映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。アクターズ・コース2018年度公演「革命日記」2019/3/6(水)〜3/11(月)上演!

【応援コメント!】映画監督の池田千尋さんより!

今回は、映画監督で、映画美学校フィクション・コース講師の池田千尋さんより応援コメントを頂きましたので掲載いたします!

 

「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2018」受講生が出演、映画美学校フィクション・コース受講生がスタッフ、そして現役の映画監督であるフィクション・コース5名がそれぞれ監督し、短編映画を創り上げた「ミニコラボ実習」。

 

今回は池田さんの作品に出演したアクターズ・コース受講生についてご寄稿頂きました!ありがとうございます!

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 松岡さんと組むことになった日、まあまずは人と成りを互いに知り合おうということで、スタッフであるフィクションコース生たちと共にいつもの中華料理屋で食事をしながら彼の話を聞いた。それは例えば、これまでどんな芝居をしてきたのかとか、何が好きで何が嫌いなのかとか、家族構成はどんなかとか。なんでもない会話になるはずだった。が、なんでもないなんて、とんでもない。彼の口から語られたのは、ドラマティックと言っていいほどの困難に満ちた稀有な半生だった。淡々と客観的に、時には笑顔を交えて語る松岡さんに惹きつけられた。過去を冷静に分析しながら、目を背けずに生きていること、受け入れようと努力し続けていること、だからこそ芝居をしているということ。起きたことを誰かのせいにするのではなく、自分の一部として乗り越えようとしている。覚悟のある役者だなと思った。

 

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松岡さんは真面目な人だ。言っておくと、私もよく真面目だと指摘される人間で、それって褒め言葉じゃないよなと複雑な感情を抱くのだが、事実は事実として、やはり彼も真面目な人だ。そして、思慮深く、優しい、故に多くを語らない。だが、それらが芝居をする上で弱点にもなるということを、ワークショップやリハーサルを通して互いに確認していたように思う。彼は何と言っても受けの芝居が上手い。相手の芝居をキャッチして、繊細に反応し、相手を生かそうとする。だが、一方で投げる側に回ったとき、どうしても今一歩のところで芝居が止まってしまう。もしくは作り込み過ぎて彼自身の身体を失う。さらけながら強く発することへの躊躇と葛藤。それはもしかしたら過去の経験にも起因するのかもしれない。でも、過去は過去、今は今、どうしたら自分自身を乗り越えていけるのか。それは彼の課題であり、私自身の課題でもあった。

脚本作りはこの課題について考え続ける時間だったように思う。そして、生まれたのが小山田という役だ。過去に囚われている男が、ある女子高生と出会う。今しか知らずやみくもで暴力的に他者に踏み込む女子高生に触れた時、小山田はどう変わるのか、変わることができるのか。それは私から松岡さんへの挑戦でもあった。受身から投げ手に変化する小山田を演じながら、松岡さんは松岡さん自身を乗り越える瞬間を生み出せるのか。それを見たい、一緒に作りたいと切に願いながら脚本を完成させた。実はこの思いについては今日の今まで松岡さんに直接は伝えていない。そう、実はそうだったんです、松岡さん。でもことさらに伝えずとも松岡さんは理解していると確信した出来事がある。撮影直前、唐突に不安にかられた私は松岡さんと話す時間を設けてもらった。確かインの二日前、直前も直前。突然呼び出された上に、グダグダと演出方針について話す私を前に、松岡さんはいつものように落ち着いていて、シンとした覚悟に満ちていた。出会った時に思ったことを思い出した。“覚悟のある役者”。そっか、まあ何にしろやるしかないもんな、と妙に安心したのを覚えている。

