映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2018」9/3(月)開講!

月刊 兵藤公美 with 四方智子 12月号(第2回/全3回)

「ラジオのようなブログ記事」──それが『月刊 兵藤公美 with 四方智子』。

俳優・兵藤公美(映画美学校アクターズ・コース講師)が、映画美学校事務局の四方智子と共におしゃべりする企画です。

初回の12月号は「20代の頃について」をテーマに、四方家にて手作り料理を嗜みながらの楽しい収録となりました。(収録日:11/20)

※いきなり超真面目な話になったり、わけの分からない近況報告になったり、話があっちゃこっちゃ飛びまくりますが、あえてまとめず・なるべくカットせず、むしろそれを押し出しています。「ラジオ感覚」でお付き合い下さい。

f:id:eigabigakkou:20171119195412j:plain

(TVに映画『火花』のCMが流れる)

 

──これ、『火花』ですね。

 

兵藤公美(以下兵藤) スガタ……スゲタくんね。

 

──……スダマサキです(笑)。

 

四方智子(以下四方) (爆笑)

 

兵藤 でもあれって菅田って字じゃない?

 

──でもスダマサキって読むみたいです(笑)。

 

兵藤 でも『火花』さ、色んな形になっているよね。映画の人ってさ、原作好きだよね。マンガとかさー、小説とかさー、好きだよね。

 

四方 う〜ん……どうも話を聞くと通らないらしいんですよ、企画が。お金が集まらならないんです。億単位ですから。

 

兵藤 そういうことね……かわいそー。映画の人かわいそー。

 

 四方 やっぱお玉がないとツラいかもなぁ……

 

兵藤 (笑)でもスプーンで良くない? ほら、取れるじゃん。

 

──これは何ですか?

 

四方 ルクルーゼ。これも一応掬えるはずなんですけど。

f:id:eigabigakkou:20171119191208j:plain

兵藤 全然掬えてないじゃん! 滑ってる! ソース用だよ! それで? 汁取ったよ。

 

四方 そしたらですね、この汁の中に、すりごまを入れます。ごまは多目の方がいいかも。

 

兵藤 これ美味そう!

 

四方 で、鍋に野菜を入れて、その上に豚肉を入れると。

f:id:eigabigakkou:20171119191530j:plain

兵藤 ドラマ版の『火花』にこういう風に鍋を食べるシーンあったよ、沖ちゃん(沖田修一)の監督した回で。ずっと鍋を食べさせてるシーンばっかりで、沖ちゃんらしいと思った。

 

──沖田さんは知り合いなんですか?

 

兵藤 そう。沖田くんは20代頃からの知り合いで、舞台映像とかを撮ってくれていたの。その時に稽古とかに来てくれるから一緒にご飯食べたり。あと名古屋かなんかの海の方に遊びに行って「3分の映画撮ろうぜ!」みたいなのやってたなぁ。

 

四方 で、火が通ったら、豚肉で野菜を巻いて、汁につけて食べて下さい。

f:id:eigabigakkou:20171119192157j:plain

兵藤 あーそういうこと! こんな鍋初めて! 美味い! 大人の味ね!

 

四方 カイワレ使うとちょっと苦みが出て美味しいんですよ。これが豆苗になると苦みがなくて、もうちょっとサクサクっとします。

 

兵藤 美味しい美味しい。タレが凄く美味しい。これショウガをすって入れて?

 

四方 お水、ダシ、酒、みりん、ちょっとお醤油、あとはショウガすったやつと、あとは梅ペーストは1本強入れます。お野菜は、水菜とネギとエノキとしそとカイワレかな。で、豚肉。お肉なくてもお野菜だけでも食べられちゃう。

 

兵藤 カイワレ美味い。

 

四方 さて……昨日の結婚パーティーの話が聞きたいですね。

 

兵藤 やりましたよ! 結婚パーティーの二次会。二次会は別日でやったんです。演劇人的な人だから、二次会も本気でやりたいっていう人たちなんで「ビンゴなんかやってられない!」ってことで、まぁ出し物が凄いわけです。それで、私の友達の新婦はミュージカルをやってたりして。で、その新郎さんもマンドリンやってたとかで演奏があったり。で、うちらは演劇を担当して「馴れ初め演劇」をやったんですよ。で、その演劇、一ヶ月前くらいから稽古みたいなことやって……二次会の出し物だし、ちゃちゃっと2、3日打合せして「わー楽しいなぁ」みたいな感じでやると思ったら、もう普通に作品だったから……「ごめんなさい、私、忙しいから」って言ったところで、大量のきっかけと色んなダメ出しがあって、自己満足の域を超えた稽古をして!

