【応援コメント!】映画監督の菊地健雄さんより!
今回は映画監督の菊地健雄さんより応援コメントを頂きましたので掲載致します!
「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2017」受講生が出演、映画美学校フィクション・コース受講生がスタッフ、そして現役の映画監督であるフィクション・コース講師4名がそれぞれ監督し、短編映画を創り上げた「ミニコラボ実習」。
今回は菊地さんの作品に出演した4名について「それぞれの印象と今後に期待すること」を寄稿頂きました!ありがとうございます!
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ミニコラボ作品『肉まんの味』に出演した三人について
僕にとっての映画作りは、集団制作としてキャスト・スタッフからその力を如何に引き出していけるかにかかっていると言っても過言ではない。その昔、牧野省三という監督が、映画は「一スジ(脚本)、二ヌケ(映像)、三ドウサ(芝居・役者)」という有名な言葉を残しているが、完成された映画はその3つの要素が顕密に複雑に重なり合うことが必須条件だと思っている。ミニコラボ実習として製作された『肉まんの味』は、出演してくれた3人のアクターズ生、神田朱未さん、高橋ルネさん、高羽快くんが、普段の映画作り以上にこの3つの要素に深く関わってくれたからこそ生み出された作品であることは間違いない。
まずタイトルにもなっている「肉まん」は高羽くんの好物だ。最初に脚本のネタを探るために行ったインタビューで彼がそんなことを語ったところから始まっている。高羽くんの最大の武器は、あの何ともいえない味のある顔だと思う。観客は、彼の顔を見て色んなことを想像してもらえるのではないだろうか。二人の女性の間で右往左往する役になっていったのは、やはり高羽くんのキャラクターによるところが大きかったような気がする。ちなみに高羽くんは、演じるときにどちらかといえば仕掛けることが得意なようだったが、今回は受けの芝居に敢えて挑戦してもらったことも付け加えておく。
神田さんは第一印象がとても親しみやすいキャラクターで、周りからとても愛される感じがした。ただ、きっとこういう人を怒らせたら絶対にマズいという気もして、その点を今回は存分に活かさせてもらった。登場人物の中で前半と後半で最も変化する役どころだが、そこを見事に演じてくれた。僕は女性のなかにある隠された本音というか本質みたいなものが普段から気になってしょうがないのだが、神田さんの本音や本質を覗いてみたいと思ったのも、この作品の方向性を決める上でとても大きな要素だった。
高橋さんは一見すると天真爛漫でポジティブな印象のなかに、時折、けっこう考えてしまう人だという印象を感じた。それで高橋さんの役が、前に進もうとすることで3人の関係性が変化するアイディアが浮かんだのだ。何故かはわからないけれど、普段の彼女とは逆に迷いなく突き進む様が見てみたいと思ったのだ。撮影現場でも悩みつつ考えつつではあったけれど、高橋さんはこの振り切って突き進む悪い女を本番では思い切りよく演じてくれた。彼女が相手を真っ直ぐに射抜くように見つめる視線は、この作品の大きな見どころの一つだと思う。
ここまで書き進めてきて、『肉まんの味』を作っていくうちに、この作品のテーマが普段人に見せたくないと思っている自分を演じてもらうことになっていったのではないかと、今更ながら思い始めた次第である。演じてもらった役はフィクション生や僕によって生み出されたキャラクターではあるが、やはり演じる役者と役としてのキャラクターは不可分なのだという言葉にしてしまうと至極当たり前のことを実感した。フィクションにおける最良の演技とは、演じる俳優の最良のドキュメントなのだと常々感じていたが、その思いをさらに強くするいい機会になった。はたして出来上がった作品を見て本人たちがどのように感じたか僕にはわからないけれど、脚本作りから始まって、撮影、仕上げとそれぞれ段階で、普段の彼らが見せようとしていない魅力をキャスト・スタッフが一丸となって模索した日々だった。
アクターズコース修了公演『S高原から』でも僕がまだ見つけられていない彼らの魅力を発見できることが今から楽しみでならない。
菊地健雄 Kikuchi Takeo
