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エモーショナル・インタヴュー【特別編】 鎌田順也×古澤健

こんばんは!『友情』応援隊のSです!

今回のアクターズ・コースブログでは、20代のための映画情報紙・フリーペーパー『CinEmotion』の2015冬号に掲載された「エモーショナル・インタヴュー【特別編】 鎌田順也×古澤健」を全文転載致します!

今回アクターズ・コースの公演を任されたナカゴーの鎌田さんと、アクターズ・コース主任講師の映画監督・古澤さんとの、キュートで和やかでエモーショナルな対談をご堪能下さい!『友情』が本当に待ち遠しい!

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エモーショナル・インタヴュー【特別編】 鎌田順也×古澤健

かまたとしや/劇作家・演出家 ふるさわたけし/映画監督 構成/スズキシンスケ

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【右】かまたとしや 1984年10月生まれ。劇作家・演出家。文化学院卒業後、06年「ナカゴー」を旗揚げし、作・演出を手掛ける。映画美学校アクターズ・コース「映画・演劇を横断し活躍する俳優育成ワークショップ」では修了公演を担当する。

【左】ふるさわたけし 映画監督。映画美学校アクターズ・コース主任講師。高校生の頃より8ミリ映画を撮り始める。『home sweet movie』が97年度PFFにて入選(脚本賞)。98年、『怯える』がクレルモンフェラン短編映画祭に招待される。『超極道』で脚本家としてプロデビュー。最新監督作は『ルームメイト』、『クローバー』。

 

「人が歩いているだけでもドラマになる」 と書いてあって(鎌田)

―鎌田さんが演劇に興味を持たれたきっかけは?

鎌田順也(以下鎌田) 中学高校の頃は映画を撮りたいと思っていたんですけど、大学も全部落ちたので、山田洋次監督がシナリオのゼミを当時やっていた文化学院という学校を母親が紹介してくれて。シナリオゼミを受けに行く目的で行ったら演劇の授業があって、周りも小劇場の演劇を観る人たちがいっぱいいて、そうやってついて行って観たのが凄く面白かった。

―最初に映画を撮りたいと思ったのは?

鎌田 中学の時に森田芳光監督の『の・ようなもの』、『家族ゲーム』を観て凄く面白くて。森田芳光監督の作品を紹介している本を読んでいて、その中の『の・ようなもの』の夜にただ主人公が歩いているだけの場面について「人が歩いているだけでもドラマになる」と書いてあって凄いと思って。それがきっかけで。

古澤健(以下古澤) その時って、まわりに自主映画をやっている友達はいなかったんですか?

鎌田 地元でやっている自主映画のサークルとかはあって、そこでちょっとだけ手伝ったり。あと高校の時は映研みたいなのを作った。でも作るのがやっとで、作って卒業、みたいな(笑)。

古澤 映研を作って映画を作らずに(笑)。僕と鎌田さんは世代が違うけど、僕の時もそんな感じですね。映研あるけど誰も部員いないし、機材はあるからとりあえず一人でやろう、みたいな感じでやっていたけど、まわりは誰もやっていなかった。

鎌田 部員を集めるのが大変で。

古澤 でも演劇やるのもハードル高かったのでは?どちらも人を集めたり稽古場押さえたり発表の場所見つけなきゃいけなかったりとか。そういうの、僕は自分で出来なかったので、ずっと映画も演劇も出来ないまま、やりたい想いのまま大学生まで行っちゃいましたけど……最初は学生の時ですか。 

鎌田 多分学園祭でコントみたいなのをやったくらいですね。

古澤 僕が知り合ってからの鎌田さんの舞台って、映画がモチーフになっていることが多いと思うんですよ。『キャリー』とか『エクソシスト』とか。そういう発想は結構最初の頃からあったんですか? 

鎌田 分かりやすく「あ!この映画」というパロディーって感じではなかった。ただ最初からその映画の一つの場面を、セリフとか全部控えて作ったりだとか、そういうのは結構ありますね。

 

口立てで、肉付けして場面を作る(鎌田)

―鎌田さんのお芝居ってどういう風に作られていくのですか?

