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映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。映画・演劇を横断し活躍する「俳優養成講座 」 2016年9月2日(金)開講決定!

『Movie Sick ムービーシック』をご覧頂いた皆さまへ

こんにちは!ムビシク応援隊のSです!
昨日は無事、多くのお客様とともに千秋楽を迎えられました!!
ご来場頂いた皆さま、応援頂いた皆さま、このブログを覗いて頂いた皆様、誠にありがとうございました!!!

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通称アクターズ6期生がこれから「世間」の荒波を乗り越えていけるのは間違いなし!!
これからも映画美学校アクターズ・コースをよろしくお願いします!!!

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『Movie Sick ムービーシック』応援隊S

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【ムビシク3日目終了!】楽日に向かって

こんにちは!ムビシク応援隊のSです!
本番3日目、初の「1日2回公演」を終えましたよ〜
通称アクターズ6期生たちも疲れているのかな…
いや!テンションバリ3(死語か!?)で楽日の2回公演もあっという間に全力疾走で駆け抜けてしまうでしょうね!

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はい、このブログでも何度か紹介して来た映画美学校・地下ミニスタジオ、通称「地下スタ」「ミニスタ」です。
アクターズ・コース受講生たちはいわばここの「主」で、稽古を終え本番中の今現在、この場所は写真の通りがらんとしています。

もちろん映画美学校の他コース受講生たちが使用することもあるのですが、
「主」たちがいなくなると、やはり圧倒的にこの場所はこの通り、すっからかんになることも多いです。
毎年繰り返される「あ、ミニスタに人がいない…今年もアクターズが修了したんだなぁ…」という想い…
しかしそれは、決して悲しいものではありません。
アクターズ6期受講生であり、『Movie Sick ムービーシック』に出演する彼らは、俳優です。
しかも、今後どんどん活躍が期待される「これからの来るべき俳優」です。

映画美学校を羽ばたき、彼らはこれから「世間」の荒波に飲み込まれていくでしょう。
しかし、彼らはここで「泳ぎ方」を習得したと思います。
これからもドンドン貪欲に泳ぎ続け、そして自分だけのオリジナルな泳ぎ方を習得した時には、きっと皆さんの耳に彼らの活躍が聞こえているでしょうね。

泳ぎ疲れたら、たまには映画美学校に帰ってきてくれると思います。
そうしたら、また新しい期のアクターズ受講生たちが、
そしてアクターズ・コースの誉れ高き「現役の俳優」「現役の演出家」「現役の映画監督」である講師達があたたかく迎えるでしょう。

…はっ!何を感傷に浸っていたんだ!バカヤロー!
楽日はまだ終わっちゃいねぇ!これから始まるんだ!
ってことで最終日、皆さまをアトリエ春風舎でお待ちしております!!

 

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2017年3月2日[木] - 3月5日[日]
アクターズ・コース2016年度公演
『Movie Sick ムービーシック』

作・演出:佐々木透(リクウズルーム)
リクウズルーム代表。ク・ナウカシアターカンパニーで演出家・宮城聰のもと俳優として活動。退団後、執筆活動に取り組む。「日本の劇」戯曲賞2013最優秀賞受賞、第5回泉鏡花記念金沢戯曲大賞受賞。 文学への深い知識、鋭い感性と美意識を持ち、”戯曲構造”と”物語の可能性”を探る事をテーマに創作活動を行う。

出演:浅田麻衣、太田英介、大西美香、金岡秀樹、
   鈴木睦海、鈴木幸重、外崎桃子、仁田直人、
   塗塀一海、四柳智惟、米川幸リオン
  〔アクターズ・コース映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座〕
======================

公演日程
2017年3月
5日(日)14:00〜/18:00〜

各回の販売状況はこちら

http://eigabigakkou.com/news/info/7353/

※当日券は毎公演販売いたします。販売枚数は公演によって異なりますのであらかじめご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。 
※受付開始・当日券販売は開演の40分前、開場は開演の20分前 
※演出の都合上、開演後はご入場をお待ちいただく場合がございます。

会場:アトリエ春風舎
〒173−0036 東京都板橋区向原2−22−17 すぺいすしょう向原B1


チケット料金(日時指定・全席自由、予約・当日とも)
一般:2,300円
学生:1,800円※公演当日、受付にて要学生証提示

予約受付はこちらから!

 

→ 映画美学校アクターズ・コース2016年度公演『Movie Sick』 予約フォーム

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【『Movie Sick ムービーシック』公演レポート】アフタートーク Vol.2:井川耕一郎/佐々木透

こんにちは!ムビシク応援隊のSです!
2日目の本日も多くのお客様にご来場頂き本当にありがとうございました!

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初日に続き、この日もアフタートークがありました。

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脚本家・映画監督でアクターズ・コース主任講師の井川耕一郎さん。
通称アクターズ6期生を開講から見守って来た井川さん。
本当にあたたかい言葉を投げかけてくれるので、みんなに慕われるのは当然ですね!

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こちらは本公演の作・演出の佐々木さん。
稽古期間から本作の制作過程を見守ってくれた井川さんからの鋭い質問に、
淀みなく答えてくれましたね。

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そんなこんなでもう折り返しです!
ムビシクはあと2日!
何が何でもアトリエ春風舎へカモン!!

