映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。映画・演劇を横断し活躍する「俳優養成講座 」 2017年9月開講決定!

修了生トーク(9)佐藤岳×深澤しほ×トニー・ウェイ×川島彩香 その1

こんにちは、広報アシスタントの川島です。

「俳優養成講座」開講に向けて、直近の修了生である「俳優育成ワークショップ」修了生の佐藤岳さん、深澤しほさん、トニー・ウェイさん、そして私川島を含めた4人で座談会を行いました!

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同期が集まると話が止まらない〜ということで、かなりの大ボリュームになってしまいましたので、2回に分けてお届けいたします。

第1回の話題は

1. ここがヘンだよ、映画美学校
2. 「世界のフカダ」の自主映画レッスン
3. ミニコラボで異文化交流

の3本です!それではどうぞ〜!

 

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川島:この座談会の内容としては、ざっくばらんに俳優育成ワークショップの半年間を振り返ってもらえればいいかなと思っております。と言っても何から話出せば、という感じなので、とりあえずみんなが何故俳優育成ワークショップに入ったのか、みたいなお話からしてみましょうか。
まず私から言った方がいいのかな。ここに入る前は普通にOLをやっていて映画館で働いていたんですけど、映画の仕事をしている内に自分で映画を作りたいなと思って、じゃあ何をやろうかなって時に、自分の身一つで出来ること、ということで役者をやってみようと思い、俳優育成ワークショップに入ったっていう感じですね。それまできちんとお芝居を学んだことはなかったので、ほとんど未経験だったのですが、楽しい半年間を過ごせました。

 

佐藤岳(以下佐藤):僕は大学で自主映画のサークルに入りまして、元々役者志望というわけではなかったんですけど、仲間内の作品に出たりしている内にもうちょっとちゃんと勉強したいなと思って、実は大学を卒業してすぐにちょっと大きい劇団の養成所に一年間いたんですけど、僕の興味としては演劇より映画寄りだったので、もうちょっとそういうところを学べるところはないかなと思って映画美学校に来ました。

 

川島:そこは完全に演劇っていう感じだった?

 

佐藤:うん、舞台だね。

 

川島:映像のお芝居と演劇のお芝居って何か違いましたか?

 

佐藤:う〜ん……俳優育成ワークショップは「映画」美学校なんだけど、結構演劇のカリキュラムも多かったじゃなかったですか。結構そういう印象はある。でも、日本が特にそうなのか分からないんですけど、映画の演技の確立された何かがあるっていうわけでもない感じがしませんか?言い方が正しいかは別にして、ナチュラルな演技みたいなのに一番近いのは青年団なので、多分そういうところで青年団の協力と共にやっているのかなって僕は思っています。

 

川島:そういうリアリスティックな演技を学べたということですかね。

 

佐藤:そうですね。

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川島:じゃあここを選んだのも青年団があるからっていうのもあったのかな? それとも映画美学校っていう名前だから?

 

佐藤:名前もあるし、ユーロスペースとかに映画を観に来たりしていたから同じ建物の中に映画美学校があるのは知っていたし、一時期Jホラーとかの流れを調べていた時もあって、存在を知っていたので。

 

深澤しほ(以下深澤):私は某養成所に通い某事務所に行きフリーで活動していて映画美学校に来たみたいな流れです。
映画美学校自体を知ったのは事務所に入っていた時に今をときめく深田晃司監督と接点があって(笑)。その時に深田さんが話していることが面白くて、本当に映画が好きな方なんだなって思って、それで興味を持った。加えて青年団というところの演出もやっていると聞いて、それで青年団を知ったんです。
で、その事務所を辞めた後から色々な青年団関係の芝居を観に行って。その中でわっしょいハウスさんの作品を観た時に、修了生の吉田(庸)さんが出ていて、それで折り込みチラシに映画美学校のチラシが入っていたんです。そこに深田さんとか青年団の名前が書いてあって「ここ、いいな」と思って深田さんが担当するオープンスクールのワークショップに来てみた。それでやっぱり面白いなと思って、集まっている人たちも面白そうな人たちだったし、やっぱりこういうところに興味を持つ人って貪欲に何かを求めている人なのかなと思い、受講を決めましたね。

 

佐藤:そのワークショップって撮影もちょっとやってみましょう、みたいな感じなんでしょ?

 

深澤:カメラを回しながらやっていて、面白かったなぁ。撮ったものをその場で観て、みたいな感じで。AチームがやっているのをBチームが好きな視点で撮ってみて、その後に深田さんだったらどう撮るか、それを見比べるみたいなワークショップだった。

 

川島:それはシナリオがあるの?

