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映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。映画・演劇を横断し活躍する「俳優養成講座 」 2016年9月2日(金)開講決定!

アクターズ歴代TA座談会!佐野真規さん(第1期TA)、石川貴雄さん(第2期TA)、しらみず圭さん(俳優育成ワークショップTA)その1

こんにちは、広報アシスタントの川島です。

今回はアクターズ・コース生をサポートしてくれる頼れる味方、TA(ティーチング・アシスタント)を務めて下さったみなさんにお話を伺いました!

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集まっていただいたのは、フィクション・コースの修了生であり、第1期TAの佐野真規さんと第2期TAの石川貴雄さん、アクターズ・コース第4期修了生であり、俳優育成ワークショップTAのしらみず圭さん。そして俳優育成ワークショップ修了生である私、川島を含めて、アクターズ・コースの裏話をたっぷりお話ししてまいりました。

それではどうぞ~!

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川島彩香(以下川島) まず、TA(ティーチング・アシスタント)のお仕事について簡単に、こんなことやっていたよというのをご紹介いただけますか。受講生の時も色々とやって頂いているのは分かっていたんですが、実際にどのくらいのことをしていたのかというのが結局分からなくて。

 

佐野真規(以下佐野) 表向きは講義の進行の補助と準備、ですよね。

 

川島 表向き?(笑)

 

佐野 当日講師が来て、ちゃんと講義が上手く進むようにサポート、というのがまず表向き(笑)。裏側ではその講義のための調整。例えば講師が5コマ持っているから何日と何日にやる、という日程調整だったりだとか。その辺がまぁメイン。あとは映像での講義記録とか。

 

しらみず圭(以下しらみず) 俳優育成ワークショップ生はその講義記録を凄く見ていましたね。

 

石川貴雄(以下石川) え? 受講生が自分で? へぇ、凄い。自分たちの映像を自分たちで見ているの?

 

しらみず 見て、もう一回復習するみたいなのを。

 

佐野 川島さんも見ていた?

 

川島 私は実は見たことがないんですけど(笑)でもお休みしちゃった日の分を見たりだとか、あとビュー・ポイントとかって自分でやっているとどうなっているのか分からないので、それを見ている人は多かったですよね。
※ビューポイント:青年団所属の俳優・近藤強が担当する講義で扱われる演技メソッド。 1970年代に振付家のマリー・オーバリーによって考案された即興ダンステクニックをベースに、アメリカ人演出家・アン・ボガートが俳優・パフォーマー・演出家向けに発展させた俳優訓練法。
(参考:http://www3.center-mie.or.jp/center/bunka/event_c/2012/0107.html)

 

佐野 そうか。じゃあ講義記録は活用されていたんですね。

 

しらみず 映画美学校のホームページに載っているじゃないですか、アクターズの講義内容の紹介として。あれは佐野さんがやったんですか?

 

佐野 ああ、はいはい。編集した。ああいう素材としても使う、みたいなのは最初の頃はありましたけどね。

 

石川 修了公演を撮るなんていうのも多分佐野さんが……

 

佐野 ああそうか、最初に1期でやっちゃったから。

 

石川 それで「2期もやりたいよね」みたいな。だから毎期やっているでしょ? そりゃそう思うよね。それで映画美学校映画祭で毎年その記録映像を必ず上映するとなって。それもそもそも最初の話の中にはなかったからね。

 

しらみず 受けている方としてはありがたいですよね。自分がやっている舞台を改めて観るということが出来ますし。僕も観て「ああ、4期の修了公演ってこういう話だったのね」ってはじめてそこで分かったような感じもあったので(笑)。

 

川島 そうですね。映画美学校映画祭で観たんですけど、普通に作品として観ていて面白いという感じだったので……その方が色々な方に観て頂けますよね。

 

石川 もちろん講義の場所を用意するとか記録映像を撮るとかはあるけど、それ以外でTAがいたから良かったこととかってあるの?

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川島 それは凄くあります。いっぱいフォローして下さったので、私たちがぼけっとしていてもそれを締めてくれるという安心感というか、そういうのは常にありましたね。あとはやっぱり、映画美学校は講師の方にも相談しやすいんですけど、アクターズ修了生の先輩ということもあって、色々なことを相談しやすかったんですよね。

 

石川 講義が単純に結構、密じゃない? 講義の日程はちゃんと決まっているけど、それは稽古を別でやった上で、だから、その辺のこと?