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2017年3月2日[木] - 3月5日[日]
アクターズ・コース2016年度公演
『Movie Sick ムービーシック』

作・演出:佐々木透(リクウズルーム)
リクウズルーム代表。ク・ナウカシアターカンパニーで演出家・宮城聰のもと俳優として活動。退団後、執筆活動に取り組む。「日本の劇」戯曲賞2013最優秀賞受賞、第5回泉鏡花記念金沢戯曲大賞受賞。 文学への深い知識、鋭い感性と美意識を持ち、”戯曲構造”と”物語の可能性”を探る事をテーマに創作活動を行う。

出演:浅田麻衣、太田英介、大西美香、金岡秀樹、
   鈴木睦海、鈴木幸重、外崎桃子、仁田直人、
   塗塀一海、四柳智惟、米川幸リオン
  〔アクターズ・コース映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座〕
======================

公演日程
2017年3月
4日(土)14:00〜/19:00〜
5日(日)14:00〜/18:00〜

各回の販売状況はこちら

http://eigabigakkou.com/news/info/7353/

※当日券は毎公演販売いたします。販売枚数は公演によって異なりますのであらかじめご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。 
※受付開始・当日券販売は開演の40分前、開場は開演の20分前 
※演出の都合上、開演後はご入場をお待ちいただく場合がございます。

会場:アトリエ春風舎
〒173−0036 東京都板橋区向原2−22−17 すぺいすしょう向原B1


チケット料金(日時指定・全席自由、予約・当日とも)
一般:2,300円
学生:1,800円※公演当日、受付にて要学生証提示

予約受付はこちらから!

 

→ 映画美学校アクターズ・コース2016年度公演『Movie Sick』 予約フォーム

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【『Movie Sick ムービーシック』公演レポート】アフタートーク Vol.1:田川啓介/佐々木透

こんにちは!ムビシク応援隊のSです!
いよいよ昨日から『Movie Sick ムービーシック』の公演がスタートしました!
超満員でのスタート、本当にありがとうございました!!

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昨日は公演後、「水素74%」主宰の田川啓介さん(写真右)と本公演の作・演出を務める佐々木透さん(写真左)のアフタートークも行われました。
今回は写真を中心に、トークの様子を振り返ります!

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「先生として本作を作ったんですか?」「映画美学校なのに演劇なんですよね?」
同じ演劇人としての田川さんからの素朴な疑問からトークは進んでいき…

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「編集」「モンタージュ」「今回は「映画」美学校がやる「演劇」を」
対談記事等で出て来たこのキーワードを中心に佐々木さんは答えていき、
場内は何故か爆笑に包まれていました。佐々木さんのこの笑顔が笑顔が初日の出来を物語っているのでしょうか。

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ほとんどのお客様がアフタートークに残って下さり、本当にありがとうございました!
しかし!まだまだ公演は続きますよ〜
本日も乞うご期待!

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2017年3月2日[木] - 3月5日[日]
アクターズ・コース2016年度公演
『Movie Sick ムービーシック』

作・演出:佐々木透(リクウズルーム)
リクウズルーム代表。ク・ナウカシアターカンパニーで演出家・宮城聰のもと俳優として活動。退団後、執筆活動に取り組む。「日本の劇」戯曲賞2013最優秀賞受賞、第5回泉鏡花記念金沢戯曲大賞受賞。 文学への深い知識、鋭い感性と美意識を持ち、”戯曲構造”と”物語の可能性”を探る事をテーマに創作活動を行う。

出演:浅田麻衣、太田英介、大西美香、金岡秀樹、
   鈴木睦海、鈴木幸重、外崎桃子、仁田直人、
   塗塀一海、四柳智惟、米川幸リオン
  〔アクターズ・コース映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座〕
======================

公演日程
2017年3月
3日(金)19:30〜★
4日(土)14:00〜/19:00〜
5日(日)14:00〜/18:00〜
★=終演後アフタートーク開催〔30分程度を予定〕

各回の販売状況はこちら

http://eigabigakkou.com/news/info/7353/

※当日券は毎公演販売いたします。販売枚数は公演によって異なりますのであらかじめご了承ください。
※未就学児童の入場はご遠慮ください。 
※受付開始・当日券販売は開演の40分前、開場は開演の20分前 
※演出の都合上、開演後はご入場をお待ちいただく場合がございます。

会場:アトリエ春風舎
〒173−0036 東京都板橋区向原2−22−17 すぺいすしょう向原B1


チケット料金(日時指定・全席自由、予約・当日とも)
一般:2,300円
学生:1,800円※公演当日、受付にて要学生証提示

予約受付はこちらから!
→ 映画美学校アクターズ・コース2016年度公演『Movie Sick』 予約フォーム

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『Movie Sick』稽古見学日記(第4回)/井川耕一郎さんより

こんにちは!ムビシク応援隊のSです!
今日は本番初日です!!ということで本番前の最終投稿!!!
今回は映画美学校アクターズ・コース「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座」主任講師である井川耕一郎による稽古見学日記(第4回)をお送りします!

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フィクション・コースの講師として長年映画美学校に携わって来た井川さん(写真中央)。
その井川さんが今期からアクターズ・コースの主任講師として、新鮮な目でアクターズのみんなを見守っていた記録——
それではどうぞ!


『Movie Sick』稽古見学日記(第4回)