 

四方 新郎新婦っていうのが……確かマッチングアプリでしたっけ?

 

兵藤 そうそう! 婚活マッチングサービス「Pairs - ペアーズ」っていうのがあるらしくて、それで本当に出会ったの。で、「ペアーズ」でいかにして出会ったかっていう馴れ初めを作るから、「ペアーズ」のこと、凄く詳しくなったの。新婦は、いかにして自分のブランド力を上げるかっていうのを徹底していて。なんか「ペアーズ」は、Facebook的な感じなんですよ。私も知らないんだけど、自分のページがあって、そこがプロフィールサイトみたいになっているんでしょうね。で、Facebookみたいに色んな人のページを見に行けると。で、そこでいいねがいっぱいあるってことは、いっぱいの人にいいって思われているって評価に直結するんですって、「ペアーズ」っていうのは。だから「私がいかにして凄い女かを見せるには、このいいねをたくさんつけることだ!」ってことで、とりあえず色んな人にいいねをいっぱい押しまくると。そうすると、いいね返しがあるから、自分のいいねが凄く増えると。で、いいねが50の女と、いいねが300の女だったら、300の女の方が凄いんですよ、「ペアーズ」的には。で、「300のいいねの女の人に俺、いいねされた」「やっぱ300の女が俺にいいねしてきたってことはちょっとチェックしなきゃかな」ってことになってくるんですって。

 

四方 普通婚活アプリって、自分だったり相手だったりがいかにイイ人と出会えるかとか、そういうものじゃないですか。でももう、公美さんの友達は、そうじゃなくて、「ペアーズ」の仕組みに対して……(笑)

 

兵藤 そう。「これ、こういう仕組みになってるぞ」と、傾向と対策を全部やって。「人はいいねの数で判断するから、自分のブランド力を上げるにはそこだ!」ってことで、戦略的に自分のステータスを上げてったわけよ。そうこうしてると、良さげな人が出て来るわけです。それで、トントンと結婚されました。

 

──「ペアーズ」、よくFacebookの広告で出て来るんですよ。自分の友達になっている人の誰かが、多分登録しているかいいねを押したかで凄く出てきて。

 

四方 出るよね。

 

兵藤 出るらしいね。でも私……もうあんま出て来ないけどね、「ペアーズ」の広告さえも(笑)。

 

四方 あれ(笑)。

 

兵藤 私に来るのは、大体ユニクロかブランドの化粧品の広告(笑)。

 

四方 (笑)

 

兵藤 それかプラダかシャネルか。それがガンガン上がってきますね、私は。エスティ ローダーとか……そうなんですよ、そんなね、ま、出し物をやって来ました。

 

四方 どうでした? 好評でしたか?

 

兵藤 もの凄く好評。

 

四方 素晴らしい。さすが。

 

兵藤 だってレベル高すぎだもん!

 

──公美さんたちが出ているんだからそうでしょうね(苦笑)。

 

四方 出会いはなかったんですか?

 

兵藤 あのね……

 

四方 お! あった!?

 

兵藤 …………あるわけなくない?

 

四方 (爆笑)

 

兵藤 だってさ、もう次々演目やらないといけないし。

 

四方 「あなたのあの演技が……」みたいなのは……ないですわな。

 

兵藤 うーん、そんなことが分かる人はいないと思う。

 

──そんなことが分かる人(笑)。

 

四方 一瞬、いま公美さんがタレントのYOUに見えたよね(笑)。

 

兵藤 そうなの、私ね、毒舌も相まってね、YOUに似てるって言われる。20代はね、和久井映見に似てるって言われていたんだけど、もうYOUになっちゃってて。だから「ねほりんぱほりん」を、いつか私に、やらせてもらえないかと、思ってる。

 

──やりたいんですか?(笑)

 

兵藤 やりたい……で、会場はさ、座ってすぐそこが楽屋みたいになってたの。で、衣装ですよ。稽古中は真っ白の、モダンバレエの人が着るような、中がレオタードになっているシースルーの白いドレスみたいなのを着てやっていたの。でも白は着られないじゃん? 結婚の場だから。

