映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。アクターズ・コース俳優養成講座2021、9/1(水)開講決定!

「断片映画制作ゼミ」/青柳美希さんインタビュー

f:id:eigabigakkou:20201127162023p:plain

「アクターズ・コース俳優養成講座2020年度高等科」は、希望者全員が受講できる「基礎ゼミ」、人数制限のある「実技ゼミ」、修了生が全員参加できる「オープンゼミ」に分かれています。
今回は「実技ゼミ」のうち、竹内里紗さんが講師を務める「断片映画制作ゼミ」について、実際に講義を受けているアクターズ・コース8期修了生の青柳美希さんにお話をお伺いしました。

「断片映画制作ゼミ」(竹内さんのゼミ説明より抜粋)
5つの架空の映画の断片からなる5 分程度の映像作品を一人一本制作します。5つの断片全てに、制作者本人が出演します。うち3つは自分で演出・撮影、1つはペアでお互いを演出・撮影、残りの1つは竹内が演出・撮影します。イメージとしては、最後に架空の作品群のショーリールのようなものが出来上がる予定です。演技としてチャレンジしてみたいことと映画として撮ってみたいものの両方の視点から断片を発想し、自分で出演・演出・撮影をするという試みを通して、演技と演出の相互作用、演出と撮影の相互作用を考える良い機会になればと思っています。

 

——「断片映画制作ゼミ」をなぜ受講しようと思ったんですか?
青柳 アクターズ8期の時、フィクション・コースとのミニコラボ実習で竹内さんとご一緒して。私、映像を作るってことに結構苦手意識みたいなのがあって。出るのもそうだし、自分で作るのも結構苦手だなーと思っていて。でも竹内さんとだったらやってみたいかも、と思って。
——フィクションとのミニコラボはどんな感じでした?
青柳 竹内さんの班は、フィクション・コースとアクターズ・コースの2人、私と斉藤(暉)君が、脚本の段階から「どう作る?」って長い時間かけて話し合って。最後に竹内さんが脚本バーっとまとめて撮るっていう流れだったんですけど。竹内さんがフィクション・コースの人たちからも私たちからも積極的に意見を聞いてて、なおかつそれを何でも面白がってくれるっていうか。結構講師ってなると身構えちゃうところがあるんですけど。竹内さんは私たちとすごく近くて。ものづくりって苦しい場面ってあるじゃないですか。全然、打開策が浮かばないみたいな感じで。皆「ウーッ」ってなる感じ。でも竹内さんはあっけらかんとしてて。その明るさに皆助けられるというか。女神というか(笑)
——あっけらかんって、例えば?
青柳 なんだろう、結構竹内さんも不安に思ってるんだと思うんですけど、「なんとかなるよ!」みたいな(笑)明るいポジティブさというか。

——このゼミって6人だけですよね。
青柳 そうです。めっちゃ少人数で。自分で作品を3本撮って、その後ペア作品を1本撮って、で竹内さんが最後撮るので、全部で5本撮るんですけど。今自分の作品が2本終わったところです。
——「自分で書いて、自分で撮る」って、モノローグというか、相手は不在で1人芝居なんですか?
青柳 それも自由にしていいよ、みたいな感じで。もちろんコロナ対策をきちんと取った上で、例えばカメラを同居人に頼むとか、そういうのも全然していいみたいな感じです。結構皆違いますね。モノローグやる人がいたり、普通に劇映画、ストーリーがあるようなものを作ってくる人がいたり、あとは本当に「断片」みたいな感じで撮る、だったり。最初の1本目を撮るまでは竹内さんや皆と会話しながら進めて。「こんなの撮りたい」とか、「こんなこと考えてるけどみんなどう考えますか?」とか。
——じゃあ竹内さんは、アドバイザー的な立ち位置なんですね。「こんな風に撮ったらいい」的な。
青柳 そうですね。アドバイスとか、あと撮る上でこういうことを気をつけた方がいいとか、YouTube見て説明してくれたり。