2月10日。
修了公演の稽古は、2月15日(水)までは週4日、月曜・火曜・水曜・金曜に行うことになっている(2月17日(金)からは毎日)。
2月10日(金)は稽古6日目。この日も13時に開始。
佐々木透さんがアクターズ・コース生に言う。「明日、明後日は休みだけれど、今日は休みの間に何をすべきかを見つけて下さい。それから、Scene1でむー(鈴木睦海さん)が「騒いで」と言ったあと、(睦海さん、仁田直人くん以外の9人は)爆笑して下さい」
13:10から、Scene1~Scene12までを通しで。
どのSceneも四日前に見たものから変化していた。
大きく変わったのは米川幸リオンくんの長い独白があるScene5だ。イスに座って独白をじっと聞いているだけだった睦海さんの芝居が、リオンくんの言葉に触発され、体が動き出すというふうになっている。
Scene7の塗塀一海くんと金岡秀樹くんの漫才のようなやりとりの部分も、二人の背後で別の芝居が進行するというふうになっていた。
また、イスや16mmカメラをとりつけた三脚が登場しない不在の重要人物を連想させるような瞬間がいくつかあった。
それにしても、今日も四柳智惟くんの声が大きい。お笑い芸人をやっていたときもこんなふうに全力だったのだろうか。喉がつぶれないかと心配になる。
14:25に通し稽古終了。
佐々木さんがみんなを集めて言う。「今のを見て、どんなふうに映像や音を入れるか、6割くらい目途がつきました。みんな、よく集中していたと思います。まだ見せるレベルにはなってないけれど」
Scene1について。「むー(睦海さん)、気負いがある。直人はどうしていいかと頭の中がパ二クっているのが分かる。とにかく練習。反復あるのみ」
Scene2、Scene3。「あれくらいのテンションでやって下さい」。それから、Scene3の浅田麻衣さんの歩く速さについて具体的な指示。
Scene4。睦海さんは不在の重要人物の命令で被害者たちに事件の再現をするように求める役だ。「むーは(10人がいる)前を向いてばかりで、背中に意識がない。むーの背後には誰かいる」
Scene5。「リオン、よかった。気をぬかず、このままクリエーション」
Scene6。「直人、ここでもパ二クってる。何かやろうとして空回りしている。(相手役の大西美香さんとの)リズムがうまくいってない」
Scene7の鈴木幸重くんの専門知識をしゃべりまくる部分について。「カズ(幸重くん)の説明は見せ場。(説明の中に出てくる)馬力って言葉は重要かな。ここで笑いを起こしてほしい」
Scene7の塗塀くん・金岡くんのやりとりについて。「べし(塗塀くん)、だんだん力んできている。最後までリラックス。べしとヒデ(金岡くん)も反復して練習。ひたすら反復」
Scene8。「エイスケ(太田エイスケくん)はダ行が聞こえてくるようになった。それから、今の二倍、三倍の自信がないと、体が動いてしまうから気をつけて」「との(外崎桃子さん)はいいときとよくないときの落差がある。いいときは純粋に相手に反応しているとき。まずは相手をよく見て。場とか人に敏感になって」
Scene9。「直人、何だっけ?となっている。パ二クってる」
Scene10で、外に連れ出そうとする塗塀くん、金岡くんに外崎さんが抵抗するところ。「ふりはらう・ふりはらわれるをどうしたらいいか探って。との、ふりはらうはきちんと全力で」。太田くんの芝居については「ムービング・エイちゃんになっている」
Scene12までダメ出ししたあと、佐々木さんは言った。「まずは芝居だけで見せることを目指します。芝居に強度があって、はじめてその他の演出効果がいきる」
それから15時から1時間、自主練習となった。
その間に、芝居で使う映像に関する打ち合わせ。佐々木さんがどのような映像を必要としているのかをTAで演出助手のしらみず圭くんと聞く。

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16時から稽古再開。
途中で用事があって二、三度、地下スタジオを出たので、稽古を続けて見ていないのだけれど、17時までの間にScene7の終わりからScene8が何度もくりかえされたようだった。
Scene8後半の浅田さん、太田くんがいるところに外崎さんが入ってきて三人芝居になる部分。
佐々木さんは外崎さんに「(浅田さん・太田くんに向かって)しゃべることに対する抵抗感がない」と言った。というのも、外崎さんの役は二人と通常はあまり関係がないからだ。
外崎さんの「ちょっとお腹空いちゃって」を受けて浅田さんが「私も」と言うところでは、「浅田さんの「私も」に対する反応が必要。今のだと、何、この人?という違和感がない」と佐々木さん。
「との(外崎さん)、セリフを言うのが早い。勇気をもって間をとろう」
「との、だんだんよくなっているけれど、(太田くんと話すとき、)浅田さんを無視している」
また、太田くんに対して佐々木さんは「(外崎さんが浅田さんと話しだすあたりでは、)二人の空気にひっぱられないように。空気の読めない人になってほしい」
太田くんは迷いながら演じているようだった。
しかし、フィクション・コースとの合同実習「ミニコラボ」で、太田くんは切実なのにどこかユーモラスな味わい深い芝居をしているのだ(ちなみに監督したのは万田邦敏さん)。何とか迷いを吹っ切ってほしいのだが。
17時からはScene9。大西さん、仁田くん、幸重くん、リオンくんの四人の芝居がくりかえされた。
「直人、芝居を作っているのは分かるけど、他のひととの一体感がない。直人の「ごめん」というセリフで芝居が切れてしまう」と佐々木さん。
仁田くんは「もう一回、よろしくお願いします」と言って再度挑戦した。彼は決してへこたれない。関西ジャニーズJrのときの練習はもっと厳しいものだったのだろうか。
17:45、稽古終了。

2月18日。
この日は、照明の山岡茉友子さんたちスタッフの他に、佐々木さんがこれから一緒に仕事をする人たちなど、さまざまな人がいる中で通し稽古。
「今日は見学者がたくさんいます。せいぜい緊張して下さい。でも、楽しんでやりましょう」と佐々木さん。指をパチンと鳴らして芝居が始まる。
10日の打ち合わせのあと、ぼくは舞台で使う映像に関することを手伝っていて、稽古をほとんど見ていなかった。
なので、ああ、ここはさらに芝居が変わっていったんだなだとか、太田くんは自信がついてきたのかな、この調子でがんばってほしいだとか、あれこれ思いながら芝居を見ていた。
通し稽古のあと、アクターズ・コース生たちはいくつかのグループに分かれてSceneごとにどうすべきかを話し合っていた。
その話し合いを聞こうとそばに寄ってみると、金岡くんと塗塀くんに話しかけられた。「(Scene7の)ぼくたちの芝居、どうでしたか?」
「面白いと思ったよ。でも、客観的な判断はちょっとできないな」
「……?」
「何だかぼくも緊張してね。父兄みたいな気持ちで見ていたんだよ」
それから、外崎さんに声をかけた。
「Scene10の外崎さんの芝居、前見たやつから変わっていたね」
「最初にお祈りがあった方がいいかなって。それでどんなお祈りがいいかなって調べてみたんです。どうでしたか?」
「うん、いいと思うよ」
仁田くんにも声をかけた。
「Scene1で睦海さんが「騒いで」と言ったあと、前はみんなで騒ぐってなっていたけれど、今日のはちがっていたね」
「最初、みんなで騒ぐってなったとき、ああ、自分に力がないから、そうなったんやなって思ったんです」
「今日はちがったね。仁田くん一人で騒いでいた」
「でも、まだまだです。クリエーション、もっとクリエーションしないと」
仁田くんは、佐々木さんがよく使う「クリエーション」という言葉を二度口にした。
佐々木さんの言う「クリエーション」とは、演出家の創造力を触発するような芝居を役者自身が作り出すことと言ったらいいだろうか。
どうやら仁田くんは佐々木さんが求めているものをつかみかけているようだった。