鎌田 最近は古澤さんが出てくれた時もそうなんですけど(※ナカゴー特別劇場vol.13『ベネディクトたち/ミッドナイト25時』内の『ミッドナイト25時』に出演している)、口立てで、肉付けして場面を作るっていう感じ。今回、古澤さんからオファーを頂いて映画美学校アクターズ・コースの修了公演を担当することになったのですが、それもナカゴーの時とは変わらず、作品を作るということになったらいつも通りやるしかないと思っています。役者の方は、経験を積むことも必要ですが、経験したことを、新しい現場ごとに捨てられることも必要だと思うので、今回、受講生の方には学校で一度、学んだこと、経験したことを、生かしたり、捨てられたり、その両方ができるくらいくらいの、なんというか柔軟さと勇気を持って挑んで頂きたいです。

古澤 あの時も一応ベースになる、発想の元になる映画みたいなのはあったじゃないですか。

鎌田 あぁ、『ジャッジメント・ナイト』です。

古澤 たとえば映画で、僕は最近原作ものが仕事で多いので、俳優とかに「原作読んでおいた方がいいですか?」と聞かれるんです。特に漫画だとイメージに引きずられて、仮装大賞じゃないけど実写映画でモノマネとか再現しようとし始めると多分ダメだなっていうのがあって。もう読んでいたら仕方ないけど、そう聞かれると「いや、読まなくていい」って言っちゃうんですよね。あの時って僕、ヤフオクで作品見つけて、勝手に稽古場でみんなに見せちゃったんですけど、あれ良くなかったですかね?(笑)

鎌田 いや、別に(笑)。ただ、そんなに参考にするほどのアレじゃ……(笑)。言えば良かったですね。「これは見た方がいいですよ」みたいな。「見なくてもいいですよ」って(笑)。

古澤 そうそう。僕が演出する時って役者たちが考え過ぎちゃったりとかするから。……全然話が飛ぶんですけど、最近結構鎌田さん『マッドマックス』を意識していて(笑)。元々好きだったんですか?『マッドマックス2』はやっぱり僕らの世代はリアルタイムで、あれで完全にやられたっていうか。

鎌田 『マッドマックス2』と『マッドマックス/サンダードーム』は凄く好きだった。TVでやっていたのを見て。

古澤 そうか、TVだからか。なんか話していて、鎌田さんの好きな映画は、ああ、80年代の監督だなぁとか。

鎌田 だからTVですよね、その頃TVでやっていたやつ。

古澤 僕らの世代だとやっぱり12チャン(テレビ東京)で『デス・レース2000年』とかしょっちゅうやっているイメージがあって、何故かその時間は昼間なんだけど観ているっていう。

鎌田 そうそうそう。

古澤 だから今日の趣旨とズレるかもしれないけど、映画はTVで観ていればいいんじゃないかな(笑)。

鎌田 最近そんなにやってないんだよ、TVで。97年に酒鬼薔薇事件があって、それを境に深夜に『13日の金曜日』だとか「あぁ、やらなくなった」って。

古澤 僕らの時は宮﨑勤事件があって、それで本編もそうだし、TVでホラー映画のCMを流すと子供が泣くからみたいな投書があったりして、段々やらなくなったけど。昔は全編やるわけじゃなくて残酷なシーンとか急にカット変わっちゃったりとか無理矢理な編集していたけど、ホラー映画自体はよくやっていたじゃないですか。

鎌田 気がついたら「ゴールデン洋画劇場」もいまはもうないですよね。

古澤 TVで映画、やらなくなっちゃいましたよね。映画だとウチはTV見せてくれたんですよ、親も映画好きだから。僕は世代的にドリフのはずなんですけど見たことなくて。で、たまに映画を親と一緒に見たりするのはOKだったので、親に連れられて映画館に観に行くとスクリーンはデカいし、その時だけコーラとかも飲ませてくれるし、なんか映画って特別だなっていう。

鎌田 僕も同じ感じですね。母親が勉強以外のことをしているとなんでも怒って……。映画は観たいんですけどTVで観ていても怒られるし、それに小遣いはもらえないから観られないんですよ。で、レンタルビデオ屋さんに行って、たまにこっそり借りてくるか、もうずっとパッケージだけ見て過ごすみたいな。

古澤 分かります。僕も散々映画雑誌とかでずっとあらすじだけとかスチールだけ何回も読んだり見たりして、きっとこんな映画だろうと思って大人になって観たら全然違う映画で(笑)。

 

自分の世代のベストムービーみたいなのがあれば、それでいい(古澤)

―そう言えば鎌田さんの舞台は吹き替え感がありますよね。

鎌田 吹き替えが好きなんですよ。それは要するにTVで映画を見ているので、最初に出会ったものの愛着だと思います(笑)。やっぱりもう、欲しいものは全部過去にしかない感じで、最近は(笑)。 

