映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2018」9/3(月)開講!

月刊 兵藤公美 with 四方智子 5・6月号(第2回/全3回)

「ラジオのようなブログ記事」──それが『月刊 兵藤公美 with 四方智子』。

俳優・兵藤公美(映画美学校アクターズ・コース講師)が、映画美学校事務局の四方智子と共にお話する企画です。

第3回の5・6月号は、つい先日突然の閉店で衝撃を与えた、映画美学校の渋谷移転以来「受講生・修了生・講師ご用達の店」として愛された「興和軒 渋谷店」にて収録しました。

テーマは「仕事外の時間の過ごし方」から始めたのですが、いつの間にか「男女差別について」「ハラスメントについて」などにまで話は広がっていきました(収録日:4/22)。

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──お二人は辛いもの、大丈夫ですか? 私、興和軒に3人以上で来ると必ず頼む料理があるんですけど…

 

四方 あ、じゃあそれいきましょう。

 

兵藤 食べてみたい。

 

四方 でも自分が何が好きかって、やっぱり鉄道の何が好きかまでちゃんと言語化していなかったから、言えてスッキリしました。

 

──ハーブ系は何に惹かれているんですか? 興味を持ったきっかけはお母様の植物だったというのは分かったんですけど、イヤだったら続かないじゃないですか。

 

兵藤 そうだね。

 

四方 うん、私、絶対続かない。ウチの母親も好きなんですよ。シクラメンが大好きで、ひと植え買ったら何年もちゃんと咲かせる人なんですけど、旅行とか行っている間に「お水あげといてね」って言われても大体忘れますもんね。

 

兵藤 水やりを? あー…

 

四方 「あ、ヤベ、帰ってくる、やんなきゃ」っていってあげて、なんとか事なきを得るみたいなことをやってましたね。それぐらい私は植物に全く興味がないんですよ。

 

兵藤 植物はね、喋らないけど…

 

──コミュニケーションが取れる?

 

兵藤 そうなのよね。これ、スピリチュアルな話じゃないよ? 本当にね、葉っぱとかを触ってあげたりするだけで、育ちがいいの。でもそれは科学的にも証明されていることで、葉っぱとかを触られるのは、本当は植物的にはイヤらしいの。イヤだから、反発するみたいな感じで、生きようとする。だから成長するみたいなことがあるんだけど、それを私たちは勝手に触ってコミュニケーションを取ることで、元気になっているって良いように解釈しているんだけど、科学的にもそういうことなんだって。だから触ってあげた方が成長するよ、みたいなことは言われてるんだけど。あと…………プロデューサー的な目線もあるよね。

 

──プロデューサー(笑)。

 

兵藤 植物を育てるっていうのは、自分がある責任を伴うじゃない、生物だから。生かせるか死なせるか、責任がまずあって。だから、まぁ猫を飼いたいっていう人と似ているのかもしれないけど、だけど私は猫には全く興味がないんだけど、バジルには凄い興味がある。

 

四方 でもさっき、育てることで日々変わるというか発見があったみたいなことを言っていたじゃないですか。それはなんか、ちょっと、のめり込む一端になるんだろうなって感じがしますよね。自分がやったことに対する反応がある、みたいな。

 

兵藤 そのコミュニケーションもあるし、結局はものづくり的な感覚なのかもね。種にも色んな蒔き方があって、散蒔き(バラまき)っていうのとちゃんと1個1個穴にしてやるっていうやり方があるんです。私は散蒔きなんですよ、面倒臭いから。

 

四方 (笑)

 

──面倒臭いからそれを選択したと(笑)。

 

兵藤 それはそれでいいんですよ(笑)。その後ですから、責任を取っていくのは。

 

四方 でも散蒔きにすると、凄く密集するところと閑散とするところが出てくるわけじゃないですか。

 

兵藤 そうですよ。だからもの凄いたくさん蒔いちゃうんです。そして、間引くんですよ。

 

四方 ああ、間引くんだ。

 

兵藤 そ・こ・で、そこはむしろ殺すことになりますけど、でもちゃんと私は双葉の次に出て来た葉っぱの四ツ葉みたいな状態でちゃんと食べますから。で、自分がどういうバジルにするのかっていうことを、自分でデザイン出来るみたいなことが凄く面白いの。

 

四方 ふーーーん。

 

兵藤 レジャーみたいな感覚もある。

 

四方 でもなんか、ちょっと似ている感じがする。いまの公美さんの仕事と、植物を育てるっていうのが。

 

兵藤 そうなんだよ、結局ね。

 

四方 俳優も、何かしらの人と影響を受けながら、その中で自分でどうクリエイトしていくかじゃないですか。植物もなんかそんな感じしません?

