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【オープンスクールレポート第2弾!】6/15(木)しゃべり言葉を調べる


今回は6/15(木)に行われましたオープンスクールのレポートをお届けします!

ご担当は講師である俳優の山内健司さん。青年団を創成期から支える山内さんが行うワークショップは、自分たちが発している「言葉」を、リズムやタイミングでどう受け止められるかを分解してみよう!というというもの。

レポートを書いてくださったのは、脚本コース受講生の後藤貴志さん。「言葉」を扱うというワークショップということで、演技未経験だけれども勇気を出して飛び込んだとのこと。

さて、どんなワークショップだったのでしょうか?

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6月15日に行われた、アクターズ・コースのオープンスクール「しゃべり言葉を調べる」に参加してきました!自分は映画美学校の脚本コースの受講生であり、演技の経験もなく、いきなり知らない人たちの中でお芝居をさせられたらどうしよう…と若干の不安を感じていましたが、脚本の役に立つかもしれないし、何より面白そうと思ったので、せっかくの機会なので体験してきました!

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映画美学校のミニスタジオという地下深くにあるスペースを訪れると、とても優しそうな講師の山内健司さんにより、にこやかに説明が始まりました。「役者のワークショップということで、怖いと感じる人もいるかもしれないけれど、安心してください」この発言と、山内さんの雰囲気に大いに安心。

早速、山内さんにより説明が始まります。山内さんと、参加者の1人が会話をし、その会話をカセットテープで記録をする。それを再生し、実際に一字一句言葉を書き起こす。その記録していく様は、なんだかシナリオを作っているみたいだけど、映画のシナリオとは違い、言葉が被ったり、同じことを何度も言ったりする。言葉だけみると、実際のおしゃべりにはスムーズさのようなものはないんだなと実感。

そして、書き起こした言葉を再びしゃべってみて、それを発表する。これを、実際に参加者が各4人ほどのグループに別れて行ってみる。まず、自己紹介をし、2人のしゃべりの記録を行うのだけれど、この際に1人観察役の人がいるのが面白いと思った。会話に緊張感を出す為だろうか? 2人が会話をし、1人が記録し、1人が観察するというフォーメーションで行う。

そして、山内さんがみんなの前で行ったように、記録したテープの音を聞いて、原稿用紙に書き起こす。テープを何度も巻き戻し、2人の会話が重なった場所、「あっ」とか「えっ」という音も注意深く書き起こしていく。書き起こしが終わると、実際に会話を再現してみるが、どこか不自然な棒読みというか、話し言葉の生ナマしさが失われている。なぜだろうか。

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「しゃべり言葉は、流れて消えてなくなる。どんなに記録しても、近づくことはできない。生き返らせるためには、どうすれば良いのか。豊かさ、瑞々しさを蘇らせるには」その為に、山内さんからヒントをもらう。

音の高さや低さ、ここは断定、ここは早く等、文章に記号を付けていく、どこか楽譜のようになっていく原稿用紙。しかし、まだ近づかない。実際にしゃべってはいない2人がやってみる。自分ともう1人の参加者でやってみると、余計に不自然になる。本人そのもののキャラクターが失われた感じと、悪い意味で演じているような、より棒読みな感じ、これは少し自分自身の演じることの気恥ずかしさも影響しているかもしれけれど、それにしても不自然だ。

そして、更に重要なヒントが与えられる。それは、会話の中で出てくる言葉は、その場でポッと出たわけではなく、あらかじめ自分が頭の中で準備している言葉もあるということ、相手の言葉の中で何かに反応しているところを文章の中で点をつけていく。それを山内さんは「引き金を引く」と表現した。

そうやって様々なことに意識をしながら、しゃべりことばを再現していく。いや、蘇らせていく。それは、自己紹介で得た情報に遡ったり、記録した会話の記録されていない場所の流れを思い出しながら、会話を外側からも内側からも構成していっている感じがした。引き金を引くことで、かなり元の会話に近づいてきた感じがした。

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そして、各グループの発表。どのグループも初めて聞くと、普通のしゃべり言葉のような感じがする。少しぎこちない感じもするが、それがどこか良い意味で可笑しさを醸し出していて、聞いていてとても楽しい。各グループそれぞれリアリティを出すために色々と工夫を凝らしていたみたいだ。

次は実際にその会話をしゃべっていない人たちが発表。自分もテープの記録係だったので、発表するということに焦り、急いで練習をする。グループのメンバーに色々とアドバイスを受けながら繰り返し練習すると、しゃべっている自分たちでは違和感を感じるけれど、聞いている側からは普通にしゃべっている感じがするという意見が、うれしい。

そして発表、自分たちの番になり、緊張の中なんとか発表する。すると、最後にどっと笑いが起きた。なんだろう。大根役者というか、寒い感じになっているんじゃ…という心配があったので、笑いが起きて嬉しい。他のグループも、最初に聞いた、実際にしゃべっていた人たちの発表とは違う、実際とのズレのようなものは感じるけれど、それ自体がユニークさを醸し出していて、とても面白かった。中には性別が入れ替わっているところもあったけれど、それでもオリジナルのエッセンスを感じながらも、ユニークな印象を受けた。

最後に、山内さんが話していた、元のコピーになってしまうと、しゃべり言葉の生き生き感が失われてしまうということ、でも、元々しゃべり言葉が持っている豊かさ、そして、どんなにしゃべり言葉を調べても、実態には届かないけれど、再現をしようとすることで、違った豊かさに気づくという様な言葉が印象深かった。

実際にしゃべった2人ではない人間が、そのしゃべり言葉を再現したときに起きたおかしさ、面白さ、ズレの様な感覚が、それに近いのではないだろうかと思った。なんにせよ、たった3時間ほどのワークショップのなかで、普段自分たちが話している言葉がこんなにも豊かで、そして分析し、実際に蘇らせることによって起きた現象が、観て聴いて、こんなにも面白く愉快なものだとは思わなかった。日常で自分たちが話す言葉に対しての豊かさを知り、感度が上がった感じがする。

こんなことを半年も行うということを考えると、俳優志望の人でなくても、とても豊かな日々が過ごせると思いました。自分も実際に受けてみたいなぁと思いました!

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アクターズ・コース 映画と演劇を横断する俳優養成講座2017 9/4(月)開講!

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