映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2018」9/3(月)開講!

【応援コメント!】映画監督の大工原正樹さんより!

今回は映画監督で、映画美学校フィクション・コース講師の大工原正樹さんより応援コメントを頂きましたので掲載致します!

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「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2017」受講生が出演、映画美学校フィクション・コース受講生がスタッフ、そして現役の映画監督であるフィクション・コース講師4名がそれぞれ監督し、短編映画を創り上げた「ミニコラボ実習」。

今回は大工原さんの作品に出演した4名について「それぞれの印象と今後に期待すること」を寄稿頂きました!ありがとうございます!

 

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『純情No.2』で演じた俳優養成講座2017の人々

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加藤紗希さんは、長らくダンサーとして注目を集めてきた人で、自らが率いるダンスカンパニーの公演では演出などもしているそうです。会ってみると、そんな経歴から想像する「パワフルなカリスマ」といったタイプとは違う、のびのびとした明るさを持った人でした。フィクション・コースの受講生と一緒に『純情No.2』のシナリオを作っている時、物語のアイディアは生徒達に任せ、僕は机の前に貼った4人の写真を眺めては「うーん、この4人をたった10分の中でどう目立たせ、格闘させたらいいんだ……」と頭を抱えていました。中でも加藤さんをどう活かすかが一番悩ましかったのです。素直で朗らかでポジティブで――、そういったプラスの要素が容姿にも物腰にも表れている人ほど、映画の中での扱いが存外難しい。それとは別に、入り組んだパズルの中心にまず誰を置くかを発見できないと「撮れない」と思ってしまう癖が自分にあったりして、シナリオ作りは難儀したのでした。ようやくシナリオが出来てリハーサルでワンシーンを演じてもらった時、加藤さんのある芝居が僕を驚かせました。予測を完全に超えていたというか、自分の価値観では測れない芝居だったので、正直戸惑ったのです。でも、なんだか面白かった。加藤さんと役の解釈について話したことは全くなかったのですが、その芝居によって彼女のキャラがデフォルメされ、より興味深い人物になった気がしたのです。結果、出来上がった短編の中での彼女は、当然「ただのいい娘」には見えなかった。また、事前の打ち合わせで「できれば、本職のダンスを封印したい」と言った彼女が、代わりに提案してくれたのがアクションでした。踊れる人はアクションをやってもキレがある。その提案が、そのままラストシーンのアイディアになりました。もちろん、彼女の動きはキレがあって美しかった。加藤さんは役者もやりたいダンサーではなく、自分のコンセプトで役を面白く見せることができる役者でした。

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豊島晴香さんは、文学座での俳優修業のあと、玉田真也さんが今期修了公演の演出をすると知って、映画美学校のアクターズ・コースに飛び込んだのだとか。「ポパイ」のオリーブのような華奢な体つきと目の大きさが印象的な人です。ミニコラボのシナリオ作りはフィクション生だけでなく、アクターズの出演者にも積極的に関わってほしいと話してありました。結果、ベースになるシナリオとして僕が採用したのは豊島さんが書いたものでした。生きたセリフになっているのと、4人それぞれに行動する「理由」があり、直せばキャラクターの描き分けが出来そうだと感じたのです。共演者のことを僕やフィクション生よりよく知っていたことも大きかったのかもしれません。豊島さんのオリジナルでは、とても真面目な人物とテーマを書いてくれたのですが、僕が不真面目に直してしまいました。劇中、豊島さんは零細映像制作会社の社長らしい「やり手」感と俗物性をかなり巧く表していたと思います。深夜の社内でADの太一と抱き合うシーンでややナーバスになる本人の初々しさと、一番大人である女社長の俗っぽさを正確に理解して演じる頭の良さが同居しているところに「やはり役者って面白いなあ」と思わされたものです。もちろん、それを演技で表すことができる技術を、豊島さんはすでに持っているのだと思います。愛人の太一がタレントの香と関係を持ったことを知った豊島さんが、「寝たの?」と突っ込みを入れる間(ま)と声のトーンが絶妙に可笑しくて、編集の時に思わず繰り返し見てしまいました。間違いなくコメディエンヌが出来る人だと思います。

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田端奏衛くんは、京都の大学で演技や映画制作を学んだ人だそうです。自分が役者をやっていることに、どこかまだ完全には納得いっていないような風情を時々漂わすことがあり、そこに男優特有の憂いと色気を感じました。いや、そう見えるという話なので、田端くん本人がどう思っているのかは知りませんが……。アクターズ・コース主任講師の井川耕一郎さんが「田端くんは大学で、努力してカチンコの打ち方をマスターしたので、プロの助監督並みに打てるらしいですよ」と教えてくれたことが、映像制作会社が舞台の『純情No.2』のヒントになりました。しかし、劇中では撮影をやっているシーンが無いので、結局、田端くんの特技を自分の目で確認することはできなかったのが残念です。ただし、彼が演じる太一がADであるという設定は残ったので、撮影前や撮影後の振る舞いに現場を知っている人が演ずるリアリティは出ていたと思います。キャストの中で唯一の男であり三人の女に惚れられる役のため、どうしても受け身の芝居が多くなるのですが、どの場面でも巧く反応し、それぞれの女優の面白味を引き出してくれました。ラストで加藤さんの蹴りを受けてぶっ飛ぶリアクションの上手さにも感心しました。次に田端くんがドラマを牽引していくような役をやった時、どんな風に演じるのかぜひ見てみたいです。