 

川島 その辺のことですね。芝居をするパートナーとスケジュールが合わないからどうしようとか、私はここをこうやりたいけど上手く出来ない・伝わらない、みたいなことも相談していたのかな。

 

石川 普通に「心のケアセンター」やっていたんだ。それはデカいよね。はじめてTAの意義が生まれた(笑)。

 

しらみず 何かを答えられるわけじゃないんですけど、一緒に悩むというか。

 

川島 本当にありがとうございました。では、TAを担当してみて、楽しかったこと、良かったことはありますか?

 

佐野 元々僕と石川さんはフィクション・コースの出身で、しらみずくんも作り手からスタートしてアクターズ・コースに入っているんですけど、俳優の講師が俳優にかける言葉っていうのが、要は演出する側がかける言葉と種類がちょっと違うというか、それを知れたというか。そういう言葉をかけてやり取りするのを見るのがはじめての体験だったので凄く面白かったです。

 

川島 ご自分が演出される時のヒントになるような場面もありましたか?

 

石川 アクターズ・コースに関わった頃とか関わる前とかは…「どういう風に役者と話せばいいんだろう」「役者は何を考えているんだろう」とか、ビビるじゃないですか。

 

佐野 うんうん、そうですね。それがそもそも分からない。

 

石川 目の前で役者さんが演技を始めるとさっきまでと表情が変わったりするから、人が演技している状況にビビってたんですよ。だから自分が演出する時も、どう役者とコミュニケーションとればいいのかと思っていたんだけど、ずっと一緒にいるとやっぱり身近になるというか。そもそも演技をする瞬間というのが僕とかは基本的にはないので、その距離感がわからなかった。でも役者を目指す人にとってはそれが身近にあることが分かったから、そのことが分かったら見え方が全然変わったかな。前は恐る恐るものを言っていたし。

 

しらみず 確かにわかります。以前は、僕にとっては俳優も結構「敵」だったんですけど。

 

石川 敵!?

 

しらみず 例えば作品を作る時に、スタッフとかもそうですけど、お互いに作品に対して何を持ってきて来られるかという部分が前提であってそこから真剣勝負みたいな。で、俳優さんから何かを言われた時に意味ある答えをしないと、怖いんですね。答えたことを後で自分で考えて間違いだったらイヤなので、準備を予めして、闘う体勢でそこに臨むって感じで。
この間石川さんと話した時に「そうじゃなくて、俳優と一緒に作っていっても大丈夫なんだ」っていう風にちょっと変わったと聞いて、それは凄いなぁと思うんですよね。現場で悩めるというか、一緒に「これ、どうなんだろうね?」という話が出来るというのが。僕はまだ多分そこまで行けていないと思うんですけど。

 

佐野 そんなことはないんじゃない?(笑)

 

石川 もちろん準備をバッチリして臨んだ方が普通は良いのだけど、まぁ時によってねぇ。『月刊 長尾理世』の時なんか…
※ 『月刊 長尾理世』:アクターズ・コース第二期修了生の長尾理世の自主企画。「月刊で、自分が出演する映画を制作する」という趣旨で行われ、監督・スタッフに各コースの修了生が関わっている。佐野(『コーヒーとさようなら(福井映画祭10th入選)』)と石川(『本日、引越し致します(19th CHOFU SHORT FILM COMPETITION19th CHOFU SHORT FILM COMPETITION奨励賞)』)はその企画の中でそれぞれ監督を務めた。
長尾と石川の対談はこちらから
http://www.eigabigakkou.com/student-interview/interview-actors/3732/

 

佐野 尚更ですよね。

 

石川 役者と一緒にゼロから。先に役者が決まっていて、企画のスタートがそこだから悩まざるを得ないというか。それをやったっていうのも大きいし、やれると思ったのは多分アクターズ・コースに関わったからだと思うけどね。

 

しらみず それは、映画美学校のアクターズ・コースに特殊な部分というのがあるんですかね? 受講生の中でも、割り切っている人もいるじゃないですか。俳優としてやるのでこういうところは準備して下さい、という方もいると思うし、最初に作品を作るところからやりたいという人も多いですし、議論というか話をして、という方も結構いるような気がするんですよね。だから映画美学校のアクターズ・コースの広告にも……

 

佐野 「自分で創れる俳優になる」ね。
※ アクターズ・コースのスローガンの一つ。「映画や演劇、創ることについて、自分自身で発信していけるようになろう」と掲げている。

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しらみず そういったところもあるんですかね?

