映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。アクターズ・コース2018年度公演「革命日記」2019/3/6(水)〜3/11(月)上演!

つれづれなるままに〜革命日記『日記』 その2/浅田麻衣

稽古場日記、第2回です!那須さんからバトンタッチ。

今回は、浅田麻衣がお届けいたします。 
徒然なるままに記しているため、少々脱線気味ですが。


2月22日(金)
『革命日記』稽古も4週目に入る。今回の稽古は、基本的には初めのシーンから全て順繰りに流している。最初の1週間は、大体1ページ進むのに30分、長くて60分ほどかかることもあったが、現在のペースはおよそ5ページを60分〜80分くらい。
当初、山内さんが「これで通しまでに全てのシーン回るのかな?」と演出助手たちに聞いていたのが懐かしい。

 

今日は、昨日の続き、2・2・3から(平田オリザさんの脚本は、場面の数字を便宜的に記している)訪問者の3名たち、山際(五十嵐)、杉本(るり)、柳田(那須)が革命家たちのアジトであるマンションから退出するシーンから。

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山内「今はうまくいったけど、さっきはうまくいかなかったね。同じ事をきちんとできるようにならないと、本番絶対うまくいかないです。もう1回」


4周目になって、山内さんから強く受講生たちにディレクションするようになったのは「再現性」。
特に今回の舞台は小道具も多く、また、内部の人間⇔外部の人間たちの出入りが激しいので、「雰囲気」でやってしまうとすぐにシーンが崩れてしまう。
例えば、ある俳優がその前のシーンでは人の台詞を聞く態度として「頷く」という選択肢をとっていたのに、次のシーンではとっていなかった場合。山内さんはその変更は自身のプランに乗ってやったのかと問い、受講生が「あ、違います」と答えた場合はすぐに修正をかけるよう指示を飛ばす。
なんとなくで芝居をしない。言葉と身体を合致させる、けれどそれが段取りにならないようにする。それをまず受講生たちに徹底させ、それを下敷きにした上で、そのシーンがどんな意味を持つのか。どうしたいのか。そこを問い続ける稽古。

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山際(組織のシンパ):五十嵐勇

この『革命日記』は外部と内部の人間が入り交じるが、山際は内部の人間寄りではあるが、シンパという立場、「内部」の人間ではない。
五十嵐さんは、舞台の経験があるんだろうなあと初対面のときから感じていた。(この、舞台経験者による、過去舞台を踏んだ人たち何となく分かる〜のあるあるはなんなんだろう)彼は脚本にすごく忠実に挑んでいる印象を受け、五十嵐さんが台詞を間違えているところはほとんど見ない。真摯に向き合う五十嵐さん、最初は山際の揺らぎというか役の複雑性に混乱しているように見えたが、稽古を重ねるうちに自分の身体に落とし込みつつ、山際という役を楽しんでいるように思う。

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杉本小百合(山際が連れてきた若い女性)役:るり

るりさんは最年少。彼女は、1つ1つの指示、例えば「ここでソファの前に腰掛ける」という山内さんからの指示に、それをどう身体に落とし込むか考え、いくつもプランを考え、人に聞き、実践している。舞台経験を積み重ねると、身体の動きはどうしても雰囲気でやってしまうというか、そういうことも多いように思うけど、彼女のひたむきな姿勢は、私自身高校時代初めて演劇をしたことを思い出させてくれる。芝居へ向かう、背筋を伸ばしてくれる存在である。

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柳田由佳(山際が連れてきた若い女性)役:那須愛美(一番右)

制作コンビである那須ちゃん。高校演劇経験者、そして制作。勝手に親近感を抱いている。彼女の演技は、軸に芯が通っているけれど、ものすごく柔軟に演出の指示に対応して、反応速度がすごく速い。まだ大学生であるのに、制作にも演技にも自分の指針をしっかり持っているのがすごいなーとしみじみ眺めている。しみじみ。

 

組織のシンパである山際が連れて来た杉本・柳田。ここは組織内部に外部の人間が入ってくるシーンである。当初から山内さんが指摘していたのは、組織内部の人間が外部の人間に対して一体どういう態度をとるのか。また、大人数のシーンでもあるので小道具の移動(今回は食事シーンが多いので、お皿やコップなどの移動が多い多い!)が多数なので、それを常に確かめながら進む。

 

『革命日記』は、学生運動やカルトをモチーフにした作品であるため、そのリサーチや、また、「マインドコントロール」について山内さんが資料を配布し、それを読んでみるという時間も今回とっている。
しかし、書いている私自身、今回「革命家」の役であるのだが、正直、学生運動やカルトのドキュメンタリーや本人たちの手記を読んでいると、どうしてもその狂気性や熱気のようなものにあてられて、気が滅入ったり、シーン中に沈痛な気持ちになってしまうことがある(それは決してその「役」の気持ちでなったわけではなく、演じている本人の気持ちであることが多いように思う)のだが、その危険性も今回演出中に注意喚起されている。
俳優が役を演じる際に、自身を守る盾がないと、ダイレクトにその役への台詞や態度が自分に返ってきてしまう。役と自分を切り離さなければならない。でもその役であらねばならない。その矛盾性にどう向き合うのかが俳優の仕事でもあるのかもしれない。