f:id:eigabigakkou:20201127162408j:plain青柳さんが作った「断片」映像 あるシーン

——作品の尺って何分くらい?
青柳 1・2分の断片を撮っていって、最終的に5分くらいになる感じなんですけど、私が1本目で4分つくってきちゃって(笑)すごい怖いですね、中編くらいになるんじゃないかと(笑)
——青柳さんは一人芝居を?
青柳 そうですね、ほぼ一人芝居で最後ちょろっと同居人に出てもらうみたいな感じなんですけど、ほぼほぼ一人芝居で、「食べる」ことをテーマにしてて。「土を食う女」みたいなストーリー。
——土を食べる‥‥
青柳 「食べる」っていう行為についてすごく考えてて。でも1分くらいの短編にするにはテーマが膨大すぎて。それを竹内さんに相談したら、「まず撮れる身近なもの」から考えて、そこから色々連想して、繋げて考えていくやり方がいいんじゃない?ってアドバイスいただいて。それから、身の回りで「都会に土ってないよなー」って考えたところから色々連想していって、土を食べるってところに行き着く、みたいな(笑)
——なんだか呪術めいてますね。
青柳 自分で撮ってつないで、完成したものを見たとき「えっ何これ?」みたいな(笑)
——1本目と2本目、3本目と作った動画はストーリーは繋がっていくんですか?
青柳 いや、それもお任せっていう感じで。2本目を全然違うものを撮ってきてくる人もいたり。
——じゃあルールは、自分が出るってことと、撮影にあたって感染予防対策をちゃんとしておくっていう2つで。
青柳 そうですそうです。
——断片が繋がっていくイメージかと思ってたけど、結構変わってていいんですね。
青柳 面白いです。「これ繋がったらどうなっちゃうんだろう?」みたいな。
——最終的に繋げて、土からどこにいくんでしょうね。食べることがやっぱりメインストーリーになっていくんですかね?
青柳 強いですよね、「食べる」って。なんか見ちゃうんですよね。人が食べてるってことに特別感を感じるっていうか。それが映像になったときに、ハッとする。‥‥なんかうまくいえないけど。なんか。‥‥うまくいえないや(笑)

——編集も自分で、ですよね。
青柳 そうですね、iPhoneで撮ってiMovieで編集してます。
——そうか、アクターズの受講生時代って編集の講義はなかったんでしたっけ?
青柳 一瞬あったんですけど、切ってつなげるくらいしかやらないみたいな。がっつり自分で撮って、編集して、作品にして提出っていうのは初めてですね。
——今回、脚本は書いた?それともエチュードみたいにやりました?
青柳 脚本は書いてなくて。「ここで何する」みたいに箇条書きにして、「土食う」「土食う」みたいな(笑)あまりセリフは作らずに、「この画だけは撮る」っていうのを決めていって。‥‥でも私なんか、楽しさに目覚めてしまって。
——撮ることの?
青柳 撮ることの。映像作品に呼んでもらって、自分で演技する時って、私めちゃくちゃ緊張してたんだなっていうのが今回分かって。っていうのも今回自分でカメラ設置して、自分で演じて、自分で確認して、じゃないですか。でも全然緊張してないんですよ。画面に映る私っていうのが。恥じらいとかなくって「私が思い描いている私」と、「今映像に写っている私」が、今一緒だぞ、みたいな。
——想像と映像が合致しました?
青柳 結構合致しました!
——じゃああまりテイクを重ねることなく?
青柳 そうですね、ポンポンポンと進んでいって。1・2日で撮影、編集込みでできちゃいました。