 

四方 ああそっか。

 

兵藤 だからつって、演劇のためにさ、私はブラックスワンみたいな格好して。

 

四方 (笑)

 

兵藤 全部黒になって、最終的には黒の羽がぶわーってついた、スケスケのやつを上に羽織ってた。そんなんでみんなが見える場所スタンバってたらさ「あの集団なんだ?」って感じでしょ? まず。

 

四方 (笑)

 

兵藤 それで、やり出したら演劇でしょ? 終わったら終わったで、私たちはもうさ、ご飯を取りたいから、一目散にそこに行って並んで、もう酒飲むぞってなるわけよ。それで次の出し物が『ラ・ラ・ランド』(2017)のミュージカルだったからさ、もう一緒に踊るわけじゃん。

 

四方 そこで踊るんだ(笑)。

 

兵藤 で、一息ついて、またお酒取りに行って飲むじゃん? で、次は新郎のマンドリンの出し物になって。でもマンドリンは凄く品があって良かった。マンドリン人とは色々お話ししたよ。

 

四方 ああ。良かった。

 

兵藤 「マンドリン、素敵でしたねぇー」「でも演劇の方が凄いですよー」って。

 

四方 そこですよ! そこで出会いがあるかもしれないじゃないですか!

 

兵藤 出会ってはいたと思うけど、「でも演劇の方が凄いですよー」って言われて…………「そうですねー」って返した。

 

四方 そこで(爆笑)。

 

兵藤 「それはそうですけどねー」って。「緻密じゃないですか、演劇って」って言われたら「そうなのよねー。でもマンドリンも良かったわよー」って返したり。

 

四方 公美さんそこだー。

 

兵藤 そうだよね。私はもの凄くお話したよ、マンドリンの人たちと。「どこからいらしたのー」なんて言って。新郎が名古屋大学だったもんだから、名古屋から来たと。「大変ねー」「凄いわねー」「ご苦労さまー」「いつから、じゃあ10年マンドリンやってるんですか?」とか。

 

四方 あれ、年下なんでしたっけ。

 

兵藤 新郎の大学時代の友達だから。新郎の年齢は知らないけどね。多分年下だとは思うよ。

 

四方 ……ちょっと待って。凄いリサーチしたのに歳知らないって凄くないですか?(笑) ちょっといいですか?

 

兵藤 うん。

 

四方 すごいリサーチしたんですよね。

 

兵藤 そう。その彼については凄く調べた。

 

四方 でもその彼の年齢は知らない?

 

兵藤 知らない。そこはね、セリフに書いてなかった。

 

四方 そっかー(笑)。そこは落とし込むとこじゃないかー。

 

兵藤 正直、まぁ、興味ないからー。その人が年齢何歳かとか、だいたいこんくらいで別に演じられるし、私。

 

四方 そっかー。

 

兵藤 で、出し物中心だから、ミュージカルの人たちが『ラ・ラ・ランド』とか踊ってくれるわけ。それがもう楽しいわけ……『ラ・ラ・ランド』はいいミュージカルなんですよ。いいミュージカルっていうのは、曲で気持ちなんか歌わないんですよ。

 

四方 ほうほう。

 

兵藤 全部説明しちゃうんですよ、曲の中で。それで、ドラマのシーンはちゃんとお芝居するんですよ。

 

四方 ……え?

 

兵藤 だいたいミュージカルって、自分の気持ちを歌うみたいなふうな感じでしょ? そういうシーンもあるけど。

 

四方 説明する……状況を説明するってことですか?

 

兵藤 状況とか物語。

 

四方 物語を説明する?

 

兵藤 そうそう。それでもうドラマの部分はドラマでやるってことですよ。

 

四方 例えば具体的に言うと「♪いま私はここにいて〜高速道路の上で〜」みたいなそういうこと?

 

兵藤 そうそう。「♪こういうことがあってああいうことがあってこうなって〜」みたいな。『ラ・ラ・ランド』の場合「♪そしてこうなるの〜」みたいな先のことまで言っちゃうから(笑)。

 

四方 先に言っちゃうのもありなんですね(笑)。

 

兵藤 こういう話だよって、もう先にお話教えてくれちゃって、歌は終わってはいドラマってなるの。

 

四方 あ〜。その時に「♪私はいまこういう想いなの〜」みたいなのは言わない?