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本荘澪さんは、アクターズ・コースに入るまで演技の経験がなかったそうです。ミニコラボで初めての撮影に臨むということで不安も相当あったはずですが、それをあまり見せずに度胸と好奇心で乗り切っている感じがよかったです。たぶん根は真面目で繊細で、それだけに集中力もあるのでしょう。個性的なタイプなので、加藤さんとは別の意味で、本荘さんにどういう役を振ったらそれが活きるのかを悩みました。田端くんのADをイビリ倒しながら、実は彼に気のある歳下のディレクターという設定に落ち着き、そこから他の二人にどう対峙したら彼女が面白く見えてくるのかと、手探りのなかで最終的なキャラクターが見えてきたような気がします。声のトーンがやや高くて細いので、マイクに乗る発声の仕方を掴むまでは少し苦労すると思いますが、持ち前の好奇心でぜひ大きな何かを掴んでほしいと思います。

 

玉田真也さん演出の修了公演「S高原から」で彼ら4人がどんな役を演じ、僕の知らないどんな魅力を見せてくれるのか、今から楽しみで仕方ありません。

 

 

大工原正樹 Daikuhara Masaki

1962年生まれ。高校時代から自主映画を作り始め、大学在学中に中村幻児の雄プロダクションに所属。廣木隆一、石川欣、鎮西尚一らの助監督を務める。その後廣木らが設立した制作会社フィルムキッズに所属し、89年、映画『六本木隷嬢クラブ』でデビュー。以降は『もう・ぎりぎり』(92)、『未亡人誘惑下宿』(95)、『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』(96)、『同・夢犯遊戯』(96)、『風俗の穴場』(97)などのVシネマを監督する。テレビドラマでは「真・女神転生デビルサマナー」(00)、「七瀬ふたたび」(00)、「ミニチカ」(06)などを監督。他に音楽ビデオ、CF、TV番組、VP等の演出作は数百本に及ぶ。映画美学校では、『赤猫』(04)、『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』(10)、『坂本君は見た目だけが真面目』(14)を監督している。新作『ファンタスティック・ライムズ!』がオムニバス映画『日本全国どこでもアイドル』の1篇として2017年に公開。この春には京都と大阪での上映も予定されている。

 

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映画美学校アクターズ・コース 2017年度公演
「S高原から」
作・平田オリザ 演出・玉田真也(玉田企画)

【玉田真也(玉田企画 / 青年団演出部)】
平田オリザが主宰する劇団青年団の演出部に所属。玉田企画で脚本と演出。日常の中にある、「変な空気」を精緻でリアルな口語体で再現する。観る者の、痛々しい思い出として封印している感覚をほじくり出し、その「痛さ」を俯瞰して笑に変える作品が特徴。

出演:石山優太、加藤紗希、釜口恵太、神田朱未、小林未歩、髙羽快、高橋ルネ
          田中祐理子、田端奏衛、豊島晴香、那木慧、那須愛美、本荘澪、湯川紋子
        (映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2017)
          川井檸檬、木下崇祥

舞台美術:谷佳那香、照明:井坂浩(青年団)、衣装:根岸麻子(sunui)
宣伝美術:牧寿次郎、演出助手:大石恵美、竹内里紗
総合プロデューサー:井川耕一郎
修了公演監修:山内健司、兵藤公美、制作:井坂浩

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公演日程:2018年2月28日(水)〜3月5日(月)

2/28(水)19:30~
3/1  (木)19:30~
3/2  (金)15:00~ / 19:30~
3/3  (土)14:00~ / 19:00~
3/4  (日)14:00~
3/5  (月)15:00~
※受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前
※記録撮影用カメラが入る回がございます。あらかじめご了承ください。 

チケット(日時指定・全席自由・整理番号付)
前売・予約・当日共
一般 2,500円 高校生以下 500円
資料請求割引 2,000円 

※高校生以下の方は、当日受付にて学生証をご提示ください。
※未就学児はご入場いただけません。
※資料請求割引:チケット購入時に映画美学校の資料を請求してくれた方に500円の割引を行います(申し込み時に資料の送付先となる連絡先の記入が必須となります)。

チケット発売開始日 2018年1月8日(月・祝)午前10時より

<チケット取り扱い>
CoRichチケット! https://ticket.corich.jp/apply/88312/

<資料請求割>
映画美学校の資料を請求いただきました方は当日2500円のところ、2000円で鑑賞いただけます!
下記よりお申込みください。お申込み後、映画美学校より随時学校案内などの資料をお送りいたします。

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会場
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線副都心線西武有楽町線小竹向原」駅 下車
4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

お問い合わせ
映画美学校
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS B1F
電話番号:03-5459-1850 FAX番号:03-3464-5507
受付時間(月ー土) 12:00-20:00