映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2018」9/3(月)開講!

総合プロデューサー暇つぶし雑記(その9)/井川耕一郎さんより

今回は映画美学校アクターズ・コース「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2017」主任講師である井川耕一郎による総合プロデューサー暇つぶし雑記(第9回)をお送りします!

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フィクション・コースの講師として長年映画美学校に携わって来た井川さん。

その井川さんがアクターズ・コースの主任講師として、新鮮な目で受講生を見守っていた記録──

それではどうぞ!

 

 

2月15日(木)・稽古11日目。

12時半、地下スタジオに行き、那木慧くんたちと雑談。

アクターズ・コース生がほぼ全員そろったところで、釜口恵太くんがさわやかな笑顔で言った。じゃあ、ラジオ体操、やりますか!

ダメだ、こいつは。生活係にすっかり洗脳されている(釜口くんはR-1ヨーグルト原理主義者だから、洗脳されやすい体質なのだ)。

そうっと地下スタジオを出たら、階段の途中で高橋ルネさんに見つかってしまった。

あっ、井川さんが逃げてく!

 

13時に演出の玉田真也さんが来る。13:15、稽古スタート。

茫然自失の患者・村西(釜口くん)が横になっているところに、福島の見舞い客・藤原(小林未歩さん)、坂口(高橋さん)がやって来る3・4・3から。

藤原、坂口、鈴本(田端奏衛くん)の三人が福島(石山優太くん)を待ちながら、あれこれしゃべる4・1・1までやったところで、玉田さんが芝居を止めて言った。

自主稽古したのかな。前と違って演技がふわふわしていない。それはいいのかもしれないけれど、違和感がある。一人一人がバラバラに自分はここでこういうことをしようという感じ。関係の中で演技していないときがある。

それから、玉田さんは3・4・3から4・1・1までをアクターズ・コース生に問いかけ、対話しながら、稽古を進めていった。たとえば、田端くんがテニスのラケットを三つ持ってやって来るのはなぜなんだろう?といったふうに。

田端くん・高橋さんに小林さんが、石山くんと結婚しちゃえばよかったのに、と言われて、それより、あんたたち、早く結婚しないさいよ、と逆に言い返すところ。ここで玉田さんは次のように言った。

小林さんに、結婚しなさいよ、と言われて、田端くんも高橋さんも、そうねえ、と曖昧な返事をするのはなぜなんだろう? 演じる役の関係性がどうなのかを決めて、それをみんなで共有してほしい。台本に書かれていることと矛盾していなければ、役者は細かいところまで自由に考えていいです。台詞の間を埋めていってほしい。

 

稽古は続き、小林さん・石山くんが二人きりで話す4・2・1になった。

『S高原から』の中で、このあたりは特に重要な四つの場面(ラストを除く)のうちの一つだ。しかも、小林さん・石山くんが演じる藤原・福島の関係にはずいぶんと紆余曲折があるみたいで、それをふまえてなおかつ深刻にならずに演じるのはなかなか難しそうである。

小林さんが長椅子に横になった石山くんに話しかける芝居を止めて、玉田さんが言った。

台詞を言う以前に演技の土台として、その登場人物が何をしたいかという矢印があるかどうかが大事。小林さんの今の演技だと、矢印が見えない。彼女はどういう状態でここにいるんだろう? しゃべりたかった話って何かな? 自分から話しかけるのは、相手に何かしらの影響を与えたいということだと思うけれど。

玉田さんの問いかけに対して、小林さんが藤原の心理状態について一つ一つ考えながら話しだすが、最後に、役へのアプローチで迷ってます、とぽつりと言った。それを受けて、石山くんが補足するように考えを話した。

玉田さんは二人の言葉をじっと聞いたうえで次のように言った。

今の話はまだ具体的じゃないです。藤原と福島の関係を考えるときには、現実にいるあの二人が参考になるんじゃないかみたいな感じで具体的にイメージして、それを小林さんと石山くんで共有してほしい。

14:20まで稽古をして(この間に、玉田さんが芝居を止めて助言をし、もう一度演じ直すが16回行われた)、休憩となった。

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休憩中、小林さんは豊島晴香さんに、分かってないまま、分かったふりして演じてるのは分かってるんだけど、と自分の気持ちを話していた。

それから、石山くんと一緒に来て、井川さんは藤原と福島が別れていると思いますか?と尋ねてきたので答えた。

うーん、もしぼくが石山くん演じる男の親だとしたら、小林さんに、あなたには自分の幸せを優先的に考えてほしい、と言って、それとなく別れた方がいいよとアドバイスするかなあ。小林さん演じる藤原もそのことでかなり迷うことがあったと思うけれど。まあ、まずは玉田さんが言うように「あの二人」を探すのがいいだろうね。