 

兵藤 うん。

 

四方 ただこう、待っているだけじゃなくて、植物は植物で、植物の訳分かんないけれど何か意志があって出てくる。自分の想像だにしないところで、何かの意志があってやっているというか。で、それに対してこっちの意志も見つけて、みたいな。

 

兵藤 そう。思い通りにはいかないし、でも、こっちが手をかければそれなりの反応をしてくるし、とか。でも思いもよらず虫がついたり、「これ台本ないぞ!?」みたいな(笑)。「ここどうすんの!?」みたいなことも起こるし。

 

四方 そういう話を聞くと面白そうだけど、私には一切そういうのは無理って思っちゃった(笑)。

 

兵藤 いや、凄い面白いよ。いま、バジルシードっていうのが飲み物になって売っているくらい注目されているっぽいんだけど、バジルって、超小ちゃいの、種が。で、それに霧吹きだけするの。そうするとね、種自らね、膜を作るのね。プルんってゼリー状の膜を作るの。

 

四方 カエルの卵みたいな?

 

兵藤 そう。たまごみたいな状態になって、それをとにかくしばらくシュッシュシュッシュお水をかける。霧吹きじゃないとダメなんだけど。ビッチャビチャにしちゃいけないの。

 

四方 それは土の上で?

 

兵藤 土の上っていうか、種を散蒔いたら少し土も何となく被るじゃん? そんな感じでいいの。で、とにかくシュッシュしていると、出て来るわけ。で、一斉にワッと出てきた中で、さてこれをどう間引くかというところとかは私の采配にかかってくるわけですよ。やっぱり生きのいいのを残さなきゃいけないとか、その目利きみたいなところから、また株分けしていくわけよね、ある程度育ったら。で、1つの鉢にいくつ生けるか。私は、基本は2個にしているんですけど、それが20株くらいの中で生き残るのが、まぁ2株くらいなんですよ。

 

四方 へぇー。そんなもんなんだ。

 

兵藤 それは鉢をいっぱい用意すればいいことなんだけど。最終的にはそれがどんどん育って、バジルって木の枝みたいになるから、最後。

 

四方 え!?

 

兵藤 幹の部分が枝っぽくなるんですよ。

 

四方 そうなんだ!

 

兵藤 まぁローズマリーみたいな枝感ではないんだけど、かなり頑丈な幹になる、茎が。

 

四方 へぇー…ローズマリーが分からないからどうしようと思っちゃった(笑)。

 

兵藤 ローズマリーって、ワシャワシャワシャワシャ刺みたいになっているやつ。

 

四方 ローズマリーは知識としてはあるけど、全然ビジュアルとしては出て来ない。

 

兵藤 何て言うの、松みたいな感じでワシャワシャワシャワシャってなってて、割と鶏肉とかの料理に使われたりする。

 

四方 あ! わかった。

 

兵藤 そこらへんに結構生えてる、ローズマリーは。

 

四方 へぇー。あの茎ほどにはならないけど、茎っぽくなるんですね。

 

兵藤 割とね、木の枝っぽくなる。ローズマリーは、葉っぱも針葉樹みたいな感じ。でも凄く良い香りで、臭みを消してくれるから肉料理に使われるんですよ。あれは強いし、植えていくと蚊とか虫が来ない。だから一緒に植えるといいよとか言われているんだけど、意外と種から育てるのは難しいのね、ローズマリーって。だから私、まだ手を出してなくて、バジルは簡単。ただ、虫がつきやすい。なぜなら葉が柔らかいから。

 

四方 なんかね、齧られているというか欠けている印象はあります。

 