古澤 たしかにそうですね。一番いいものは過去にしかない。でもそれは凄く後ろ向きな言い方(笑)。

鎌田 多分漫画家のいがらしみきおさんの言葉だったんですよね。でも本当にそうだ、と思った。

古澤 僕もこの間『グーニーズ』を家で見直して、やっぱり『グーニーズ』とか『グレムリン』とかに勝る映画ってないなぁとか。

鎌田 本当にそうなんですよ(笑)。

古澤 いや、この間の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』も凄く面白かったし、新しい映画に出会って面白いなって思うってこともあるけど、でもなんかね、家で『グーニーズ』ずっと見ていて、もうそれで一生終わってもいいかもしんねぇなってね(笑)。

鎌田 そうそう。だから、新しいものを観たいっていう欲求が……そんなありますかね?(笑)。観劇 オジサンが、結構年配の方が「新しいもの観たいぞ」とか色々書いていても本当かなと思うし。

古澤 多分絶対このフリーペーパーの趣旨と違っているんですけど(笑)。

鎌田 ただ、若い人にはまず出会ってほしいっていうのはやっぱりありますよ。

古澤 そう。若い人と話していて「好きな映画は?」って言われた時に、僕らの世代だと『バック・トゥー・ザ・フューチャー』とか『インディ・ジョーンズ』とか『グレムリン』とかそういうのが出てくるけど、若い人にそれを言われると「お前はどこでそれと出会ったんだ?」とか。逆に、例えば『パイレーツ・オブ・カリビアン』なんかはきっと中学生とか小学生とかで観てショックを受けた人とかいるんじゃないかな。僕は『エイリアン2』が凄く好きなんですけど、当時大人の人たちにボロクソに言われていて、凄く悔しい想いを持ったんですよね。だから、自分の世代のベストムービーみたいなのがあれば、それでいいんじゃないかなと。

鎌田 そうだと思います。

古澤 でもやっぱりそれを言えるようになるまで凄く時間がかかった。特に自分が映画をいっぱい見始めて、自分で作ろうとか思い始めた時に、先輩とかに「お前はもの知らねぇ」みたいなこと言われて、そうするとだんだん『ポリスアカデミー』とか言うとバカにされんじゃないかなとか思って(笑)。 30過ぎてようやく素直に好きだって言えるようになったし、もうポリアカとかだけ見てればいいかなって(笑)。

鎌田 本当に寿命があってよかったって思う(笑)。100歳を超えてもその時代のものに興味持てるかって考えたら、絶対持てないだろうと思うから、寿命ってそのためにあるんだなと思ったりする(笑)。

古澤 後ろ向きで申し訳ないけど、本当のことしか言ってない(笑)。

―でもそれは、若い人たちにとっては、いま劇場でかかっている映画を好きになればいいって話ですよね?

鎌田 そう、そういうこと。あなたたちはあなたたちの時代のアレを見つけて下さい、っていう (笑)。

古澤 そうそう。俺も映画美学校に関わっているけど、いまの若い人が映画館に行っていないのかどうかもよく分からないし、行けって言われても行かないじゃない?

鎌田 映画館に通うきっかけの作品に出会えたら、観に行きますよね。

古澤 一ついまの世の中にもの申したいことがあるとしたら、映画館が入れ替え制になったり、指定席制になったのは凄くイヤで。追い出されちゃうのがちょっとね。中学生くらいの時に『悪魔の毒々モンスター』とか、朝の一回目からずっと一日最後まで何回も観て(笑)。好きな作品に出会えた時に、そのまま映画館にいていい、って言われたらいいのになぁって思うけどね。

            ※20代のための映画情報紙『CinEmotion』2015冬号より転載

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2016年3月3日[木] - 3月6日[日]
映画美学校 アクターズ・コース 2015年度公演
『友情』(原案『堀船の友人』)

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辞めたバイト先の飲み会で起こる騒動と友情をテーマにした群像劇です。ぜひ。
2015年5月にナカゴーの公演として上演致しました『堀船の友人』という短編の拡大版をやる予定です。
作・演出 鎌田順也(ナカゴー)
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出演
秋本ふせん 奥崎愛野 川島彩香 菊地敦子 佐藤 岳 綱木謙介 戸谷志織 トニー・ウェイ 豊田勇輝 深澤しほ 渕野実優 的場裕美 連 卓也 山田雄三
[映画・演劇を横断し活躍する俳優育成ワークショップ]

公演日程
2016年3月3日[木] - 3月6日[日]
3日(木)19:00★
4日(金)19:00★
5日(土)14:00/18:00
6日(日)14:00/18:00
★=終演後アフタートーク開催〔30分程度を予定〕
*受付開始は開演の40分前、開場は開演の30分前。
*演出の都合上、開演後は入場をお待ちいただくことがございます。

会場:アトリエ春風舎
〒173-0036 東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
東京メトロ有楽町線副都心線西武有楽町線小竹向原駅」下車 4番出口より徒歩4分]

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