このあと、稽古は映像を映写しながらになっていくとのこと。
18日の通し稽古の段階でかなり完成したものになっているけれども、芝居はまたさらに大きく変化していくのだろう。
アクターズ・コース生がどこまで「クリエーション」するのか、そして、その「クリエーション」を受けとめて、佐々木さんがどう演出していくのか。
本番が楽しみである。

(終わり)


井川耕一郎
1962年生まれ。93年からVシネマの脚本を書きはじめる。主な脚本作品に、鎮西尚一監督『女課長の生下着 あなたを絞りたい』(94)、常本琢招監督『黒い下着の女教師』(96)、大工原正樹監督『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』(96)、山岡隆資監督『痴漢白書10』(98)、渡辺護監督『片目だけの恋』(04)『喪服の未亡人 ほしいの…』(08)やテレビシリーズ「ダムド・ファイル」など。最新作は監督も務めた『色道四十八手 たからぶね』(14)。本年度より映画美学校アクターズ・コース主任講師。


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2017年3月2日[木] - 3月5日[日]
アクターズ・コース2016年度公演
『Movie Sick ムービーシック』

作・演出:佐々木透(リクウズルーム)
リクウズルーム代表。ク・ナウカシアターカンパニーで演出家・宮城聰のもと俳優として活動。退団後、執筆活動に取り組む。「日本の劇」戯曲賞2013最優秀賞受賞、第5回泉鏡花記念金沢戯曲大賞受賞。 文学への深い知識、鋭い感性と美意識を持ち、”戯曲構造”と”物語の可能性”を探る事をテーマに創作活動を行う。

出演:浅田麻衣、太田英介、大西美香、金岡秀樹、
   鈴木睦海、鈴木幸重、外崎桃子、仁田直人、
   塗塀一海、四柳智惟、米川幸リオン
  〔アクターズ・コース映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座〕
======================

公演日程
2017年3月
2日(木)19:30〜★
3日(金)19:30〜★
4日(土)14:00〜/19:00〜
5日(日)14:00〜/18:00〜
★=終演後アフタートーク開催〔30分程度を予定〕

※未就学児童の入場はご遠慮ください。 
※受付開始・当日券販売は開演の40分前、開場は開演の20分前 
※演出の都合上、開演後はご入場をお待ちいただく場合がございます。

会場:アトリエ春風舎
〒173−0036 東京都板橋区向原2−22−17 すぺいすしょう向原B1


チケット料金(日時指定・全席自由、予約・当日とも)
一般:2,300円
学生:1,800円※公演当日、受付にて要学生証提示

予約受付はこちらから!
→ 映画美学校アクターズ・コース2016年度公演『Movie Sick』 予約フォーム

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短編制作ゼミ予告編!

こんにちは!ムビシク応援隊のSです。
もうあと数時間で本番!こっちがあわわあわわしてきました!

しかーし!出演者の彼らはそんなことはないでしょう。
というわけで!本日は映画美学校アクターズ・コース「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座」受講生が、
「短編制作ゼミ」というカリキュラムの中で制作した短編映画3本の予告編を公開しちゃいます!
通称・アクターズ6期生が監督・出演した作品——彼らの声を、動きを、そして芝居を、修了公演前にプレビューして下さい!
この人たちは、伸びます!予告編を観て、そして修了公演で彼らの「生の芝居」を是非観に来て下さい!

 

『ゴカイモン』
出演:四柳智惟、米川幸リオン、浅田麻衣

www.youtube.com

 

『Happy Room』
出演:外崎桃子、仁田直人、鈴木睦海、鈴木幸重

www.youtube.com

 

『日々是好日』
出演:金岡秀樹、塗塀一海、太田エイスケ、大西美香

www.youtube.com

 

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2017年3月2日[木] - 3月5日[日]
アクターズ・コース2016年度公演
『Movie Sick ムービーシック』

作・演出:佐々木透(リクウズルーム)
リクウズルーム代表。ク・ナウカシアターカンパニーで演出家・宮城聰のもと俳優として活動。退団後、執筆活動に取り組む。「日本の劇」戯曲賞2013最優秀賞受賞、第5回泉鏡花記念金沢戯曲大賞受賞。 文学への深い知識、鋭い感性と美意識を持ち、”戯曲構造”と”物語の可能性”を探る事をテーマに創作活動を行う。

出演:浅田麻衣、太田英介、大西美香、金岡秀樹、
   鈴木睦海、鈴木幸重、外崎桃子、仁田直人、
   塗塀一海、四柳智惟、米川幸リオン
  〔アクターズ・コース映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座〕
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公演日程
2017年3月
2日(木)19:30〜★
3日(金)19:30〜★
4日(土)14:00〜/19:00〜
5日(日)14:00〜/18:00〜
★=終演後アフタートーク開催〔30分程度を予定〕

※未就学児童の入場はご遠慮ください。 
※受付開始・当日券販売は開演の40分前、開場は開演の20分前 
※演出の都合上、開演後はご入場をお待ちいただく場合がございます。

会場:アトリエ春風舎
〒173−0036 東京都板橋区向原2−22−17 すぺいすしょう向原B1


チケット料金(日時指定・全席自由、予約・当日とも)
一般:2,300円
学生:1,800円※公演当日、受付にて要学生証提示

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【本番直前スペシャル対談!】佐々木透 × 松井周【後編】

こんにちは!ムビシク応援隊のSです!
特別企画!今回の修了公演を担当する佐々木透さんと、劇団「サンプル」主宰・松井周さんのスペシャル対談の後編です!