f:id:eigabigakkou:20201127162558j:plain

青柳さんが作った「断片」映像 あるシーン
 

——合致したんですね。私、アクターズ時代、自分で撮った時「あれ、思ったより違う‥‥」って結構思っちゃって。
青柳 へえーーーー。
——合致しないというより、「もっとこうしたら」っていうのが多かったのかも。「ここはもっと手がこっちだな」とか、そういう粗が見えて絶望した(笑)そういうのはあまり青柳さんはなく?
青柳 そうですね。でも映像で現場に呼ばれたとき「えっ、私こんな演技してたの!?」とか「ここはもっとこうだろ!バカ!」ってなることは多くて。それで映像がすごく苦手だなーと思っていて。その監督の世界観みたいなのに私が馴染み切れてないというか。なんか私って、多分その場に入っていってすぐに演技ができるタイプじゃなくて。
——「おはようございまーす!はい、リハ始めます!」「リハ終わりました、次本番でーす!」みたいな瞬間的なやつ。
青柳 みたいなのがたぶん壊滅的に向いてなくて(笑)対話することで自分に積み重ねてくタイプだなってここ最近で気づいて。でも自分で撮るってなったらその対話の必要がなくて、あとは出すだけって感じだから。映像の現場ってだいたい事前に1日リハがあって、じゃあ次本番っていう現場が私はすごく多くて。それに戸惑ってる自分もいて。「ここよく分からなかったけど‥‥こうやっちゃったけど大丈夫かなー」みたいなのがちょっと現れてるのかな。
——いうなれば現場って、即エチュード(即興劇)みたいな感じなんですかね。監督の好みもわからないから、「とりあえず自分出しとこ!」みたいな。でも撮影は、演劇のエチュードの緊張感ともまた違いますよね。
青柳 舞台よりもっと自意識過剰になってしまうというか。「見られている」って感じが強いですね。
——身体が緊張状態に入ってしまうのかしら。
青柳 でも、映像でも「ハイ!」ってカチンコ打たれたら、それで切り替えてできる人もいるじゃないですか。そっちの方が求められたりするじゃないですか。でもそういうのってみんなどうしてんの?みたいな(笑)
——私、大学生の頃に「観客席に自分1人だけを置け」って言われたことがあって。それで演じてみたら、その頃の私は自意識のかたまりだったから「うわー恥ずかしい、演技するの無理!」ってなっちゃって。でもそれを続けていったら、自意識って減っていった気がしますね。自分ってイコールカメラみたいなものかなと思って。鏡みたいなものだから、演劇において。
青柳 なるほどー。
——逆に舞台の方が一時期苦手になっちゃって。実際にお客様いるから、もちろんそれは嬉しいし、快感なんですけど、見られてることが逆に怖くなっちゃって。カメラの無機質感のほうが頼れる感じがしてしまって。これはもっと映像を勉強したいなって思って映画美学校に入ったっていうのはありましたね。
青柳 へえー。面白い。「自分を置いてみる」か。

f:id:eigabigakkou:20201127162729j:plainフィクション・コース第22期初等科&俳優養成講座2018 ミニコラボ実習作品『性愛頭痛幸男』(監督:竹内里紗)

 

——青柳さんの、受講生時代のミニコラボ見れてなくて残念。
青柳 竹内さんのミニコラボは、「ED治療院の助手」みたいな(笑)性欲を常日頃から抑圧してて、それが(斉藤)暉くんと出会ったことでふつふつと湧き上がる、みたいな(笑)
——めちゃくちゃいいじゃないですか。
青柳 めちゃくちゃ面白かったですね。ED治療院の治療のカリキュラムみたいなのがあって、「愛のワーク」っていうパワーワード(笑)
——そういうミニコラボがあって、若干映像に対して苦手意識が薄れて。そして今回のゼミで映像に対して意識はまた変わった感じですか?
青柳 そうですね。自分が映像に対して自意識過剰で緊張してたんだなっていうのが無意識であって。で今回、自分で自分を撮ることでそれが理解できて。あと自分ってこういう風に見えるんだ、とか。「この角度だと全然知らない自分だ」って思ったり。映像を撮ることで「自分を知る」っていう作業が結構膨大で。「次何撮ろう?」って思っている間も「自分ってなんなんだろう」みたいな問いになってくる、みたいな(笑)でもだんだん枯渇してきてます(笑)もうないよ!みたいな。
——3本も自分を被写体に撮るって結構大変ですよね。ペアワークになったらまた違う角度も見出せそうだけど。
青柳 私、全体のテーマとして「自分にかかってる呪い」みたいなのをテーマにしてて。例えば「人を羨ましく思ってしまう自分」とか「私がもっとこうじゃなかったらよかったのに」とか、あと「他人のものが欲しくなってしまう自分」だったりとか。あと「食べることで自分を変えようとしてる自分」。「自分から逃れたいっていう呪い」をテーマにしてて。でもこういうテーマって闇落ちしやすいっていうか、自分が(笑)
「あっ!闇がこちらを覗き込んでいるー!」みたいな。今は大丈夫なんですけど(笑)でも枯渇していくと、どんどん自分の深いところに手を出しがちというか。でも見てくれる人のことも考えながら、闇落ちしすぎず、自意識過剰にならず、自分に引き寄せすぎず、中間に置くっていうことを心がけながらやってます。
——おおー。

f:id:eigabigakkou:20201127162841j:plain

『The origin of my play』(監督:浅田麻衣/「アートにエールを!」提出作品)
 

