆大さん、吉岡紗良さん、ありがとうございました!