 

深澤:いや、それは自分たちで考えた。「電車の中で出会う」みたいなテーマを与えられて、7フレーズだけとか制限のある中で、自分たちでセリフを作るという感じ。

 

川島:それも面白かったし入ろうかなと。深田さんを追っかけて来たみたいな(笑)。

 

深澤:そう、深田さんを追っかけて。深田さんと何かをやりたいとその時は思って、じゃあどうしたら深田さんと繋がれるんだと。だからオープンスクールの時も「某事務所にいた深澤ですけど覚えていますか?」とか言って(笑)。しかも覚えていてくれた(笑)。

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川島:フリーってどれくらいやってたの?

 

深澤:フリー自体は一年くらい。

 

川島:その間も学校とか探したりしていたの?

 

深澤:いや、演劇専門の学校っていう機関があることをあまり知らなかった。大学の演劇科とか映画科行かなきゃそういうのはないのかなと思っていたから。ワークショップとかには転々と行ってはいたんだけど。

 

川島:皆さんありがとうございます。さっき深田さんの話が出たから、その自主映画レッスンの話でもしようか。 自主映画レッスンて、俳優を養成する学校としてはかなり珍しいカリキュラムだよね。養成所とかでは絶対にやらないだろうし。
(※自主映画レッスン:実際に受講生自身が「監督」となり撮影を行い、それぞれが1本の自主映画を作る講義。この時の担当講師は深田晃司だった)

 

深澤:撮る側に回るっていうのがね。「そっちか!」みたいな(笑)。でも確かに大事だなと思った。それを実際やるのかと緊張もした。「出来るの?」みたいな。 佐藤:入ってから一ヶ月後くらいだっけ?その作品の提出期限とオリザゼミが被っていて、あの時タイトだったよね。
(※オリザゼミ:青年団主宰の平田オリザ担当の講義。講義参加者が何組かのチームに分かれて、チームごとに演劇を創作し、発表会を行う。この講義はフィクション・コース、脚本コースなど他のコースの受講生も参加可能な学内のオープン講義)

 

川島:でも逆にさ、そうやって「撮れ」って言われて「いや、僕映画を撮るために来たんじゃないんで」みたいな空気になることはなかったよね。結構みんな楽しんでやっていたようなイメージがあるな。

 

深澤:でも始まってすぐは結構タイトなスケジュールだったからみんなと顔合わせることは多かったけど、自主映画レッスンでみんなの作品を観て「あ、こういうことを考えている人なんだ」みたいな、そういう内面が見えた感じはした。

 

川島:オファーし合ったりもしたからそれも良かったよね。お互いの作品に出てもらうことがコミュニケーションになるみたいな。

 

佐藤:深澤さんの実家で撮った作品、あれは何日間くらいで撮ったの?

 

深澤:撮影自体は3日間、プラス予備で1日みたいな感じで。土日で実家に帰って撮った。山梨だったから近かったっていうのもあるし。

 

川島:でもかなりちゃんとしたものを撮って来ていたよね。イメージカットみたいなものではなく、きちんと成立している物語のある作品だった。

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深澤:いやぁ、恥ずかしいですね。撮るからにはちゃんとしたものを撮りたいっていう欲があって、それで撮ってみた。それで作り手に回って、作り手の大変さも分かったし、編集作業も初めてで、元々パソコン全然ダメだからどうしようかと思ってやったけど、ティーチングアシスタントのしらみず圭さん(アクターズ修了生)が非常に優秀だったから色々なことを教えてもらったりして、それで本当に助かったな。 本当に投げ出されて「じゃあ後は全部自分で調べてやって」とかだったら私は1分未満の作品しか出来なかっただろうけど、サポートしてくれたから「あ、私でも出来るんだ」という部分と「こんなに大変なんだ……」という2つの部分を学ぶことが出来た。

 

川島:作ろうと思えば誰でも作り始められるけど、ちゃんと作ろうと思うと大変なんだなっていう。そこが楽しさでもあり大変さでもありっていう。

 

深澤:そう。だからそういう意味で本当にやってよかったなって思ったな、あれは。

 

川島:しーぬん(深澤)はさ、作る方にも興味があるでしょ?それってこれがきっかけ?