青柳 あっ、浅田さんの「アートにエールを!」の作品見たんですけど、面白かったです。あれでも、結構闇落ちしませんでした?
——‥‥あれ撮る前に私、3週間ぐだぐだしてたんですよ。企画意図は「自分の演劇のルーツを探る」で、企画出した時はすごいやる気だったんだけど、いざやろうと思うと「なんでこんな辛い作業で自分を追い込まなくちゃいけないの?」っていう思いが出てきてしまって(笑)
青柳 うん、うん。
——セルフドキュメンタリーってめちゃくちゃ恥ずかしい。
青柳 そうですよね!私見ててすごい気になって。「浅田さん今どんな気持ちなんだろう」とか。
——私は誰にみせたくて、何を目標にしてるんだ?って撮る意味が分からなくなってしまって(笑)考えても考えてもやっぱり分からないから、「他者が見た私の像を浮かび上がらせることでなんとかなるだろう」と思って、ようやく高校演劇部時代の先輩とかにアポをとって。あと高校時代の闇歴史のVHSを発掘して。
青柳 (笑)。私も高校演劇やってたんで、あのシーンは私も赤くなりました(笑)自分のことを思って。「うわー!懐かしいなー!」って(笑)
——自分の演技の変遷を見るのが一番地獄でした。
青柳 それは恥ずかしさとか?
——「こんなものを人にみせてたんだ」という厚顔無恥さを叱りつけたかった、当時の自分に。それもあって、私は竹内さんのゼミは大変そうだなと思ったんですよ。自分の断片を探していくのって今はきついなと。
青柳 あー、なるほどなるほど。
——知らない部分も見えてきてもちろん面白いと思うんだけど、撮ったばかりのセルフドキュメンタリーを思い起こしてしまって。だから逆に、受講希望出した修了生すごいなと思ってました。
青柳 なるほど。私は舞台がなくなって、って時期に浅田さんのドキュメンタリー見て、なんか浅田さんかっこいいなって思って。‥‥だってめちゃくちゃ恥ずかしいじゃないですか。演劇のルーツっていって辿ってるけど、自分史もたどってるから。めちゃくちゃ「ううっ‥‥」ってなるものを「えいっ!」っていって出してるから(笑)そのかっこよさにしびれるっていうか。あれを見てて、浅田さんを追ってるんだけど、浅田さんを見ながら私も自分を追ってるみたいな、その感覚が秀逸だなーと思って。
——それは‥‥意図してたけど、感じてくれてたらすごい嬉しいです。
青柳 すごい感じました。あんなに身を削った作品、他になかったもん。覚悟。覚悟が見えました。

——でも、竹内さんのも覚悟じゃないですか?あの募集要項みて、これは覚悟がいるなって思いましたけどね。
青柳 私もずっと最後まで悩んでて。自分にまず映像が撮れるのかってのも怖かったし、最終的に発表するじゃないですか。人に見れるレベルまで自分が何かを作れるかなっていう不安があって。でもちょうどコロナで色々なくなった時に、自分ってマジで何もできないんだなっていうのがすごくあって。映像を作ったことがあるっていう俳優さんももちろんいるじゃないですか。そういう人はコロナ禍でも映像作ったりとか、youtubeでなんかやったりとかしてて。自分でコンテンツつくる、みたいな。「俺がエンタメだ!」みたいな感じが凄まじく私には眩しくて。
 結局私って組織に属して、その中で与えられた役割やってただけなんだな、って絶望して。「なんて弱い役者なんだ!」みたいな。結構落ちてましたね。「こんなつまんねえ奴!」って。そういうのもあって、断片だったらできる、かもって。「自分で頑張って、コンテンツ、私も作りたい!」みたいな感じでした。
——結局役者って、脚本家と演出家がいないと何もできないのか?って無力感ありましたね。だから私も5月に動画作ったりとかしてたんですけど。でも「見れるレベルに達することができるのか」とか、「こんなもの見て誰が嬉しいの?」って自虐的な意識が常に心の中にあって。
青柳 そう!そうそう。
——舞台の時はそんなにないのに、映像になるとなんでこんなに自虐的になるんだろうってのはすごく不思議で。
青柳 そうなんですよね。なんか拷問みたいな気持ちになります。「うわー!もうやめてくれー!見せないでー!」みたいな(笑)難しいですよね。「やりたいことやるんじゃい!」って気持ちと、「こんなの撮って大丈夫ですかね?」みたいなせめぎ合いが常にあって。あったほうがいいと思うんですけど。
——世間の映画監督はどうしてるんですかね?
青柳 竹内さんが講義で話してたんですけど、「やっぱりどれだけ作ってても、出す前は怖い。逃げたくなる」みたいな。
——竹内さんでさえ‥‥
青柳 私も意外だなーって思って。「えーい!いけー!」っていう感じかと思ってて。竹内さんで逃げたいんだから、当たり前だよな。
——その意識がない監督もいるんでしょうけどね。いるのかな?
青柳 「勝手に見ろ!」みたいなスタンス?