 

今回の山内さんの演出指針として、「2019年の革命する身体」がある。
『革命日記』は1997年に安田雅弘氏が演出した『Fairy Tale』という作品の中核をなす物語として書き下ろされ、その後2008年、2010 年(ツアー公演)、2012年(ソウル公演)、また2018 年にも、無隣館の修了公演として上演されている。
いわば22年前の作品を上演するわけだけれども、それは決して過去の学生運動やカルトに「それらしく」手を伸ばすのでなく、2019年の私たちの現在の出来事として上演すること(それは今公演チラシのキャッチフレーズ「いまのこととして、ここのこととしてーー」にも反映されている)

 

その働きかけの一端として、度々山内さんからあげられるのが、アートアクティヴィズム。稽古初期では、プッシー・ライオットやチン↑ポムの作品や動画を見る時間も設けられた。
私は少々ダンサーの方々と交流があるのだが、ダンサー(身体表現者)たちが身体の稼働域を知り尽くしている事、だがその稼働域を超えようとする自分や他人の身体への興味は、いつもダンス作品に関わる度に興味深く感じられる。
私自身が今回の作品で思い浮かべたのが、関西時代お世話になっていた「劇団態変」という、身体障害者たちによるパフォーマンスグループ。新大阪にある、態変の「身体芸術研究所」に一時期通っていたことがあるのだが、その主宰である金さんは、私とは若干世代が違うが、彼女は間違いなく、何かを変えたくて表現し続けている、革命しつづけている人間だと思う。
金さんや、また、アートアクティヴィズムの人たちに共通して感じるのが、身体が常に臨戦態勢にあるということ(抽象的すぎるが)と、怒りが根源に常にあること。
その身体性、問題意識を根底に置いていきたい・・・

 

山内「リサーチすることはもちろん大事です、でも、それはもう身体に馴染んだと信じて、演技中はそれを手放して下さい」
私たちが普段会話している時、その会話している前提(例:今、映画美学校で修了公演の稽古をしている。演出は山内さん。彼はアクターズ・コースの講師であり、青年伝の俳優でもある。・・・)は会話中では語られない。その前提は関係性の中で紡がれる。それをシーンで紡ぐ事ができるよう、ただ、説明的にならないように。それが一番難しい!!という受講生たちの内心の叫びを聞きながら、稽古は進む。

 

②へつづく(あれ、3人しか紹介できてない)

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映画美学校アクターズ・コース 2018年度公演
『革命日記』
作:平田オリザ 演出:山内健司

〈出演〉
青柳美希、五十嵐勇、奥田智美、斉藤暉、佐藤考太郎、柴山晃廣、鈴木良子、福吉大雅、日向子、松岡真吾、るり(以上、アクターズ・コース 映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2018)
浅田麻衣、釜口恵太、那須愛美、四柳智惟(以上、俳優養成講座修了生)

〈スタッフ〉
舞台美術アドバイザー:鈴木健介(青年団) 照明:井坂浩(青年団
宣伝美術:北野亜弓(calamar)
演出助手:菊池佳南(青年団/うさぎストライプ)、釜口恵太、四柳智惟
修了公演監修:兵藤公美 制作:浅田麻衣、那須愛美 協力:青年団

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2019年3月6日(水)〜11日(月)

6日(水) 19:30
7日(木) 19:30
8日(金) 14:00/19:30
9日(土) 14:00/19:00
10日(日) 14:00
11日(月) 14:00

※今公演は、2019年2月15日(金)〜3月11日(月)こまばアゴラ劇場にて開催されます青年団公演「平田オリザ・演劇展 vol.6」の演目ではございません。ご注意下さい。
※受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前です。
※記録撮影用カメラが入る回がございます。あらかじめご了承ください。

〈チケット〉
予約・当日共
一般:2,500円
U-26(26歳以下):1,000円
資料請求割引:2,000円(詳しくは映画美学校ホームページをご確認ください)
※26歳以下の方は、当日受付にて年齢が確認できる証明書をご提示ください。
※未就学児はご入場いただけません。
※資料請求割引:チケット購入時に映画美学校の資料を請求してくれた方に500円の割引を行います!(申し込み時に資料の送付先となる連絡先の記入が必須となります)

 <チケット取り扱い>
CoRichチケット! https://stage.corich.jp/stage/96711

<資料請求割引>
映画美学校の資料を請求いただきました方は当日2500円のところ、2000円で鑑賞いただけます!
下記よりお申込みください。お申込み後、映画美学校より随時学校案内などの資料をお送りいたします。

映画美学校アクターズ・コース2018年度公演 資料請求割引

〈会場〉
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線副都心線西武有楽町線小竹向原」駅下車
4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

〈お問い合わせ〉
映画美学校
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS B1F
電話番号:03-5459-1850 FAX番号:03-3464-5507
受付時間(月ー土) 12:00-20:00