 

深澤:そう、完全にきっかけだった。まずパソコンを触ろうなんてことも何かきっかけがないとやらないし(笑)。で、出来るんだっていう実感にもなったから。自分で作るとか能動的にクリエイティブに動いて行くっていうことも大事なんだなって思った。何かを発信していって「自分はこういう人なんですよ」っていうことを示す1つのツールになるなって。

 

川島:みんなの作品を見て、その人となりも分かるからね。

 

深澤:しかも役者をやりながら監督もやっている人も結構いるじゃないですか。そこに興味があるのもあってという感じですかね。

 

佐藤:僕も機械音痴で。Macとかも触ったことがなかったし、カリキュラム的にも忙しかったからそんなに編集に時間を割けないと思っていたところもあった。それで、長回しだったら編集作業は少なくなるじゃないですか。そういうところから僕はPOV風のホラーっぽいものを撮った。(※POV:Point Of View。ホームビデオのような主観ショットのみで校正された作品構成のこと)
音とかも出来るだけ作業しないようにしようと思って。カットが切り替わるタイミングとかも最初から決めてやるっていう。編集の手間を如何に少なくするかっていうところからああいう風になった。

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深澤:でも編集、発表の日の朝まで編集室でずっとやっていたよね(笑)。

 

佐藤:そう。前日の夜に終わるかと思ったら終わらなくて、当日ギリギリまで。

 

川島:結構作業で編集室にみんな集っていたから、それも楽しかったよね。でも何故ホラーを撮ったんですか?

 

佐藤:POVにはそういうのが多いし、POVは低予算で撮る表現じゃないですか。あとはいわゆるジャンル映画みたいなのって好きなんで「じゃあホラーで」って決めた。

 

川島:どうですか、撮ってみて。

 

佐藤:大変でした。夜中に壁の薄い安いアパートの部屋で声を出したりしていたから、ものの5分くらいで隣に住んでいるおっさんから「うるせー!」って言われてビビりながらやりましたけどね。

 

川島:逆に養成所に行っていた二人としては「これは映画美学校、珍しいことをしているな」「ここは他と違うな」みたいなところはありますか?

 

佐藤:やっぱり「カメラで撮る」っていうところじゃないですか。古澤さんの短編映画ゼミにしろね。舞台系のところだと最初からそんなこと、やろうともしないし。
(※古澤健が担当する「短編映画ゼミ」は、古澤が監督、受講生が出演者として1本の短編映画を制作する講義。撮影は終わり、現在編集中とのこと)

 

深澤:私が行っていた養成所は映像系だったから、舞台表現的な、例えばビューポイントとか身体全身使ってみたいなレッスンはなかったから、映画も演劇もどちらでも通用する人を育てるっていうところで凄く手広いというか、役者としては色々なことが必要なんだなっていうのが身に染みて分かった。
(※ビューポイント:青年団所属の俳優・近藤強が担当する講義で扱われる演技メソッド。 1970年代に振付家のマリー・オーバリーによって考案された即興ダンステクニックをベースに、アメリカ人演出家・アン・ボガートが俳優・パフォーマー・演出家向けに発展させた俳優訓練法。)
(参考:http://www3.center-mie.or.jp/center/bunka/event_c/2012/0107.html)

 

川島:前にいたところではどういうことをやっていたの?

 

深澤:私がいたのはモデルとかタレントとか、役者だけじゃないところだったから、ダンスのレッスンだったり歌のレッスンだったり、本当に幅広くちょっとずつ搔い摘んで、という感じだった。ここは「お芝居」っていうものに特化してずっと詰めてやれるところだったから、本当に通っていた半年間はずーっとお芝居のことしか考えてなかったし、のめり込める期間だったな。

 

川島:昨年からカリキュラムが半年間になってスケジュールが詰まって大変でもあったけど(※以前は一年間のカリキュラムだった)、逆に一日たりとも台本を持っていない時がないというか、常に何かを抱えていたでしょ。何かしら、役のことだったり台本のことだったりっていうのを考えている半年間だった。今考えると凄く贅沢だったなって思うよね。

 

深澤:思う。やっぱり養成所って受動的な人が多くて、あんまり「学ぼう」というよりは「ここにいれば何かを得られるだろう」くらいにしか思っていない人たちがわんさかいたんだけど、映画美学校の人たちは、やっぱりここに集まってくる理由とか色々抱えているから、能動的に何かをやっていこうっていう人たちが多かった。だから喧嘩という意味ではなくてぶつかり合いつつ、色々な意見がありつつ発展していくことが多かったのかな。

 

川島:それぞれ自分の価値観だったりやりたいことだったりがあったからぶつかりもしたけど、刺激的な半年間だったかな。

 

深澤:そこが「養成所」と違って「学校」っていう場所なのかな、という感じ。

 

川島:あと個人的には、この学校には試写室があるじゃないですか。他にも設備が結構ちゃんとしている。ミニスタジオもかなり大きいし。私は他の養成所とかには行ったことがないけれど、何かしらカリキュラムの中で映像作品を作ったら、大体完成したものを試写室で観られるじゃない?それも結構ありがたいのかもなぁと思った。映研とかだと教室とかでの上映になるのかな?