f:id:eigabigakkou:20201127163036p:plain

 

——でも舞台のお客様って映像より優しい気がするんですよね。
青柳 当たり外れみたいなところは寛容かもしれませんね。舞台は。見に来たからせっかくだからいいところ見つけて帰りたい、みたいな感じなのかな。
——舞台、自分と合わなかったら無言で帰るからなあ。映画はなんか言いたくなるんですよね。なんでだろう。
青柳 確かに。レビューとか「くそつまんない」とか「見るに堪えない」とかありますよね。なんでなんだろう。公共性なんですかね。演劇の。映画って個人との対話、みたいな。映画と、個人。演劇は客席側も集団になるから、そういうこともあるのかも。
——空間として一緒の時間を味わってる、体験してるっていうことかな。映画ももちろん体験してるんですけど。
青柳 自分はめっちゃ微妙だった時、隣のお客様がめっちゃ感動して拍手してて「ええっ!?」って思って。「私が違うの!?」みたいな。
——それはある。
青柳 でも、すごい、誠実。誠実さって大事だなって思いました。テーマとか薄いな?って思っても、その人が本当に誠実に作ってたら、結構気持ちよく見れるっていうか。
——何に対しての誠実さなんだろう。
青柳 なんだろう。その作品に対しての責任‥‥?いや、自分なりに考えを持って、完成させるぞ!みたいな気持ち、とか。あとは本当にこれがやりたいっていう誠実さ‥‥。でも、自分の作る上での誠実さというか、見てくれる人のことを忘れずに作らなきゃなーと思います。
——誠実さの有無みたいなのはなんなんだろう。私、「この作品には誠実さを感じない」って時、「何で私は今そう感じたんだ?」って考えるけどいつも答えは出なくて。
青柳 言葉にしようとすると難しい。
——感覚的なんですよね、「これは嘘だ!」とか「誠実じゃない」みたいなのは。
青柳 なんか肌で感じますよね。
——肌感覚か。言葉にできるんだろうか。
青柳 言葉にできたら最強な気がします。
——山内さんの「演技論演技術」を頼みにしよう。あれを受けたら語彙が増える気がする(※「演技論演技術」:山内健司さんが担当するゼミ)
青柳 私もそれをめちゃくちゃ祈ってます。「どうにかなれー!」って(笑)

——竹内さんのゼミ、11月で終わっちゃいますね。
青柳 さみしいー。ずっと続けたい、この講義(笑)
——でも自分を撮り続けるの、いいかもしれないですね。
青柳 定期的に自分を見つめ直す機会、みたいな感じがしてめちゃくちゃいいです。自分今、こんなこと考えてたんだ、とか。こういうアウトプットの仕方もできるんだ、みたいな。
——他人を撮ったことはない?
青柳 あっ、でも2作目で他の人に出てもらいました。稽古行って、その帰りに「今ちょっといいですか?」みたいな感じでゲリラ的に何人かに出てもらって。自分の想い浮かんでる画を人に説明するっていうのが結構難しいんですけど、できるようになってきた感覚があって。それはこの講義のおかげなのかな。「今こういう画が浮かんでるんですけど、こう撮りたいから、こうして」とか。
——じゃあこれから誰かを撮ろうとか、ありますか?
青柳 機会があったら撮りたいかも、って今すごい思ってます。この講義が終わっても、撮り続けようかな、みたいな。

 

2020/10/06 インタビュー・構成:浅田麻衣

 

青柳美希(Aoyagi Miki)
1992年生まれ、福島県出身。映画美学校アクターズコース8期生。舞台を中心に活動するフリーの俳優。2020年10月29日より4日間、ウンゲツィーファガーデン”meme”『窓の向こうシアター』をプロデュース、自身も出演する。