映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。映画・演劇を横断し活躍する「俳優養成講座 」 2017年9月開講決定!

「動く・俳優~ビュー・ポイントって?」 近藤強

2017年度アクターズコースは9月より開講いたします。

募集にむけて、いよいよ様々なイベントがはじまります。その第一弾として講師の近藤強によるオープンスクールを開催します。

もちろんこれらのイベントは募集のための体験する機会なのですが、私たちは、これらを、学校の中で行われていることを外にひらいていく、学校が社会に直接関わっていく機会として、充実した場にしたいと願っております。
毎年、たくさんの方に楽しんでいただいております。「演技の授業ってものを体験してみたい!」という、アミューズメント的な興味、知的好奇心、あるいは社会科見学的な興味など、大歓迎です。
お気軽にご参加ください。(アクターズコース講師 山内健司

「動く・俳優~ビュー・ポイントって?」 近藤強[俳優/青年団
5月21日(日)14:00~17:30
会場:映画美学校ミニスタジオ

映画美学校 | アクターズ・コース オープンスクール【体験講義】5/21(日)開催決定!

さて、近藤さんが、授業でおこなっていることの解説を書いてくれました。ぜひお読みください!

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映画美学校アクターズコース講師の近藤強です。このブログはツイッターでメソッド演技とビューポイントについて書いた文章を少し補足したものです。限られた字数制限では書ききれない事もあったので、まとめてみました。 書きながら自分の考え方が整理出来ていろいろと面白かったです。当たり前ですが、これは個人的な見解であり、どういう意味においても僕の言っている事が正論/正解であると主張して他の人の考えを変えようという意図はありません。あくまで僕にとってはこう見えるという程度の話です。

 

そもそも「メソッド」と言う単語はご存知のように「方法」という意味です。華道、茶道、空手、バイオリンなどと同様に、演技にも様々な方法論があります。でも、アメリカで演技に関して、(The)メソッドというとアクターズスタジオで有名なリー・ストラスバーグの提唱するやり方を指す事が多いです。いわゆる心理的リアリズムを追求する考え方です。「メソッド演技」も実は教える人によっていろいろやり方が違ったりもするのですが、誤解を恐れずにものすごく単純化すると、内面(心理)がリアルであれば、外面(外に出てくる行動/演技)もリアルになるのではないかという考え方(仮説)です。

この内面のリアルというのがくせ者なんです。だって、実際には人の心の中は見えないから。でも、一般的には「内面のリアル=(役が感じているであろう)感情を感じる事」と考える場面も多いわけです。そうすると、いろいろと難しいことが出てきます。

まず、やってる本人がそう感じてるのだからと言えばそれを客観的に話し合う事はとても難しいという点。その日の状態によって、同じ事をやっても(同じ感情を持とうとしても)、同じ感情を持つ事が難しいという点。これは映像のように一回やってそれが撮影出来れば良いけど、舞台のように繰り返す必要がある時は困ります。連続殺人鬼や極限状態での感情をどう処理するのかと言う問題(役になり切る問題)もあります。

こう言った問題に対しては方法論毎にいろいろな対処法あります。例えば、僕が通っていたマイズナーテクニックの学校では、感情は行動の結果であり、演技において感情を感じる事は副産物であると教えていました。つまり、演技(アクティング)は(俳優によって選択された)行動/アクションの連続であるということです。

内面のリアル=感情ではなく、内面のリアル=(与えられた想像上の状況下でとるであろう)行動を誠実に(出来る限り嘘付かないで)選択すること、と考えるとずいぶん気が楽になったのを覚えています。とはいえ、これをやるのも相当に大変です。実際に行動をどう選択するのかに関する技術は人によって違うし、正解不正解というよりは、自分に合うか合わないかが大きいと思います。

これが内から外の演技論の僕のざっくりした理解です。5月21日のオープンスクールで紹介するビューポイントはこのメソッドの考え方へのオルタナティブの1つとして考えられているメソッド/テクニックです。ビューポイントではまず身体/直感を使って動きながら、内面についてはあとで考えます。もっと正確にいうと俳優がより直感的に動く事を身体に叩き込むためのドリル帳のようなものだと僕は考えています。ドリル帳なので、様々な要素を鍛えるエクササイズが沢山あります。以前に紹介した歩くエクササイズもその1つです。長くなって来たのでこの辺で今回は筆を置きます。近日中に、何故自分がビューポイントに興味をもっているのかを少し説明出来ればと思います。

ビューポイントのエクササイズの下記のアン・ボガードによるガイド本で詳しく説明されています。残念ながら英語だけですが、シンプルな英語で書かれているのである程度英語出来れば辞書を片手に読めます。 

https://www.amazon.co.jp/Viewpoints-Book-Practical-Guide-Composition/dp/1848424132