映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。アクターズ・コース俳優養成講座2023、9/1(金)開講決定!

アクターズ・インタビュー『S高原まで』(第11回/全14回)那木慧

3月4日19:00〜の回の追加公演が決定しました!!嬉しい限りです。ありがとうございます。

明日、2月22日12時より、予約開始です。席数非常に少ないので、ご予約はお早めにお願いいたします!→【https://t.co/c8BHhRybDE

 

さて、第11回は、謎多き男前、九州男児、那木慧さんです。(2018年2月19日収録)

f:id:eigabigakkou:20180220201433j:plain

──お疲れ様でしたー!(乾杯)

おつかれっしたー! (乾杯)

 

──じゃあ、早速。なんで映画美学校に入ったんですか?

でもなんかその質問って、映画美学校入った初日にされたじゃん。で俺答えられなかったの。そこまで、これがやりたいからって言う理由で入ってないからかなぁ。漠然と、9月から3月までのスケジュールが空いてたから。確か、ここの存在を知ったのはTwitterだったかな…

 

──今まで、どんな作品に出てきたんですか?

全部古典だね。あとは再演もの。シェイクスピアとか、イプセンとか。そういう方が好きだし、あとは古典系の方が良い演出家が多いから。

 

──へぇ。今こうやって、実際に現代演劇をやってみて、どう感じるんですか?

…それ、やばい質問だね。…正直、おもんないね。いや、面白さを感じる時ももちろんあるけど、今は出番も少ないっていうこともあって、面白さを感じれてないことの方が多いかな。

 

──今まで、現代演劇はあまり見たことなかったんですか?

ほぼ無いね。青年団の『ニッポン・サポート・センター』は観た。あれはめちゃくちゃ面白かった!やっぱり一回観ておいた方がいいかなって思って、観た。その時ここのフライヤーが入ってたのかもしれない……あ、違うわ、ごめん、嘘ついた。今思い出した。映画美学校を知ったのは、この人いい俳優だなって思った人が映画美学校出身だったんだ。あのー、矢野昌幸さん。うん、でもいつも観るものに偏りがあるんだよね、観るなら新国立劇場でやってるのしか基本観ないから。

あ、話してたら色々思い出してきた。そうだ。やっぱやったことがないから、古典の芝居のやり方と、現代口語演劇のやり方は違うから。俺どっちもやりたいんですよ。どっちも行き来できるようになりたいんですよね。今月シアターコクーンなんだけど、来月はアゴラです、みたいなノリがいい。でもどっちも技術が要るから。

f:id:eigabigakkou:20180220201840j:plain

──いつごろから演劇を始めたんですか?

大学の時に演劇サークルに入って演劇始めて、一回就職して。演劇っていうかコントみたいなやつだったけど。会社辞めて本格的に俳優始めたのは、2016年。だからそんなに舞台の経験数はあんまりない。5本くらいだよ。

 

──俳優を続けている原動力って何ですか?

ちょっと雑談から本題に入るけど、那須ちゃんは、演技辞めたいって思ったことある?

 

──ありますよ。しょっちゅう思ってる。

だよね。俺は今1時間に1回くらい思ってる(笑)ひどい時1時間に10回くらい思ってる。けど続けてるのは、やっぱり、まわりの人の言葉があったから、じゃないですか。「いつか売れるから」とか、「続けなさい」とか、「もっとできるのに、なんでやらないの」とか、そういう言葉があるから、自分の可能性を今信じれてる面もあるんじゃないかな。でもまあ、中身が伴ってないからやめようやめようって思うんだけど。

原動力ねぇ…でも何より、“好き”が強いんじゃないすか。アホほど稽古好きだからね。あとこれは原動力にも繋がるけど、“わからない”、じゃない。だって2000年演劇ってされてるけど、未だに論争が起こるわけでしょ。で人によって意見が分かれるわけだから、そのわからなさって好きだなぁ。

f:id:eigabigakkou:20180220202006j:plain

──ところで、休みの日って何をしているんですか?

図書館にいるかなぁ。経済系の本とか、とりあえず新聞とか、読む。俳優なんかやってると、世間に取り残されるからねぇ。文学的な方だと、詩人の、萩原朔太郎吉野弘。あとは漫画だとジョージ秋山。漫画はすごい読むよ。

 

──特技は?

特技ねぇよ(笑)!

 

──えーじゃあ趣味は?

散歩。お金かからないし(笑)

そうそう、やばい、どんどん思い出してきた!会社辞めた時に、シルヴィ・ギエムの『ボレロ』を観たのよ。あれすごかったなぁ…だってあれ48歳とかだよ。彼女は確かに身体的に天性的なものを持ってるけど、でもあの年齢までやれることは、天性じゃないからね。で、すごく残酷だなと思ったのが、舞台の上に立つと、費やした時間がわかるんだよね。たまには甘いもの食べたくなる時もあればさ、怠惰に過ごしてもいいじゃん。でも彼女はその一瞬も許さなかったんだなって思う。犠牲の精神だよね。じゃあ自分は何やってるの?何か費やしてきたの?って、感じたな。彼女の存在にはなんの嘘もなかった。俺はすごい憧れる。

f:id:eigabigakkou:20180220202127j:plain

──これからどういった役者になりたいですか?