撮影はそうしてただ真っ直ぐに進んだ。一緒に乗り越えていこうと、ただそれだけで良かった。松岡さんはとても素直にその場に存在して、物語の中で生きていた。強く、生きていた。私はただそれを見ていれば良かったのだ。さて、では最終的に私たちは乗り越えることはできたのか。どうだろう。今分かっていることは、私たちは確かに前に進んで、でもまだ道の只中だということだ。そんな只中にいる松岡真吾という役者を、彼の今を、多くの人に目撃して欲しいと心から思う。そんな“今だけ”の彼が、『革命日記』という私史上上位3位に入る舞台で観られるなんて、楽しみで仕方がない。

 

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池田千尋・いけだちひろ

1980年生まれ。映画監督、脚本家。高校在学時から自主映画制作を始める。早稲田大学第一文学部卒業。映画美学校修了制作作品である『人コロシの穴』(02)が2003年カンヌ国際映画祭・シネフォンダシオン部門に正式出品される。助監督として幾つかの現場を経た後、東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻監督領域を2007年修了。主な劇場公開作品『東南角部屋二階の女』(08)、『先輩と彼女』(15)、『東京の日』(15)など。最新短編映画作品は、HKT48×48人の監督たち『48』内『遠ざかって、消えていく』(松岡はな主演)。他に監督として、NHKBSプレミアムドラマ『プリンセスメゾン』(16)、テレビ東京×Netflix『Re:Mind』(けやき坂46主演)スピンオフ特別版など。脚本家として、黒沢清監督と共同脚本をつとめた映画『クリーピー~偽りの隣人』(16)がある。2018年秋以降、2本の新作映画公開待機中。

 

 

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映画美学校アクターズ・コース 2018年度公演

『革命日記』

作:平田オリザ 演出:山内健司

〈出演〉

青柳美希、五十嵐勇、奥田智美、斉藤暉、佐藤考太郎、柴山晃廣、鈴木良子、福吉大雅、日向子、松岡真吾、るり(以上、アクターズ・コース 映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2018)

浅田麻衣、釜口恵太、那須愛美、四柳智惟(以上、俳優養成講座修了生)

〈スタッフ〉

舞台美術アドバイザー:鈴木健介(青年団) 照明:井坂浩(青年団

宣伝美術:北野亜弓(calamar)

演出助手:菊池佳南(青年団/うさぎストライプ)、釜口恵太、四柳智惟

修了公演監修:兵藤公美 制作:浅田麻衣、那須愛美 協力:青年団

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2019年3月6日(水)~11日(月)

6日(水) 19:30

7日(木) 19:30

8日(金) 14:00/19:30

9日(土) 14:00/19:00

10日(日) 14:00

11日(月) 14:00

※今公演は、2019年2月15日(金)~3月11日(月)こまばアゴラ劇場にて開催されます青年団公演「平田オリザ・演劇展 vol.6」の演目ではございません。ご注意下さい。

※受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前です。

※記録撮影用カメラが入る回がございます。あらかじめご了承ください。

〈チケット〉

予約・当日共

一般:2,500円

U-26(26歳以下):1,000円

資料請求割引:2,000円(詳しくは映画美学校ホームページをご確認ください)

※26歳以下の方は、当日受付にて年齢が確認できる証明書をご提示ください。

※未就学児はご入場いただけません。

※資料請求割引:チケット購入時に映画美学校の資料を請求してくれた方に500円の割引を行います!(申し込み時に資料の送付先となる連絡先の記入が必須となります)

 <チケット取り扱い>

CoRichチケット! https://stage.corich.jp/stage/96711

<資料請求割引>

映画美学校の資料を請求いただきました方は当日2500円のところ、2000円で鑑賞いただけます!

下記よりお申込みください。お申込み後、映画美学校より随時学校案内などの資料をお送りいたします。

映画美学校アクターズ・コース2018年度公演 資料請求割引

〈会場〉

アトリエ春風舎

東京メトロ有楽町線副都心線西武有楽町線小竹向原」駅下車

4番出口より徒歩4分

東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1

tel:03-3957-5099(公演期間のみ)

※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

〈お問い合わせ〉

映画美学校

〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS B1F

電話番号:03-5459-1850 FAX番号:03-3464-5507

受付時間(月ー土) 12:00-20:00