兵藤 どのタイミングで液体肥料をやるのかとかもあるの。また面白いのが、化学肥料をあげれば、もの凄い育つのね。怖いくらい育つの。で、虫もつかない。だけど油粕って言われている有機肥料っていうのは、虫はつくし土は臭くなるし、でも、化学じゃないから身体にいいとか。だから食べるハーブはそういう有機にしたいっていうのがあるんだけど、そこも悩み所じゃん? 私みたいにさ、ツアー行っちゃっていないよってなっちゃったり、何日か空けちゃうとかがあると、帰って見るともう全部虫に食い尽くされているとかあったりするの。だからまぁ、化学も上手く使えばいいやと思って、私は最近化学にしてます。

 

四方 共存がね、大事ですよね。

 

兵藤 そうなんです。

 

四方 支配されなければいいんですよ。

 

兵藤 そうなんですよ、上手く使えばいいんです、ステロイドも。

 

──ステロイド

 

兵藤 俳優に欠かせない。

 

四方 ステロイド、結局アリなのかナシなのか問題ですよ。

 

──え!? 俳優にステロイド!?

 

兵藤 喉をよく枯らしちゃうから。

 

──あ、肉体じゃなくてですか。

 

四方 うん?

 

──いや、筋肉増強のためになんでステロイドを俳優が打つんだろうと思ったんですよ。一体どんな役の役作りなのかなって(笑)。

 

兵藤 え、ステロイドって筋肉増強なの?

 

四方 なの?

 

──え、だって、オリンピック選手とか野球選手とか、ドーピングとかでよく話題になっているじゃないですか。

 

兵藤 そうなの?

 

四方 私、ステロイドといったらアトピー性皮膚炎とかですけどね。

 

兵藤 ステロイドってそうなんだ、筋肉とかも増強しちゃうんだ。怖っ!

 

──え、むしろそっちで有名じゃないですか?

 

兵藤 いや、知らなかった。

 

四方 知らない知らない。でも、皮膚にも効く、筋肉も増強する、喉もケア出来るっていったら万能薬だけど、めちゃめちゃ怖いですよね。

 

兵藤 めちゃめちゃ怖い。だって、本当にさ、ちょっとアトピーぽくなった時にそれ塗ってさ、もう1日とか数時間で良くなるじゃん? 怖いよ!でも、自然治癒で頑張ろうとすると、精神的にツラいじゃん? 皮膚とかって。

 

四方 痒いですよ~。

 

──(ステロイドをガンギメしたマッチョマンの画像を見せ)筋肉増強目的のステロイドをやるとこういう感じですよ。

 

四方 やだー気持ち悪ーい。

 

兵藤 それ何か変な服とか着てるんじゃなくて?

 

四方 (爆笑)

 

──着ていません(笑)。

 

兵藤 着てないの?

 

──シュワルツェネッガーとかはステロイドを使っていたと告白していますね、ボディービルダー時代に。

 

兵藤 ああ~なるほどねぇ~。

 

四方 そうなんだ。

 

兵藤 でもまぁそういう力はあるよね、多分。

 

四方 でも普通に飲み薬でステロイド出されたりとかもする。

 

兵藤 全然出されるよ。私、飲んでたもん。

 

四方 私も。

 

──それは皮膚用ですか?

 

兵藤 声帯。飲み薬は声帯で。

 

四方 私は皮膚。

 

兵藤 元々皮膚の方が医療的には有名だよね。

 

四方 うん。アトピーになったら、もうとりあえずみんなステロイドをガンガン出す。それも結局ずっと塗っていると抗体が出来ちゃうから、それで効かなくなっちゃって、どんどん強いステロイドになってやめられなくなっちゃうっていう問題があって。だけど結局使っちゃってますね。

 

兵藤 でも私、上手く使えばいいと思う、西洋医学は。ホメオパシーとかも言われるけど、本当にアトピーとかで赤く腫れててツラい時にさ、「いつ治るか分からないけど続けることですよ」って言われてもさ、本当に精神をさ、疲弊するよね。もちろん人によるけどね。

 

四方 そうそう。

 

兵藤 だったら、とりあえず3日間だけ使って、その痒みや痛みや腫れが治まって精神が楽になる方が私はいいと思う。でもそれは3日にして、そこからはさ…

 