 

兵藤 言わない。

 

四方 言いがちそうですけどね。ミュージカルの世界がどうだか分からないけど。

 

兵藤 「こういうのが見えたわ」とか「こういう時間だったわ」とか、そういうことは言うよ。

 

四方 だけど「♪あなたにああ言われて私はこんなふうに思ったの〜」みたいなのはない?

 

兵藤 ないないない。そういうシーンもたまに、1カ所くらいはあるけど。

 

四方 私は逆に、ミュージカル初心者としては、そういうふうなことをずっとやっていると思っていました。

 

兵藤 いいミュージカルは違うの。だから『アナと雪の女王』(2014)で、エルサの有名な「Let It Go」のシーンとかは凄いわけ。あれは説明も入っているし、彼女の心境の変化も全部入っているから、結局ストーリーとしても説明部分が一気に飛んでいるわけ。あの一曲の中で全部やっているから。エルサがもう決心して「私はこれでいいの!」っていう気持ちと共に、状況としては1人で雪山に行って、その3分くらいの曲の中でいきなり城を建てそこに住むっていう、もう説明がそこで全部なされて、そして、はいドラマと!

 

四方 ミュージカルっていうのは、それを飛び越えるための歌なんですね?

 

兵藤 本当はそれがいいミュージカル。

 

四方 へー。

 

兵藤 でも、『美女と野獣』(2017)とかは「♪あなたが好き〜」みたいなやつ。「うん、だから知ってるー」みたいになるわけですよ。

 

四方 (笑)ああでもそれは結構驚きかも。

 

兵藤 だからやっぱ『アナ雪』とかは超売れたんだと思うよ。よく出来ているもん。ただなぜ、最後王子とキスをするのかって。あれ要らないでしょって。どうしてもしなきゃいけないんだね。だからディズニーっていうのは「女の子は王子様に迎えに来てもらうものなのよ教育」なんですよ。

 

四方 ほほー。

 

兵藤 私たちの世代とかそうでしょ? 『眠れる森の美女』(1960)、『白雪姫』(1950)、『シンデレラ』(1952)は全部王子様が来るっていうので、女子っていうのはそういう権限はないっていう教育だったの。それを観て「しょうがねぇ」って納得させられるの、子供時代から。多分王子は来ないけど、女ってそういう選択肢ないのねっていうのを刷り込まれるためのものなんですよ。それを頑張って、いつか王子様が……って思うこともほとんどだけど、でもそれは段々現実に気づくわけじゃん? 「王子とかいねぇな」って。でも、あれは刷り込まれているものだから。女性っていうものは自分に選択肢はないっていう教育だったのね。教育っていうか教訓みたいなものね。だから『美女と野獣』とかは正に教訓で、昔はやっぱりさ、お金がない家とかもあるし、お金持ちのおじいちゃんと結婚しなきゃいけない13歳の子とかいるわけじゃん。その時に…………「顔じゃないよ、男は」っていう教訓ですよ、あれは。

 

四方 (笑)

 

兵藤 「お金持ちなんだから、顔じゃなくて心を見たらいいんじゃない?」っていう教訓だったの。

 

四方 刷り込みですな。

 

兵藤 そうそう。だからディズニーが作るもの全部、結局は同じ話じゃん? そうだったんだけど、そうも言っていられない時代になっちゃって、今時そんなプリンセスで王子様が迎えに来るということがありえないっていう社会になっちゃって、それをやったところでブーイングになるからって、マイナーな映画なんだけど、カエルになるディズニーの映画が作られたの。

 

──『プリンセスと魔法のキス』(2010)?

 

兵藤 それかな。カエルになっちゃうやつ。いままでのディズニーではありえない女性が出て来るわけですよ。ある1人の女の子が主役で、私は自分のレストランを持ちたいと。そのために頑張るんだけど、でも王子と出会って、なぜか魔法で王子と一緒にカエルにさせられちゃって、っていう。でも完全に自立した女性として初めて出て来た映画が、その映画なの。

 

四方 そっかー。ディズニーっていうのは男尊女卑なんですか。

 

兵藤 男尊女卑っていうか、教訓かな。「女の子には選択肢はないんだよ」っていうことをやんわり教訓として教えてくれたの。でも「やべーな、そんなんじゃない」っていう時代になってきちゃって、ディズニーもそのカエルのやつを作って、そしてダブル主演の『アナ雪』になっていくわけです。

 

四方 『アナ雪』の主役は姉妹ですよね? それは、一方はいままでのディズニーを背負っていて、一方は革新的とかっていうわけではないんですか?