 

佐藤:そうだね。サークルによって上映機材を持っているところもあったり、学生会館みたいなところの視聴覚室を借りてとか。

 

川島:ここの試写室は業務試写もやっている、映画館と変わらないちゃんとした上映環境だからね。軽々しく観ていたけれどさ、考えてみれば早々にスクリーンデビュー出来ちゃう、みたいな(笑)。

 

深澤:そうか、スクリーンデビューっていったら確かにそうかもしれない(笑)。

 

川島:関係者試写みたいなものだからね。

 

深澤:あれだけの大画面で自分を観る経験ってあんまりないよね。

 

川島:実際試写室で観ると「私、瞬きし過ぎでウルサい!」みたいな感じになるじゃん(笑)。あとはミニコラボがあったのも結構特殊かもね。

 

深澤:うん。役者だけの関係じゃなく、みたいなね。
(※ミニコラボ:フィクション・コースとの共同カリキュラム。出演者は俳優育成ワークショップ受講生、スタッフはフィクション・コース受講生、監督はフィクション・コース講師で現役の映画監督が担当し、短編映画を制作する。今期では井川耕一郎、大工原正樹、高橋洋、三宅唱の4名の監督作品が生まれた)

 

川島:その話もしようか。今日来てくれた人たちは、大工原班と三宅班の人だよね。じゃあ大工原班は?セットとか凄く凝っていたよね。

 

深澤:セットは凄く凝っていて、このミニスタジオがマジで別世界になった。それは本当に凄かった。美術というか、空間を作ることが演じる役にも影響してくるから「あっ、この中で私はやるんだ」とか思ったりとかして。作り込みは一番凄かったんじゃないかな。謎の地下室みたいな雰囲気を作れたのは凄いなと思った。あとは、大工原班は結構台本が上がるのが遅かったっていうのだとか、こだわりが強い方なのかなぁという印象があるかな。
ミニコラボ全体のことで言ったら、普通の映画の撮影だと役者って最後に後付けで参加してくる感じがありますよね。脚本とか撮影準備が色々終わって、衣装合わせで初めて顔を合わせ、本番で演技してって感じだけど、ミニコラボは「みんなも何か案があったら出して」という感じで企画会議の段階から一緒にいられたから、そこで参加している感というか、ちゃんとゼロから作品に関わっているスタッフの一員みたいな部分では面白かったですね。

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川島:そういう部分もあったから、フィクション生も慣れない中で多少大変な部分があってもやり切れたっていうのがあるのかもしれないね。

 

深澤:そう。そこから関わるからこそ、ミニコラボが終わった後もフィクション・コースの人たちと繋がれた。やっぱりスタッフの一員という心持ちで参加して、その後に発展していくっていうのが大事なのかな。未だに大工原班の人たちとは繋がりがあるし、フィクション・コースの修了制作も今ちょうど撮影しているからそれに呼ばれたりとかもあったりする。だからミニコラボって他のコースの人と関われるから本当に人脈が広がるし、面白い人に出会える。

 

川島:全然雰囲気が違うもんね。コミュニケーションの取り方も私たちと全然違うから(笑)。でもそれはフィクション生に限らず、スタッフサイドの方々の特徴なのかもしれないからさ、そういう意味では社交性がみんなドンドンついていくんだろうね。なんか本当に「ここまでどうやって生きて来たんだろう……」みたいな人もいるから(笑)。

 

全員:笑

 

深澤:そういう意味でも新しい価値観に出会える(笑)。

 

川島:じゃあ三宅班について語りますか。

 

佐藤:脚本が出来るのが遅いっていう点でいえば、三宅班も前日とかだった。

 

川島:そうですね。脚本は超急でした。2日前くらいに「このダンス覚えて来て」って言われて悪夢を見た(笑)。

 

深澤:そうなんだ!結構順調に進んでいたと思っていた。

 

佐藤:そもそもが1つの話じゃなくて、オムニバス的なやつということもあったから。

 

川島:丁寧にフィクション生のアイディアを拾っていこうっていう三宅さんの姿勢があったし、私たちも脚本だったり企画だったりに意見を出してよかった。それこそ登場人物のキャラとかね。

 

佐藤:「この日までに意見を下さい」を言われても大体自分たちしか出してない、とかもあった(笑)。

 

川島:でも割とそういう傾向があったよね。私たちの方が意見を出している、みたいな(笑)。

 

佐藤:演劇とか映画とか、台本や脚本がギリギリに上がってくるのがかっこいいみたいな風潮が全体としてちょっとあるでしょ?