四方 食生活を改めるとか。

 

兵藤 色々なことに自分でルールを決めていくんだと思うんだけどさ。改善に向けて意識は持たなきゃいけないけど、でもそこは私、上手く使っていいんじゃないって思ってる。まぁ漢方とかの方が好きだけど。

 

四方 でも漢方飲んでいた時、全然効き目がなくって、なんかこう、折れるんですよね。やっぱり効き目がないと。

 

兵藤 うーん、そうなんだよ、そこだよね。それがツラいじゃん。治らないのに「続けないと意味ない」って言われるの。

 

四方 そうそう。昔出された漢方が、ウコンが入っていたのか分かんないですけど、鍋で煮出すんですけど、1回その鍋で煮出すともうその鍋使えなくなるくらい真っ黄色になるんですよ。しかも、すっごい臭い! でもそれを頑張って飲まなきゃいけなくて、頑張ってたけど、もうなんか「治んないじゃん!」って思った…………で、何の話だったっけ?

 

兵藤 私は化学肥料も使いますって話。

 

──育てている時はストレスとかは全くないですか? 「あ、やんなきゃ…」とか。四方さんが植物を面倒見ることになったら「あ、水やんなきゃ、面倒臭い」ってなるってさっき言っていましたけど、そういうのは全然?

 

四方 義務感とかにはならないんですかね。

 

兵藤 ならない。あげたい。

 

──あげたい(笑)。

 

四方 おお!

 

兵藤 その時間は結構楽しみだよね。

 

──じゃあやっぱり完全に趣味というか、好きなことなんですね。

 

兵藤 そうだね。だってさ、日々変わっていくんだよ?

 

──アツい(笑)。

 

四方 アツい!

 

兵藤 「おい! お前こんなになったの!?」「君、凄いね!」って言ったり。

 

──動物ではなくて植物なんですね。

 

兵藤 うーん…猫とか犬とかは興味ないんだけど…やっぱりそうだね。猫とか犬が道を歩いていても全く見ないけど、道端にローズマリーとかあると「ああー! おまえー! ここに!」って言ってブチッと取って「いい匂い♪」とかって嗅いでいる。

 

四方 (笑)

 

兵藤 意外と生えているんですよ、ハーブって。

 

四方 へぇー。

 

兵藤 だからストレスにはならないね。興味深い、とても。

 

四方 多分求めるものが違うんですよね(料理が届く)うわ凄い! 何これ?

 

兵藤 ビジュアルにもこだわりがありますね、これは。

 

四方 これ、え、何なんだっけ?

 

──「水煮牛肉(シュイジューロウピエン)」ですね。牛肉と野菜の辛塩煮込みです。

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兵藤 みんな大好き興和軒!

 

四方 初めて食べるや。凄い。

 

ママ エエ!? ハジメテ?

 

四方 私これ初めてかも。誰かが食べていたのは見たことあるけど、食べたことないかも。

 

ママ オイシイヨ。

 

四方 これはどうやって食べるの?

 

兵藤 米みたいなの入ってる!

 

──お米は入っていないですかね。牛肉ともやしとキャベツでしたっけ?

 

ママ ソウデスネ。

 

兵藤 それとプラスでね、なんでハーブかってね、食べられるんだよ?

 

──いきなり元の話に戻りましたね(笑)。

 

四方 あ、それ大事。

 

兵藤 自分で作って、「あ、いまちょっとトマトを食べるのにハーブをブチって取って入ーれよ♪」って。フレッシュなんだよ。だから自給自足をしたいという気持ちも私の中にあるんだろうね。だからその真似事をしているんだと思う。

 

四方 (食べて)ん! 美味しい!

 

兵藤 分っかんないかなぁ!

 

──イラつきにも似た言い方ですね(笑)。

 

兵藤 (笑)。自分が育てたものを食べられるんだよ!? 楽しくないですか、凄く!? 猫飼っていて猫食べられないでしょ!?