 

兵藤 ではない。なぜなら、いままでは、救いに来るのは王子様だったでしょ? 寝ている人を起こすのは王子様だったじゃん、『眠れる森の美女』にしろ『白雪姫』にしろ。でも『アナ雪』は、救うのが妹なの。だから、結局『アナ雪』に関しては、王子は何にもしてないのね、ぶっちゃけ。ただ、あのどっちかの姫のことが好きなだけなの。

 

四方 …………そっか(笑)。

 

兵藤 うん(笑)。「使えねー!」って感じで出て来るんだけど、なぜか最後はおいしいとこ取りで、主演ぽく、結局王子と最後キスして、カップルーみたいなラスト。

 

四方 ちなみにどっちとキスするんですか?

 

兵藤 妹だった気がする。

 

四方 お姉ちゃんはどうするんですか?

 

兵藤 お姉ちゃんは、だから、カルマが解けて…………ありのまま(笑)。

 

四方 (笑)

 

兵藤 「ありのーままでーいいんだー!」っていう自我を勝ち取るんですよ。

 

四方 お姉ちゃんは魔女か何か?

 

兵藤 お姉ちゃんは触ると全てを氷にしちゃう人なの。だからみんなからヤバいって言われていて「私はみんなを氷にしちゃうから私なんていない方がいいのー!」ってなるんだけど、でも「あたしはこのままでいいー!」って言いながら雪山に行って城を作るんですよ、3分間で。

 

四方 3分間で(笑)。

 

兵藤 見ます? 私、これ私、毎年ミュージカルコースでこの人がどれだけ凄い演技をしているか見せているんで。この人っていうか、アニメなんだけど(笑)。演技論っていうね、学生に見せるための私のストックリストがあるんですよ。これだけはどうしても見て欲しい!

 

(映像を見せる。しかし、英語版)

 

兵藤 …………これ日本語のほうがいいか。

 

四方 (爆笑)すいません、松たか子でお願いできますか?

 

兵藤 訳が良くないんだけどね。(松たか子版で見直す)ほら、状況を歌っていますね。ここで氷にしちゃうことを悩んでいると。それでここから心境が変わるんですよ、ね? 「私はこれが出来るんだ!」って、自分を受け入れていくシーンなんですよ。そう、いままでこれが、まぁコンプレックスだったってことですね。これね、音と芝居をしてるいんですよ、エルサが。

 

四方 ホントディズニーって顔豊かですよね。

 

兵藤 そうなの。でも、よくよく見ると気持ち悪いけどね、この顔。ほら、もう一瞬で作っちゃったから、城……こっから! ほら、城作っているでしょ。これね、髪の毛をパランと。ほら、歌の中でお着替えしてね。これ以降ずっとこの衣装ですから、この人。どうですか! この最初の気弱からここまでの強気! 時間にして3分ですよ!(笑) 3分で人間、ここまで変われるんですよ! これがミュージカルですよ! 凄くないですか? それで状況の説明が全部これに含まれて、私は家を建ててここに住むからっていうのも全部入っているんですよ! いいミュージカルっていうのはね、説明が全部歌でなされてるんです!

 

四方 そうか〜ちょっとお腹いっぱい。

 

兵藤 (笑)

 

四方 久しぶりにディズニーの絵を見たら……あたりますね。

 

兵藤 なんだろうね、この濃さね。圧が凄いよね、ディズニーってね。でもさ、新しい『美女と野獣』とかも、彼女は変わり者だってことを入れているんだよね。自立した女なんだってことを入れてんの。昔の『美女と野獣』はシンデレラみたいな設定で、お姉ちゃんたちにいじめられてる妹なの。こないだのは、彼女は本とかも凄く読むインテリで、だから変わり者で、みたいなことを設定として入れてんの。まぁ一応体裁を整えているというか。

 

四方 いま聞いて、ディズニーが保守的っていうのは面白いんですけど、ショックですね。

 

兵藤 いやでもそうじゃんだってー。全部同じ話なんだよ?

 

四方 そんなこと考えて来ないで生きて来ちゃったから。

 

兵藤 そうなんだよねー。

 

四方 刷り込まれとったー。

 

(次回に続く/最終回は【1/11(木)】に掲載予定)