 

川島:武勇伝っぽい感じ。「前日の夜に脚本が出てさぁ〜」みたいな。

 

佐藤:そういうのが何となく許されている感があるよね。

 

深澤:私、そういうの許せないんですよね。

 

川島:許されないべきだよね。

 

佐藤:でもそのアウトロー感みたいな、そういうのがあるよね。

 

川島:他にも自主映画の撮影とかだとスケジュールとかもあやふやだったり、計画が杜撰だったりもするしね。

 

深澤:だから危険撮影のことだったりだとか、そういうのがカリキュラムの最初の「俳優の権利と危機管理」で言われていたから、ちゃんと意見出来る自信が持てたというか。「それはやっぱり違う」みたいな感じで。

 

川島:すぐに役立ったね(笑)。やっぱりみんないっぱいいっぱいになっちゃったりもするしさ、それぞれの立場にならないと分からないことがいっぱいあって、だからこそちゃんと自分たちから意見を言わなければいけない場面もあったりするんだと思ったよね。でも、三宅班は全体的に凄く楽しかったよね。
あと、演出の講義をフィクション・コースでやっていて、それに私たちも見に行ってよかったので三宅さんの講義を見に行ったら、受講生から「俳優にどういう風に演出を付けるんですか」「何を伝えて何を伝えないんですか」ってゆう質問があった。それに対して「それは俳優のタイプを見て、共犯関係を結べるような人だったら『こういう意図でこういう風に撮りたい』と伝えるし、そうじゃなくてシチュエーションとか役柄を伝えた方が良ければそうする」みたいなことを言っていて、俳優と共犯関係みたいなことを思ってくれる人って凄くいいなと思った。
実際に演出を受けて思ったのが、三宅さんって結構比喩を分かりやすく伝えてくれる。分からなかったら、別の角度から言ってくれたり、だから「伝わらない」っていう前提で私たちに接してくれて、「どうしたら伝わるか」っていうことをちゃんと考えていてくれているなと思ったかな。「歌だと思ってこのセリフを言って」とか「幼稚園児みたいな感じでやって」とか。 あと、映画美学校のロビーでの撮影は、凄く雰囲気のある感じに出来ていて、普段のロビーと全然違ったよね。映画館に見立てるところから始めて。

 

佐藤:やっぱり照明って凄いなって思った。

 

川島:照明は本当に魔法使い!山田(達也)さんね。
(※山田達也キャメラマン。フィクション・コースの撮影・照明の技術講師を務める。ミニコラボ実習では各作品の撮影・照明の指導を担当。)

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深澤:マジカッコよかった!(笑)

 

川島:井川班はリハーサルがすごかったらしいね。とにかく同じシーンを3時間くらいずっと繰り返し続けるとか。しかも具体的な指示はそんなにされない。

 

深澤:でもそれでしおしお(和茉しおり)がやってたの、ベンチのさ、なんだっけあれ?

 

川島:「死ね死ね」みたいに言い続けるやつ。

 

深澤:あれ凄く良かった。かわいかった。

 

川島:でもそういうのも最初はなくて、リハーサルをやっていく内にアイディアとしてしおしお(和茉)がやって採用されたらしいね。きついけど、俳優がアイディアを出すみたいなことに関してはかなりの訓練になるよね。

 

深澤:いいなあ〜。やってみたい。

 

川島:ちなみに今年の俳優養成講座では井川さんが主任講師です。

 

佐藤:でも、映画監督ってどちらかというと画に興味がある人と芝居に興味がある人とに分かれるような気がするけど、井川さんは演技よりっていう感じでしたね。

 

深澤:井川さんの役者を見る眼が凄く愛があるという風に私は凄く感じた。ちゃんと一人一人のことを見てて、キャスティングも面白かったな。

 

佐藤:講義を見に来ていたもんね。

 

深澤:そうそう。本当に役者に興味がある人なんだなって。

 

川島:そういう人に撮ってもらえることは俳優としては嬉しいことですよね。

(あれ!?トニーがいない! 第2回へつづく)