 

四方 確かにその視点からだと(笑)。猫・犬に関しては私、実家でずっと飼っていたんで。そして正直ペットロスなんで言いますけど、求めるものが違う。

 

兵藤 そうです。そうでした。

 

四方 育てたいとかじゃないですね。癒されたいですね、あの子たちは。

 

兵藤 いや、癒されますよ、植物だって。

 

四方 うーん、でも、抱いた時に、フワフワフワっていう毛があったりとかします? ないでしょ?

 

兵藤 でもいい香りをさせてくれるんだよ?

 

四方 ああー。

 

兵藤 帰ってきて部屋にユリの香りがしているんですよ? だって、朝つぼみだったのに帰ったら咲いてくれてるんだよ?

 

四方 うーん…

 

兵藤 「ありがとー!」ってなるよ!

 

四方 元も子もないこと言いますが、私は鼻が悪いから匂いに興味がないー(笑)。

 

兵藤 (笑)

 

四方 否定するつもりもないんですよ。植物は植物で凄く憩いがあるんですけど…

 

兵藤 癒しですよ、もう。

 

四方 自分が育てられないのと、あと自分が育てたら漏れなく全部枯れるなっていう自信があるんですよ。

 

兵藤 …………あのね、バジル簡単だから。じゃあ株持ってきますよ、今年の株を私作るから、これから。

 

四方 じゃあちょっとバジルからやってみようかなぁ。枯らせる自信は結構あるんですけど。

 

兵藤 枯らしてもいいよ。でもね、バジルは、意外とアイツ、強いんです。葉は柔らかいから虫には食べられるけど、バジル自体は放っておいてもいいハーブなんですよ。

 

四方 そうか。でも確かに豆苗を育てるのは楽しいです。

 

兵藤 でしょ! でしょ!

 

四方 次の豆苗いつかなーって思いながら。

 

兵藤 あれ2回作れるからね。

 

四方 うん。どんどん細くなるんですけどね。でもありがたいなって。それは分かるけど、でも世話は全然しないなー。

 

兵藤 いや、ホントにね(食べて)…………凄い美味しい。

 

四方 凄っい辛くて凄っい美味しい。それに、本当に米入れて食べたい。

 

──お米に乗せて食べるの、凄く美味しいですよ。

 

四方 お米、頼みましょうよ。

 

兵藤 頼もっか。

 

──大盛りを1つ頼んで3人で分けましょうかね。

 

兵藤 山椒! 山椒の辛みだから本当に四川なんだね。

 

四方 美味しーい。すんごい好き、この味。

 

兵藤 薬膳的な感じですね。

 

──話を戻しますけど、そういうのはストレスが全くないんですよね。演劇とか演じるのが好きでも、しんどい瞬間は当然いくらでもあるじゃないですか(笑)。

 

兵藤 ありますあります。頑張らないといけない。

 

四方 そう。だから、好きなものを仕事にする問題は、そうじゃないと仕事が出来ないけど、だからといって幸せかと言われるとそうでもないっていうのが最近の私の自論ですね。

 

──かと言って、一般的な趣味レベルとは全然違うじゃないですか。

 

四方 好きなことを仕事にしているっていうのが大前提なんだと思う。30歳になった時に、自分の中では興味あるだろうと思って入った出版社の営業の事務みたいなのをやってみたら本当につまらなくて、長続きしなかったんです。だから、やっぱり映画の仕事をやれているのは凄くいいことだろうなと思うんだけど、だからっていって幸せかと言われたら違うよなって。

 

兵藤 ええー、幸せだよ、きっと。

 

四方 幸せなのかなぁ。じゃあ欲張りなのかしら。

 

兵藤 でも幸せって思い込みだと思うんだよね。

 

四方 ああー。

 

兵藤 幸せは何て言うか、その気になるかならないかっていうか、そんな感じに思ってて。よく分からないものだから。

 

四方 耐えられるか・耐えられないかみたいなところなのかな。自分の好きなことでも結局、自分の精神衛生上、言ってしまったら自分が病んじゃうみたいな状態になりえることだってあるわけじゃないですか。

 

兵藤 確かに。でもそれって往々にしてさ、人間関係だよね。大抵悩むことってさ。

 

四方 そっか。

 

兵藤 仕事の内容というよりかは。

 

四方 でも人って凄い密接してるじゃないですか。

 

兵藤 そうよ。

 

四方 8割人って感じがしちゃう。

 

兵藤 …………カラい。

 

四方 でもすっごい美味しい。

 

兵藤 人間だもの…………あ、汗が出てきた! え!? 凄い! 信じらんない!