それから石山くんに言った。一見元気そうに見えても、不治の病ってことは禁欲生活かあ。禁性交に、禁酒。こりゃ、若いひとにはきついねえ。

 

そう言えば、昨年度の修了公演(作・演出はリクウズルームの佐々木透さん)のときも、ちょうどこれくらいの時期にアクターズ・コース生は壁にぶちあたっていたなあ、と思う。

どうやら稽古が順調に進むということはなくて、かならず迷い悩む時期が来るようだ。

けれども、前にも書いたように、今回のキャスティングはアクターズ・コース生一人一人の個性に合ったものなのだ(このことについては、玉田さんに本当に感謝しています)。今回のメンバーの中で藤原を演じられるのは小林さんしかいないだろうし、福島の役も石山くん以外のひとは考えられないだろう(他のアクターズ・コース生についても同様のことが言える)。

何とか壁を乗り超えてほしいと思うのだが。

 

 

井川耕一郎(映画監督・脚本家)
1962年生まれ。93年からVシネマの脚本を書きはじめる。主な脚本作品に、鎮西尚一監督『女課長の生下着 あなたを絞りたい』(94)、常本琢招監督『黒い下着の女教師』(96)、大工原正樹監督『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』(96)、山岡隆資監督『痴漢白書10』(98)、渡辺護監督『片目だけの恋』(04)『喪服の未亡人 ほしいの…』(08)やテレビシリーズ「ダムド・ファイル」などがある。最新作は監督も務めた『色道四十八手 たからぶね』(14)。映画美学校では、コラボレーション作品として『寝耳に水』(00)、『西みがき』(06)を監督している。他、編著書として、高橋洋塩田明彦と共同編著した大和屋竺シナリオ集「荒野のダッチワイフ」(フィルムアート社)がある。

 

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映画美学校アクターズ・コース 2017年度公演
「S高原から」
作・平田オリザ 演出・玉田真也(玉田企画)

【玉田真也(玉田企画 / 青年団演出部)】
平田オリザが主宰する劇団青年団の演出部に所属。玉田企画で脚本と演出。日常の中にある、「変な空気」を精緻でリアルな口語体で再現する。観る者の、痛々しい思い出として封印している感覚をほじくり出し、その「痛さ」を俯瞰して笑に変える作品が特徴。

出演:石山優太、加藤紗希、釜口恵太、神田朱未、小林未歩、髙羽快、高橋ルネ
          田中祐理子、田端奏衛、豊島晴香、那木慧、那須愛美、本荘澪、湯川紋子
        (映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2017)
          川井檸檬、木下崇祥

舞台美術:谷佳那香、照明:井坂浩(青年団)、衣装:根岸麻子(sunui)
宣伝美術:牧寿次郎、演出助手:大石恵美、竹内里紗
総合プロデューサー:井川耕一郎
修了公演監修:山内健司、兵藤公美、制作:井坂浩

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当日券情報!
2/28(水)19:30〜:若干枚数発売予定

公演日程:2018年2月28日(水)〜3月5日(月)

2/28(水)19:30~
3/1  (木)19:30~
3/2  (金)15:00~ / 19:30~
3/3  (土)14:00~ / 19:00~
3/4  (日)14:00~ / 19:00~(追加公演)
※追加公演のチケット発売開始は2/22(木)お昼12時から
3/5  (月)15:00~
※受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前
※記録撮影用カメラが入る回がございます。あらかじめご了承ください。 

チケット(日時指定・全席自由・整理番号付)
前売・予約・当日共
一般 2,500円 高校生以下 500円
資料請求割引 2,000円 

※高校生以下の方は、当日受付にて学生証をご提示ください。
※未就学児はご入場いただけません。
※資料請求割引:チケット購入時に映画美学校の資料を請求してくれた方に500円の割引を行います(申し込み時に資料の送付先となる連絡先の記入が必須となります)。

チケット発売開始日 2018年1月8日(月・祝)午前10時より

<チケット取り扱い>
CoRichチケット! https://ticket.corich.jp/apply/88312/

<資料請求割>
映画美学校の資料を請求いただきました方は当日2500円のところ、2000円で鑑賞いただけます!
下記よりお申込みください。お申込み後、映画美学校より随時学校案内などの資料をお送りいたします。

映画美学校アクターズ・コース資料請求割引申し込み専用フォーム 

会場
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線副都心線西武有楽町線小竹向原」駅 下車
4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

お問い合わせ
映画美学校
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS B1F
電話番号:03-5459-1850 FAX番号:03-3464-5507
受付時間(月ー土) 12:00-20:00