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大大大好評だった前編に引き続くこの対話!ムビシク前の必読記事!
それではどうぞ!

 


「通し稽古を見学したのちに」 佐々木透 × 松井周

佐々木透
リクウズルーム代表。ク・ナウカシアターカンパニーで演出家・宮城聰のもと俳優として活動。退団後、執筆活動に取り組む。「日本の劇」戯曲賞2013最優秀賞受賞、第5回泉鏡花記念金沢戯曲大賞受賞。 文学への深い知識、鋭い感性と美意識を持ち、”戯曲構造”と”物語の可能性”を探る事をテーマに創作活動を行う。

松井周 1972年、東京都生まれ。1996年に平田オリザ率いる劇団「青年団」に俳優として入団。その後、作家・演出家としても活動を開始、2007年に劇団「サンプル」を旗揚げ、青年団から独立する。2011年『自慢の息子』で第55回岸田國士戯曲賞を受賞。2011年『聖地』(演出:蜷川幸雄)、2014年『十九歳のジェイコブ』(演出:松本雄吉)、2016年『ルーツ』(演出:杉原邦生)など脚本提供も多数行う。

 

:::::以下対談本文(後編):::::


佐々木透(以下佐) 今回の修了公演は「映画」というものを念頭において臨んでいるのですけど、松井さんは「映画」と「演劇」ってどういうふうにお考えになられてます?

松井周(以下松) 「演技」に関しては、僕はあんまり変わらないと思っているんですよね。俳優がやることとしては、根本的にはある状況の中で「自分だったらどうするか」ということの「素材」として投げ込まれて「その状況だったら、私はこうするだろうな、多分」ということで「動かされてしまう」という感じが出れば良くて。僕はその状況の中に俳優としてポンと投げ込まれて「あ、こういうセリフが出るんだ」ということだったら「このセリフはこういう欲求に基づくんだろうな」って動いていくから「映画」と「演劇」であんまり違いはないんですけど、ただ深田くんとの対談でも言っていたと思うんですけど、「編集」っていう感覚が演劇の方は少ないという感じはある。
僕はよくドライブに例えるんですけど、演劇はやっぱり時間がリアルタイムで流れているから、その中での身体の持っていき方として「1時間半の間、自分の身体をちゃんとコントロールして、しかもコントロールされていない状態も自分の中で遊びながら、というドライブを最後までやる」みたいな感じがあって。そこに関しては「ライブ」の感じというのかな、ピンボールの球みたいにどんどん弾かれてほしい、みたいな。本当は自動的に弾かれる状態になっていれば観ていてスリリング。「次どこに行くか分からない」っていう。台本はあるからその気持ち悪さはあるんですけど、俳優はそういう遊びが出来ると思っていて。

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だから「映画」だとやっぱりそれが…どうやってあの演技を繋げていくのかとか、全然分からない部分があります。

佐 例えば青年団の演技の質というのは、割と映像でも全然問題なくそのままスルッといけるというか。ただ僕が学んで来たものは、ステレオタイプというのかは分からないけど、客席に向かってしっかり身体を見せて、強い身体性で強いセリフを言うということを基軸にやって来た。
そういう人間からすると、「映画」と「演劇」では表出されているものは全く違っていて。「何にフォーカスするか」ということに関しては「違っていても同じだ」ということは分かるんですけれども、やっぱりいかんせん見た目が全然違うから。それって単純にビジュアルが違うから、視覚情報として考えた時に「本質は同じです」と言ったとて、普通の人にはそれは分からないじゃないですか。そういう時に僕みたいなタイプは「何を考えて、どういうふうに伝えればいいのかな」みたいなことを凄く考えるのですけど、そういうことについて松井さんはどう考えているのかというのが聞きたいですね。

松 例えば「ある部分はストップして彫刻になってほしい」とか「ここは本当に自分の身体が3倍くらいの大きさになっているかのように喋ってくれ」とか、そういう状態を演劇で要求することは僕にもやっぱりあります。でもその時に、俳優が何を根拠にその状態になるのかというと、演出家としては「そこはただ見た目的に彫刻になってほしいだけだから」って多分言うと思う(笑)。

佐 (笑)

松 俳優は「彫刻にならなきゃ」と思ってやるけど「なんで彫刻になっているのか分からない…」という時に、その感覚を、マンガでも絵でも本当の彫刻でもいいんだけど「これがもし人が凍らされて彫刻になってしまって、誰かにコレクションされている状態」とか、「自分が彫刻になりたい」という「欲求」を探って欲しい。本当はないかもしれないんだけど、もしかしたら「誰かの彫刻になってポーズを取っていたい」という「欲求」すら人間は持っていると思っていて。それは日常生活ではないのかもしれないけど、ある種の変身願望・変態願望っていうのを俳優が持っていないわけはないと思っているんですよ。

佐 さすが「サンプル」ですね(笑)。

松 いやいや、でもね、絶対あるから(笑)。そういうのも引き出して出来ると思うんですね。

佐 今「欲求」という言葉が何回か出ましたけど、僕も結構今の現場で「欲求」って言うんですよ。「今どういう「欲求」で動いているのか」というのが見えないと、動いたのは動いたのでいいけど、僕らはそれが「成立しているかしていないか」を価値判断するわけだから「動くに至った生理でも何でもいいから、その「欲求」がきちんと自分の中で把握されていないとダメだからね」という話はするんです。「今はそのようには見えない。僕がディレクションするのはここまでで、自分の中で「欲求」というのは見つけて」と。

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松 そうそう。

佐 そこで止めている、というか。もし僕個人の感覚を言ってしまうと、感覚というのは人それぞれ違うから変なふうになってしまう危険性があるので、その辺りで留めておかないと自由度が上がらないというか。振り付けてもいいし「振り付けてから自分で考えろ」というやり方もあるんですけど、やっぱり考えてほしい。「欲求」という言葉の意味も含めて考えてほしいので。
あと同じくらい「関係」のことは言います。「関係」とだけ言いますね。

松 なるほどね。「関係」というのはどういう意味で?