 

四方 やったね!

 

兵藤 私、顔から汗が出ないタチなんですよ…

 

四方 おお! じゃあ凄いイイんですよ。

 

兵藤 凄い…

 

四方 ママ、紙もらっていい?

 

兵藤 凄い…発汗が凄いんだけど…ちょっと待って、ホント凄いんだけど…

 

──辛過ぎましたかね…大丈夫ですか?

 

兵藤 いや、いいと思う。私、代謝はいい方なんですけど…首から下は汗、凄いんですけど、顔に汗出ないんですよ、頭とか。

 

──顔に汗かかないってなんかいいですね。

 

四方 うん、羨ましい。

 

兵藤 でも首から下が凄いんだけどね。「滝!」みたいな…………でも頑張ってないみたいでさ。

 

──(笑)

 

兵藤 みんな顔から汗、すっごい出てるのに、1人だけなんかそんな感じだとさ。

 

──昔からそういう体質だったんですか?

 

兵藤 そういう体質だった。

 

四方 他の人に知ってもらうために、グレーのTシャツとか着たらいいんじゃないですか?

 

兵藤 グレーがダークグレーになるからね、そしたらもうね。

 

四方 そうそうそう。

 

──ダークグレーになったらまだいいですけど、ちょいグレーの時の汗染みはイヤじゃないんですか(笑)。

 

兵藤 確かに(笑)。

 

四方 そっか、脇から来るしね。色々難しい。

 

──でもこれを食べてそんなに発汗作用ありますか。

 

兵藤 凄い。ていうか私、めちゃくちゃ代謝がいいんですよ。

 

四方 いいなぁ。

 

兵藤 定食って大体温かいじゃない? 温かい食べ物食べると汗がバーッて出る。特に定食!

 

四方 羨ましい。イヤな汗しか出ない。

 

兵藤 (笑)

 

四方 分かります? 外が暑い時のジワーっとしたああいう汗しか出ないから、サウナの時の汗みたいな、身体の芯から温まってビヤーって出てるっていう汗はかかないから、公美さん羨ましい。

 

兵藤 でもね、冷えるんですよね、これだけ汗をかくと後で。それがね、難しいところ。

 

四方 そっかー…………で、何だっけ?

 

兵藤 私は植物をそうやって作ったりしていることが、関係ないことをしている、かな。

 

──なんでそんな話を今日聞いてみようかと思ったかというと、基本的に僕は文字を書く仕事をして来たので、常に頭が言葉に支配されるんですよ。

 

兵藤 へぇー。

 

──意識的に考えていない時であっても、無意識のどこかで頭が動いているというか。

 

四方 ふーん。

 

──だから、無意識で負荷が掛かっていて、それがある一線を超えると機能が停止しちゃうというか。去年ですけど、完全につぶれた時があって、それでどんなに時間がなくても、そういう時こそ運動だとか、言葉に関係のない時間を積極的に取らなきゃいけないだなって学んだんです。最近は絵を描き始めたんですよ。

 

四方 へぇー。

 

──下手だからとりあえず模写とかが多いんですけど、義務でも仕事でもないから自然と続いていて、凄く静止衛生上良くて。だから公美さんは今までどうしてきたのかなぁって。

 

兵藤 でも確かに、自分から離れるみたいなことって大事な時があるかもね。模写とかって特にさ、人が描いたものをそのままトレースするわけじゃん? それって他者がやったものをそのまま真似するんだけど、実は真似することで他者を生きてるっていうか…ごめんね、また演劇っぽいけど(笑)。

 

四方 自我を捨てられるって感じですよね。

 

兵藤 うん。1回自分を失くせるっていうか、そういうところは行ったり来たりしたい時はあるよね。

 

四方 私それ、アイドルかも。いまのところ。

 

兵藤 それは…………自分をアイドルとして…

 

四方 違う違う違う(笑)。

 

兵藤 今の話だったらそうだよね? シンスケくんは模写をしてゴッホのようにまず生きるみたいな…

 

──ゴッホだと結局狂って自殺するじゃないですか(笑)。

 

兵藤 四方さんはアイドルとして一端生きてみてっていうことではなくて?