 

佐野 それは映画美学校のフィクション・コースがはじまった時からそうかもしれないけど、全部自分たちで悩んで作るみたいな。講師の古澤健さんとかもよくそういう話をしますよね。アクターズ・コースもその流れを受け継いでいるかもしれない。で、講師の山内健司さんも自分たちでナグリ(トンカチ)を持って色々なことをやるし。全部俳優である自分たちもやるっていう。

 

川島 みなさん色々な現場に行かれて、アクターズ・コース出身者以外ともお仕事をされることがあると思います。しらみずさんがおっしゃったようにアクターズ・コースの俳優は、例えば企画から参加したい気持ちが強いとか、そういったことを感じることはありますか?

 

石川 こういう近さからはじまることがないからなぁ。

 

佐野 外だとこの距離感では出来ないですよね(笑)。近いと話が出来るし。

 

石川 僕らは良い機会としてあるだけで、多分みんなも他の現場に行ったらこうは出来ない。出来る時も現場によってはあるかもしれないけれど、どこでもこういう風にやるわけではないと思うから。

 

川島 逆に言えば、俳優自体がというよりも、この映画美学校という場が俳優も作り手側も一緒に作っていこうみたいなことが出来る場所だな、という感じですかね。

 

佐野 距離感が近くいられるというのは一つ大きい点かもしれないですね。

 

しらみず でも、それによって面白く出来るのだとしたら、別の場所であっても違う人とであっても、それを知らない人との間にどうやって築いていくかというのが重要なのかもしれないですね。

 

佐野 うん、課題だよね、それは。

 

しらみず 映画で凄く感じるのは、俳優と制作側で大きな壁があるように感じるんですよね。俳優が現場に入るタイミングって、撮影準備が全部出来てからじゃないですか。制作側として参加している時に俳優さんが「お客様」な感じというのをやっぱりちょっと持っていて。僕が現場に行った時はそういう風に俳優に対して感じる部分が多かったんですよ。でもそれってどうなのかな、とも同時に思っていて。
だからそういう現場であったとしても、俳優も同じように一緒に考えられる、同じように作っていく仲間としてコミュニケーションをどう取っていくかというのは重要だし、それをしていかないといけないんだろうなという気はするんですけど。

 

佐野 学校とかだったら尚更距離が近いっていうのがあるけど、外に出たら演出と俳優ってどうしても力関係としては……監督とか演出家に対してものを言うというのは結構難しいと思うんですよ(笑)。
そこでどう振る舞うかっていう課題もあるし、後は現場自体をどう作っていくかっていうことも。しらみずくんが言ったような商業的な現場でシステマチックな中でどうやっていくかというのもあるだろうし。 でもさ、舞台だと逆にスタッフの方がちょっとお客さん気味になる、という感じもないですか?

 

川島 (スタッフに)お願いしてやってもらっている、という感じがあるかもしれない。

 

佐野 そこも面白いなと思って。

 

川島 そう考えると、アクターズ・コースの担当講師って、結構演劇関係の方が多いじゃないですか。映像の体験が出来ると同時に、演劇の「自分たちでやるんだぞ!」みたいな姿勢があるのも、もしかしたら良いのかもしれないですね。
佐野さんと石川さんのお二人はフィクション・コースの修了生で、しらみずさんは脚本コースの修了生でもありますが、他コースとアクターズ・コースって雰囲気がまた違うじゃないですか。TAで入ってみて、アクターズ・コースってこんな雰囲気だなっていうのはありますか?

 

佐野 リア充だなっていう。

 

しらみず どういうことですか?(笑)

 

石川 だってそれぞれの誕生日にケーキを買うんだよ? 毎回サプライズでやるから、どんどんサプライズの種類がなくなってくるの。そんなことがあったなぁ。

 

佐野 リア充っていうとあれだけど、アクターズ・コースはみんなちゃんとコミュニケーションが取れる人が集まる。もちろん俳優だからというのもあると思うんですけど、その差は結構ありそうですよね。

 

石川 お互いちゃんとコミュニケーションが取れなかったら芝居は出来ないから。だから、それが前提、というのは全然違う。

 

しらみず 確かに「取らないといけない」というのがありますよね。 俳優って凄いなと思います。演技って自分が映るんですもんね。自分が映ってそれを良い・悪いとかって判断されるじゃないですか。脚本書くことも自分が考えていることを晒すから凄く大変だなと思うんですけど、ワンクッションある気がするんですよね。

 

佐野 俳優はリアルタイムで、その場でやらなければいけないからね。

 

しらみず そういうところがちょっと違う気がしていて、だからこそそこのケアは本当は出来た方がいい気がしますね。

 

川島 して頂いてました。

 

しらみず ちゃんと出来ているかどうかはまた別なんですけどね。

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(第2回へつづく)

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