佐 例えば、今の僕にとっての松井さんとの「関係」というのは、外の人からは見えなくても何かしらの「関係性」がある。そういうことの切実さが乗れば、と。僕は昔から松井さんが大好きですと。

松 (笑)

佐 「もう俳優の頃から凄く好きで」という僕の中の松井さんへの歴史みたいなものがあって、それで今こうやってお話させて頂いているという「関係」が僕の中でしっかり構築されているのを第三者・他者が見て「あ、この人は松井さんが好きなんだな」と。そうすれば「関係」は外側からでも感じることが出来る。その「関係」をちゃんと成立させてくださいね、と。それはどういう理由でも良くて。例えば嫌いなんだったら嫌いでもいい。設定は俳優で作っていいから、ただちゃんと「関係」作ってほしい、みたいなことで。でも「「関係」って何だ」ということは説明せず、「関係」という言葉だけ言います。

松 なるほどね(笑)。でもそれ、割と受講生たちにとっては禅問答じゃないけど、「関係」という言葉がもし「 」(カッコ)に入って浮いちゃっていたら、訳が分かってないかも。例えば「昔プレゼントを1回あげた」とか「昔一緒にどこかに旅行に行った」とかがあればね。そこは確かに、具体的に演出家が言ったらそれで決められた「関係」になっちゃうのかもしれないけど。

佐 それもいいんですけど、僕の作り方は…僕のイメージしたものがそもそも面白いと思っていないので(笑)。

松 え! そうなんですか?

佐 それは悪い意味じゃなくて、僕個人の思っている外側のものがこの現場で見たいことだから、どういうものを持ち込んで来るのかというアメージングが現場では欲しいんですよ。「そういうことなの!?」っていう。

松 「もっと見せてよ!」ってね。俺ももっと見せてほしかった(笑)。

佐 だから「え!? これ読んでなんでそうなったの!?」みたいなことがもっともっと起こるといい。もちろん僕は自分で書いたイメージを持っていますけど、それを追いかける、みたいなことはしないんです。
でもそれを大事にしている作家さんもいらっしゃるじゃないですか。完全に作家の中のイメージを立ち上げたいという作家さんもいるので、その作家性に関しての善し悪しというのはどっちでもいいと思っているんですけど、僕はそこはあんまり気にせず「書かれてあることに縛られないようにしてね」とか、難しい話を結構しちゃっていて。「行間! 行間!」とか。結構ト書きとかちゃんと守るんですけど「こんなの無視して!」とか言っている(笑)。だって書かれていることがちゃんと実践されてはいないし…

二人 (笑)

佐 「◯さんにはちゃんと守れって言われているしなぁ…」とか、もしかしたら心の中で考えているかもしれないんですけど。

松 ああ、今までの講師が言って来たことと違う、とか。でもここの受講生・修了生たちは「言っていることが違うことを面白がれよ」っていう教わり方だから、全然問題なくそういうのに対応出来るんですけど。

佐 あ、本当ですか。

佐 そう思っているんですけどね。だからやっぱり単純に、今は泳ぎ方を知らなくて、その泳ぎ方がやっと見えて来た中で「息継ぎも出来る、まだ先に行けるんだ」というその状態で満足しそうだな、と僕は今日通しを観て思ったんですよ。まだ泳ぎ方がやっと分かって来た段階で、それを「演出家が言っていることの全てだ」っていうふうに思いそうだなという感じと「でもまだ先に行かなきゃいけないのかな」という疑問が混ざっているような感じというのかな。

佐 …合田くんはどう思っているんですか? 今日はたまたま努力クラブという京都の劇団の合田くんが遊びに来てくれているんです。すいません、話振っちゃいましたけど、せっかくだから聞いてみたいなと思って。

合田団地(以下合) …完全にボーッとしてました。何でしたっけ?

全員 (笑)

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佐 稽古とかで何を大事にされているんですか?

合 僕は「どんだけ暴力的に見えるか」みたいなことを。「どんだけ殺伐とするか」とか。

松 ほぉ(笑)。

合 「どんだけマイナスの方向にベクトルを引っ張れるか」みたいなことをやりたくて。今日の通し稽古を観て、もし自分だったら多分「黙っているシーンをどんだけ深い沈黙に引っ張っていけるか」みたいなことばっかりやっていますね。

佐 へぇー。でも松井さんも割とそうじゃないですか。マイナスと言ったら変ですけども、状況を結構徹底的にラジカルにお考えになって。

松 そうですね。僕の場合は「空気」みたいなものを作るまで沈黙があったりとか、その「空気」をはみ出ようとしたりとかは確かにあるかもしれない。だからシチュエーションで人がどういうふうに動くか、という感じの、ネガティブな状況とかも似ているのかもしれないですけどね。
話を戻すと、俳優がいま佐々木さんの世界にどれくらい迷い込んで、そこから何かを掴もうとしているのか、そこがそれこそ「ドキュメンタリー」として今日は見えたなという感じがしていて。いくつかのメタレベルなこと、「この人は普通の世界の人のようで普通の世界じゃないものが見えているのかな」とか、そういう感じを行ったり来たり、自分の中のスイッチみたいなものに気付いて自分でビックリするみたいな、そういうスイッチみたいなものが俳優の中に起こりそう、でもまだ発火していないというか、その回路が出来そうで出来ていないみたいな感じ。で、それが出来たら色々なところでそのスイッチが起こる、そのスイッチというのが人によってちょっとずつズレて起こっていたりする、みたいに見えたら、この世界がもっと面白くなるだろうな、と。