 

四方 いやいやいや(笑)。あまりにもフィクショナルな世界じゃないですか。私と関係性が全くない世界だから。映画を観ていてもどこかでやっぱり、お話に入り込む時に、どこかで共感だったりだとか、物語ってどこかで自分とそのものの距離っていうのを測ろうとするじゃないですか。それが全くないんですよ、アイドルって。だから、ここから本当にのめり込み過ぎて、例えば好きなアイドルに認知されたいだとか、その人たちのためにこれだけやったとか、そういうふうなことに変わっていったらまた話は別なんですけど、いまの私とアイドルの関係性は、はっきり言ってお金もそんなに落としてないし、YouTubeに上がっている動画をひたすら見るくらいっていうことだから、もうそこに憧れとかもないわけですよ。ちっちゃい頃にアイドルを見ていた感じとはまた違うんですよ。ちっちゃい頃は「あ、なんかこの世界、とてもキラキラしてて楽しそうだな」って感じで見てたけど、いまはもう「はぁ…かわいい…」ってだけなんですよ。

 

兵藤 ペット!

 

四方 ペットはまだほら、触覚があるから。もっと離れてます、多分。

 

兵藤 じゃあやっぱり、ある種の偶像というか、神みたいなことね?

 

四方 まぁすっっっごく極端に言ったらそうかも。神とは思ってないですけど。

 

兵藤 この世にいないもの的な?

 

四方 でもいないんじゃないかと思う時はある。ちょっと公美さん(笑)! シンちゃん写真取って!

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四方 そういうことはあるかもしれないけど、でも、自我には全く関わってないんですよ、「好きだ!」ってアイドルを見ている時の自分って。ただただ享受してる。かわいさを頂いてます、みたいな。

 

兵藤 ああー! 満月の時ってさ、満月の光を美のビーナスから浴びようみたいなのあるじゃん。

 

四方 そういう感じです。

 

兵藤 なるほどねー。月、ビーナスなんだね、アイドルはね。お恵み下さる。だからやっぱ神的な位置だよね。

 

四方 そうか、そういうことなのか。でも別に、月に「何かしてくれよ」とは言わないじゃないですか。それと一緒な感じ。だからやっぱ神なのかなぁ。

 

兵藤 見てるだけで美しいみたいなことだよね。

 

四方 変な話「見させて頂いてありがとうございます」みたいな感じ。「いてくれてありがとう」って。

 

兵藤 じゃあやっぱり天体なんだね。

 

四方 うんうんうん。星かも。

 

兵藤 皆既日食みたいなありがたいものっていうか。

 

四方 うん。そういう感じです。

 

兵藤 なるほどー。そういうのないなー、私。

 

四方 だから私もビックリしてる。ホントにここ数年ですもん、アイドルにハマったの。それまで、かわいいなぁとか思ってたけど、こんなに毎週YouTubeの番組を見たりとか追っかけたりだとか…とうとう先日ライブまで行きましたからね、1人で。

 

兵藤 ええー! それはさ、結構踊ったりするの? その人たちは。

 

四方 凄く踊ります。

 

兵藤 じゃあやっぱりさ、リスペクトもあるのかな、智子の中には。

 

四方 リスペクト…

 

兵藤 私の友達で、急にここ最近シャイニーにもの凄いハマっている人がいて。で、やっぱ技術が凄いっていうところと、本気でそれをやっている姿に感動して好きになって人がいて、それってリスペクトも結構大きいから「こんな動き出来る? このリズムでこの早さでこの動き出来る? 出来ないでしょ? 出来るんだよ、この人たち」っていう。それを涼しげにやっているんだよっていうリスペクトみたいな。だから「それのためにはどれだけ努力していると思う?」とかさ、そこにリスペクトを払ってるの、その人は。そういうところもある?

 

四方 えっと、ただ1個、神的な関係だと思えないでいたのは、あの子たちは人間なんですよ。だから、なんて言うんだろうな、品行方正ではないと言うとちょっと語弊になりますけど、それこそ私が大好きな女の子がいて、その子は凄く歌が上手いんですけど、センターになれないんですよね。

 

兵藤 それは秋元康の関係の人たちですか?