ああ、無いね。それは多分、明日になったら変わってるから。20代前半の頃に大切にしてた価値観って、今はもう180度全く違うんだよね。だし、2016年から芝居を始めて、その1年目と2年目と3年目ガラッと全部変わってるから、だから今ここで思ってることを言っても、来年になったら違うと思う。変な話、1ヶ月後にはもう違うかもしれない。

 

──じゃあ、やりたいことはありますか?

命削りたいね。今は出番も少ないし、有り余ってるわけよ。あとはまあ、現代口語って簡単にできちゃうから難しいっていうのもあるかもしれない。いやわかんない。今現代口語1年生だから、はっきりしたことは言えないけど。今出てる答えを言うとすれば、ありのままの自分でいいよ、言いやすいように台詞を変えていいよ、っていうのが俺の中での現代口語演劇のイメージなんだけど、果たしてそうなのか?ありのままの自分を許していいのか?それは甘えではないのか?だって観客は血が見たいんだもんってたまに思う時がある。だからコロッセウムがあったわけで。だけどそれは、汗水垂らした芝居がしたいっていうこととは違う。

いや、どこまでいっても嘘じゃん、芝居って。けど、その嘘の感覚があんまり無いんだよなぁ。変な言い方だけど、社会に3年間出た人間からすると、社会でのコミュニケーションの方がよっぽど嘘で、芝居でのコミュニケーションの方がよっぽど本当だと思う。

 

──では、それは演劇でも映像でもどちらでも良いのですか?

どっちでもいいし、俺、映像の方が好きだわ。ここに入ってから思ったんだけど、カメラは嘘をつかない。役者の容姿だけで起用されることもあるけど、一種公正な公平な目が、カメラには備わってる。それはたかが出番が30秒でも1分でも、カメラは公正だから。だから今、映像の方が好きなのかも。

 

 

学校の近くの居酒屋で、稽古終わりに飲みながらのインタビューでした。実直さが伝わる、いろんなお話が聞けて楽しかったです!

次回は、那須愛美です。2月23日に掲載予定です。(構成・那須愛美)

 

──────────────────────

那木慧・なぎさとし

大分県出身。大学卒業後、3年ほどサラリーマン生活を送る。シルヴィ・ギエムボレロに衝撃を受け、2015年から舞台に立ち始める。ロ字ック 森新太郎 宮沢章夫 演出作品などに出演。Twitter @unouno1130uno

──────────────────────

 

+++++++++++++++++++++
映画美学校アクターズ・コース 2017年度公演
「S高原から」
作・平田オリザ 演出・玉田真也(玉田企画)

【玉田真也(玉田企画 / 青年団演出部)】
平田オリザが主宰する劇団青年団の演出部に所属。玉田企画で脚本と演出。日常の中にある、「変な空気」を精緻でリアルな口語体で再現する。観る者の、痛々しい思い出として封印している感覚をほじくり出し、その「痛さ」を俯瞰して笑に変える作品が特徴。

出演:石山優太、加藤紗希、釜口恵太、神田朱未、小林未歩、髙羽快、高橋ルネ
          田中祐理子、田端奏衛、豊島晴香、那木慧、那須愛美、本荘澪、湯川紋子
        (映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座2017)
          川井檸檬、木下崇祥

舞台美術:谷佳那香、照明:井坂浩(青年団)、衣装:根岸麻子(sunui)
宣伝美術:牧寿次郎、演出助手:大石恵美、竹内里紗
総合プロデューサー:井川耕一郎
修了公演監修:山内健司、兵藤公美、制作:井坂浩

======================

公演日程:2018年2月28日(水)〜3月5日(月)

2/28(水)19:30~
3/1  (木)19:30~
3/2  (金)15:00~ / 19:30~
3/3  (土)14:00~ / 19:00~
3/4  (日)14:00~ / 19:00~(追加公演)
※追加公演のチケット発売開始は2/22(木)お昼12時から
3/5  (月)15:00~
※受付開始は開演の30分前、開場は開演の20分前
※記録撮影用カメラが入る回がございます。あらかじめご了承ください。 

チケット(日時指定・全席自由・整理番号付)
前売・予約・当日共
一般 2,500円 高校生以下 500円
資料請求割引 2,000円 

※高校生以下の方は、当日受付にて学生証をご提示ください。
※未就学児はご入場いただけません。
※資料請求割引:チケット購入時に映画美学校の資料を請求してくれた方に500円の割引を行います(申し込み時に資料の送付先となる連絡先の記入が必須となります)。

チケット発売開始日 2018年1月8日(月・祝)午前10時より

<チケット取り扱い>
CoRichチケット! https://ticket.corich.jp/apply/88312/

<資料請求割>
映画美学校の資料を請求いただきました方は当日2500円のところ、2000円で鑑賞いただけます!
下記よりお申込みください。お申込み後、映画美学校より随時学校案内などの資料をお送りいたします。

映画美学校アクターズ・コース資料請求割引申し込み専用フォーム 

会場
アトリエ春風舎
東京メトロ有楽町線副都心線西武有楽町線小竹向原」駅 下車
4番出口より徒歩4分
東京都板橋区向原2-22-17 すぺいすしょう向原B1
tel:03-3957-5099(公演期間のみ)
※会場には駐車場・駐輪場がございませんので、お越しの際は公共交通機関をご利用ください。

お問い合わせ
映画美学校
〒150-0044 東京都渋谷区円山町1-5 KINOHAUS B1F
電話番号:03-5459-1850 FAX番号:03-3464-5507
受付時間(月ー土) 12:00-20:00