そうだ、本番は映像が入るんですよね? その映像っていうのはスイッチのきっかけになるものなのか、それともまた全然違ったものなのか。

佐 この間実験したら、スイッチのきっかけになりえそうだなぁみたいなものはありましたね。ただ、いわゆる映像を舞台で流して、その中でライブパフォーマンスをするみたいなことは今の演劇でままあるじゃないですか。ただそれって、映像ではあるけど「映画」ではないなぁっていう。
この間脚本コースの主任講師の高橋洋先生と講義の中でお話していた時に、「演劇」と「映画」の違いみたいなところから、やっぱり「演技」の言及になった。面白かったのが「舞台の中で演技をしているとして、そこにカメラが意図を持って配置してある。そこで芝居を始めて、それぞれのカメラのムービング等も設定して撮り始めると、舞台作品のはずなのにカメラの視点が入ると「映画」になる」と高橋先生は仰るんです。
でも変じゃないですか。舞台でやっているのにカメラという視点が入ったら、意識的なのか無意識的なのか、いつも通りやっているようでもカメラを意識して俳優の演技が始まり、その瞬間に「映画」になる。それが凄く面白くて。

松 「シュレディンガーの猫」じゃないけど、観察される視点があるとね。

佐 そうやって映画は演劇に影響を受けた作品があるんだけど、演劇が映画に影響を受けたというのは、作品のテーマとかではそういうことはあっても、構造的にはそういうふうなことは起こりえないんじゃないかみたいな話になって。

松 ああ〜確かにそうかもしれない。

佐 それは「演劇が先に生まれて、その後に映画が生まれた」という歴史からそういうことになっているのか。「演技する」ということの本質は変わらないはずなのになんでなのか。ムリだという答えが決まっていたとしても、そういうことを考えて手を伸ばして考えてみるという機会があってもいいんじゃないかなと。

松 なるほどね〜面白いですね。

佐 せっかく「映画美学校で「演劇」をやる」ということなんだったら「映画美学校ならでは」みたいなことを。

松 確かに「視点がある」ということは凄く映画的ですよね。それに合わせてどうしても何かを意識してしまうというか。

佐 今回の修了公演はフィクション・コースも巻き込んでいて、映画の観点・価値観から色々と聞くと「ああ確かに」と思うことがいっぱいある。舞台だと、観客のいる客席からの見え方って同じじゃないですか。だけど「何を観るか」という自由度はある、と。映像・映画になるとそれが限定されるわけじゃないですか。例えばこうやって松井さんと話している時に、松井さんの手だけを写すとか。演劇だと、いわゆる1:1の大きさで倍率は変わらないけれど、映像になるとアップになったり引いたりとかそういうことが起こる。だから性質がもう根本から違うなと思って。
で、今回僕は「時間」ということを1つモチーフに考えたんですけど、一瞬でもいいから僕らが普段映画を観ているようなもの、「今映画? 映画!?」みたいな感じのところに手が掛かるようなことが起きればなぁと。

松 「時間が重なる」みたいなことなんですかね?

佐 「編集」というのがポイントで。演劇にも、広義の意味で「編集」というのは、「演出」と言っていいのか分からないけれど、そういう意味では存在するけど、いわゆる「切って貼って」みたいなことは演劇では起こらないじゃないですか。結局連続している時間で作品を作っていくので、例えば「この日晴れているからシーン8を撮りに行こう」みたいなことは演劇では起きないわけじゃないですか。絶対に「シーン1から8まで順送りで行く」という手順を踏まないと、演劇は出来ない。これは深田さんとも話したんですけども、そういうことは映画では平気で起こるから、今回の修了公演でも何かを起してしまえば「「演劇」だけど「映画」だ!」みたいなことが起こらないかなぁと一瞬考えたんです。

松 映像になった時に僕らが感じる時間で言うと、ここじゃないどこかで撮られているだろう映像を観ている時に「いまここで起きていることから意識が離れていく」みたいなことがあって、そのことが面白いというか。自分の時間というか「こういう景色どこかで見たことあるな。どこだっけ。旅に行った時の伊豆大島かな」とか、映画を観ているとそういうふうに感じることがたまにあるんですけどね。

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でも、僕はそれが実は演劇にも起こると思っていて。演劇でも、その光の感じとかが「映画的」というか、違う時間を感じさせるみたいなことがあって。でも映像の方がそういうところに入りやすい感じはあるんですけど。

佐 この間の深田さんとの対談で1つのある結論に達したんです。演劇でもそういうことが起こるというのを僕も知っていて、それは何かと突き詰めたら、青年団のお芝居なんですよ。

松 ああ。

佐 それはもう僕の中で揺るぎない事実としてあって。別に青年団平田オリザさんを立てているわけでも何でもなくて(笑)。特にそう感じるのは、深田さんとの対談でもお話しした通り、舞台上から人が全員ハケて、舞台だけを観ている瞬間というのがやっぱり超異常で。

松 誰もいない状態ですね。

佐 僕は「演劇」って人がいないと成立しないと思っていたんですよ。ていうか、多分しないんですよね。「舞台美術だけをみる演劇」、そこまで考えてみたんですけど「それって美術館なの? 何なの? 現代アート?」みたいな。だけど、青年団のそれは時間がキープされているから演劇として成り立っているのだけど、演劇の時間としては本当に異常な時間で。映画でもそういうような似た感覚があるなと思って「あの無人の舞台の風景を、僕は映画の時間としても情報処理出来る」と深田さんとわーわー盛り上がって語り合ったんですけど(笑)。だからそれ以外に何かないかなと。

松 確かに分かります。だってあれ、おかしいですよね。観客というものがいないとして想定すると「誰も観ていない風景」を見ていることになるんですよね。

佐 そうなんですよ、超異常なんですよ(笑)。

松 そういう話になるとドンドン面白くなっていくんですけど(笑)、「誰も観ていない時に演技している人っていうのは一体何なんだろう」と思ったことがあって。

一同 (爆笑)

松 僕は廃校になった学校の建物全体を使って演劇をやったことがあるんですよ。で、朝から放課後まで色々な教室で授業をやったり運動場で何かずっと芝居をしているんですけど、観に来たお客さんは当然1回で全部は観られないんです。だから、誰もお客さんがいなくても俳優は一生懸命演技をしていた。でもそれはちょっと無駄だから(笑)。