 

四方 秋元康の関係ではないです。そっちじゃない方ですね。

 

兵藤 つんく♂の関係の人たち?

 

四方 つんく♂の関係の方の人たちですね。

 

──なんでそんな中途半端にイニシャルトークみたいな感じになっているんですか(笑)。

 

四方 いや、何となく(笑)。

 

兵藤 私、つんく♂秋元康ならつんく♂の方が好き。

 

四方 いやぁもう、つんく♂さんは本当に良いですよ。なんて言うんだろうな、人間味が凄くあるんです。だから、例えば同じ学校で、同じクラスの同級生の女の子じゃなくて、隣のクラスの女の子の話を見ているみたいな雰囲気があるというか。

 

兵藤 ふーん、身近!

 

四方 そう。自分とは関わりがないけれども、でもなんか「どうも色々と思っていることがありそうだぜ」みたいな感じのを覗き見するというか。私が大好きな女の子は、すっごく歌が上手いんです。それだけで自信持てばいいのに、センターになれないことへの、凄い卑屈な部分がとても女の子っぽく出しているんですよ。ていうのは、分かったふりして実はメラメラ、みたいなタイプなんです。だから発言も行動も全部優等生な言葉を言うんです。だけど「おめー、絶対それ思ってないだろ!」っていうのが見える。

 

兵藤 「演じてんだろ」って?

 

四方 「ホントは違うだろ、お前」っていう。私、そういう人大好きで「わかるー!」みたいな(笑)。「そうだよねー」って。「私は別に認められたくないんで」とか言いつつ、心の中では「みんな認めて!」って思ってるの。

 

兵藤 自意識こじらせてるじゃないですか。

 

四方 だから凄いその子が「私、友達が凄く多くて」とか「クラスでもすぐ友達が出来て」みたいなことを言うのを聞くと「うそだー」って思っちゃうわけですよ(笑)。実際はどうか知らないですよ。だけど、やっぱり凄い歌が上手くてみんなから認められている分、本当だったらもっと穏やかにいられる立場のはずなのに、でも彼女はセンターに立ててないっていうことが、凄く彼女をこじらせているんですよ。

 

兵藤 で、そこに四方さんはシンパシーを感じているのね?

 

四方 うん。

 

兵藤 …………それは四方さんが(笑いながら)センターに立ちたいのにっていうこと?

 

──(爆笑)

 

兵藤 ドセンターじゃないですか! いまここで(笑)。

 

四方 違う違う違う(笑)。センターに立ちたい子が好きなんじゃないんですよ。センターに立ちたいのにそれが言えない子が好きなんですよ。分かります?

 

兵藤 あー、なるほどー。

 

四方 こじらせている女子、大好きなんで。ていうのは、半分痛いんですよ。自分の10代20代を見ているみたいで凄く痛くって。そういう意味でも「頑張れ!」って。

 

兵藤 なるほどね。老婆心。

 

四方 老婆心もあると思う。そういうところでの共感もあると思うんですけど、でも、現実において触れ合うことは一生ないわけじゃないですか。万が一何か仕事をやっちゃったら困りますけど。だから会いたくないんですよ。

 

兵藤 でもやっぱり自分の分身みたいなところ、あるよね。20代の智子がそこにはいて。インナーチャイルド

 

──(笑)

 

四方 え…それって何か良くないやつだっけ?

 

兵藤 いや、みんな誰しもインナーチャイルドはいると思うんですけど…

 

四方 そうかもしれないです。

 

兵藤 なるほどー。

 

四方 もちろん中にはそうじゃない人もいるんですよ? みんな好きなんで、基本的に。

 

兵藤 のびのびアイドルやっている人もいるだろうしね。

 

四方 みんな好きなんですけど、より応援しちゃいたいと思うのは、そういうちょっとこじらせていて、だけど向上心のある頑張ってる子になっちゃいますね。

 

兵藤 やっぱり…………葛藤ってさ、ドラマだよね。ウーロン茶くださーい!

 

(次回へ続く / 第3回=最終回は6/13(水)に掲載予定)