1978年生まれ。映画美学校フィクションコース5期高等科修了。その講師だった瀬々敬久監督に誘われ商業映画の助監督へ。助監督としての参加作品は『ヘヴンズストーリー』(瀬々敬久監督)、『かぞくのくに』(ヤン・ヨンヒ監督)、『岸辺の旅』(黒沢清監督)、など多数。
2015年『ディアーディアー』にて長編映画を初監督。同作は第39回モントリオール世界映画祭に正式出品され、フランクフルト第16回ニッポン・コネクションではニッポン・ヴィジョンズ審査員賞を受賞した。
2017年は『ハローグッバイ』(第29回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門正式出品、おおさかシネマフェスティバル2018新人監督賞)と湊かなえ原作の『望郷』を劇場公開。両作にて第9回TAMA映画賞最優秀新進監督賞を受賞した。映画美学校同期の瀬田なつき監督と演出を手掛けた連続ドラマ『東京アリス』もAmazonプライム・ビデオにて好評配信中。
最新監督作はOkada Takuro「遠い街角 (Feat. 優河)」MV
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映画美学校アクターズ・コース 2017年度公演
「S高原から」
作・平田オリザ 演出・玉田真也(玉田企画)
【玉田真也(玉田企画 / 青年団演出部)】
平田オリザが主宰する劇団青年団の演出部に所属。玉田企画で脚本と演出。日常の中にある、「変な空気」を精緻でリアルな口語体で再現する。観る者の、痛々しい思い出として封印している感覚をほじくり出し、その「痛さ」を俯瞰して笑に変える作品が特徴。
出演:石山優太、加藤紗希、釜口恵太、神田朱未、小林未歩、髙羽快、高橋ルネ
田中祐理子、田端奏衛、豊島晴香、那木慧、那須愛美、本荘澪、湯川紋子
(映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2017)
川井檸檬、木下崇祥
舞台美術:谷佳那香、照明:井坂浩(青年団)、衣装:根岸麻子(sunui)
宣伝美術:牧寿次郎、演出助手:大石恵美、竹内里紗
総合プロデューサー:井川耕一郎
修了公演監修:山内健司、兵藤公美、制作:井坂浩
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公演日程:2018年2月28日(水)〜3月5日(月)
2/28(水)19:30~
3/1 (木)19:30~
3/2 (金)15:00~ / 19:30~
3/3 (土)14:00~ / 19:00~
3/4 (日)14:00~
3/5 (月)15:00~
※受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前
※記録撮影用カメラが入る回がございます。あらかじめご了承ください。
チケット(日時指定・全席自由・整理番号付)
前売・予約・当日共
一般 2,500円 高校生以下 500円
資料請求割引 2,000円
※高校生以下の方は、当日受付にて学生証をご提示ください。
※未就学児はご入場いただけません。
※資料請求割引:チケット購入時に映画美学校の資料を請求してくれた方に500円の割引を行います(申し込み時に資料の送付先となる連絡先の記入が必須となります)。
チケット発売開始日 2018年1月8日(月・祝)午前10時より
<チケット取り扱い>
CoRichチケット! https://ticket.corich.jp/apply/88312/
<資料請求割>
映画美学校の資料を請求いただきました方は当日2500円のところ、2000円で鑑賞いただけます!
下記よりお申込みください。お申込み後、映画美学校より随時学校案内などの資料をお送りいたします。
映画美学校アクターズ・コース資料請求割引申し込み専用フォーム
会場
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線・副都心線/西武有楽町線「小竹向原」駅 下車
4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。
お問い合わせ
映画美学校
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS B1F
電話番号:03-5459-1850 FAX番号:03-3464-5507
受付時間(月ー土) 12:00-20:00