一同 (爆笑)

松 「炎天下でそんなことするのは疲れるし、無駄だからやめよう」となったんだけど、俳優はみんな凄く面白がっちゃって。でもそれは演技じゃなくて本当のことじゃないですか。

一同 (爆笑)

松 だから、映画より演劇の方が逆がない(「演劇」の中に「映画」がない)というのは、演劇というのは日常も演技だからなのかなと。

佐 ああ〜そうかぁ〜。

松 やっぱり演技なんですよ。元々家族関係とかも僕は演技だと思っているので。親子なんて稽古してやっと親子になるみたいな感じがあるから。

佐 (笑)

松 お互いに何か振る舞い方を提出して、稽古して、と。
だから今回の『Movie Sick ムービーシック』みたいなのが凄く面白くて。演技なのか演技じゃないのか、それは再現なのか今起きていることなのかみたいなこと、それが、やっている人が分からない状態で、誰かに指摘されて「あれ?」って戻るとか、そういう感じが僕は凄くリアルに思うんですよ。

佐 普通にベッタベタにいわゆる虚構のお話を作る、額縁的な舞台も全然嫌いじゃないんですよ。一方で、侵食するとか、どっちか分からないっていうことって、今まさに仰っていた通り、僕らの日常も「本当にこれが今起きていることなのか?」みたいなことって、創作のテーマの根本には常に流れていて。

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最近はきちんとお話を組み立てるということを極力やるようにしているんですけど、今回のミッションは、出演者を含めて「映画美学校のアクターズ・コース6期」という状況が主役・メインだとしたら、やっぱりこの人たちが今何に取り組んでいるのかみたいなことに乗っかる方がいいんじゃないかなぁと思ったんです。僕の個人的な思い入れで作ったものにはめ込むんじゃなくて「今あなたたちは何なの?」っていうことに乗っかる方が、と。

松 それは面白いですよね。だから僕もそういうふうにもっといけるなと思った。それこそ僕は普段演技している、自分が俳優をやっているというのもありますけど「普段も演技しているのに何故さらに舞台上で演技するの?」「その欲求は何ですか?」というところを俳優はちゃんと考えていけるのかな、と。それは答えがあるかどうかは分からないけど、そのことについてちゃんと考えているかどうかということは、演技を勉強する受講生にも疑問に思ってほしいというか。
それぞれね、職場やバイト先でも演技して、美容院とかでも多分演劇やっているなんて多分言わないとか(笑)、色々演技しながら過ごしているだろうにと。だから隠れキリシタンのように…いや、それは分からない(笑)。もっと自信を持ってやっている人もいるかもしれないけど(笑)。

佐 (笑)。隠れキリシタンも演技みたいなもんですからね。隠れているんだから。

松 そうそう。「俳優です」ということを言うというのは、割とみんなハードル高いと思うんですよ。「それで食えてないし」「バイトしながらだし」とか。でも「俳優だ」と言って、それを職業にするなりなんなりにすると考えた時に「じゃあ自分のそう言い退ける根拠みたいなものは何なの?」というか。別に僕はバイト続けながら俳優を続けるのだって「俳優」と言っていいと思うし、もちろん職業としてやるのもいいと思うんですけど、とにかくその「欲求」のことを肯定するなり自分の武器にするのだったら、その「根拠」を考えた方がいいと思う。

佐 ほぉ。「根拠」。

松 そう。だからそのことを疑うとか迷うとかでもいいんですけど。何かそういうことについての話なのかな、という感じもしたんですよね。

佐 確かに「根拠」ということが別の言葉でテキスト上・台本上では書き起されている。「自分」という言葉で置き換えているなと今思った。僕が、書いた身として「「自分」って何だろう」と思っていたのが「ああ、「根拠」ってことか」と腑に落ちました。

松 そう。「自分」ですよね。「それでどうすんの?」というところ。

佐 やっぱり「自分が本当は何をしたいのか」みたいなことですよね。

松 そこなんですよね。

佐 それが早い段階でお客さんに分かればいいなとも思うし、別に分からなくても楽しめるものであればいいなとも思うしね。

【了】(構成:スズキシンスケ)

 


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2017年3月2日[木] - 3月5日[日]
アクターズ・コース2016年度公演
『Movie Sick ムービーシック』

作・演出:佐々木透(リクウズルーム)
リクウズルーム代表。ク・ナウカシアターカンパニーで演出家・宮城聰のもと俳優として活動。退団後、執筆活動に取り組む。「日本の劇」戯曲賞2013最優秀賞受賞、第5回泉鏡花記念金沢戯曲大賞受賞。 文学への深い知識、鋭い感性と美意識を持ち、”戯曲構造”と”物語の可能性”を探る事をテーマに創作活動を行う。

出演:浅田麻衣、太田英介、大西美香、金岡秀樹、
   鈴木睦海、鈴木幸重、外崎桃子、仁田直人、
   塗塀一海、四柳智惟、米川幸リオン
  〔アクターズ・コース映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座〕
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公演日程
2017年3月
2日(木)19:30〜★
3日(金)19:30〜★
4日(土)14:00〜/19:00〜
5日(日)14:00〜/18:00〜
★=終演後アフタートーク開催〔30分程度を予定〕

※未就学児童の入場はご遠慮ください。 
※受付開始・当日券販売は開演の40分前、開場は開演の20分前 
※演出の都合上、開演後はご入場をお待ちいただく場合がございます。

会場:アトリエ春風舎
〒173−0036 東京都板橋区向原2−22−17 すぺいすしょう向原B1


チケット料金(日時指定・全席自由、予約・当日とも)
一般:2,300円
学生:1,800円※公演当日、受付にて要学生証提示

予約受付はこちらから!
→ 映画美学校アクターズ・コース2016年度公演『Movie Sick』 予約フォーム

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