映画美学校アクターズ・コース ブログ

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映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。アクターズ・コース俳優養成講座2023、9/1(金)開講決定!

石のような水 ーインタビュー特集 Vol.4—

 映画美学校のアクターズ・コース。その2014年度の受講者による修了公演「石のような水」が2015年04月10日から12日の計5回、アトリエ春風舎で上演されます。その修了公演に出演される11人がどのような人物なのでしょう。

1.映画美学校のアクターズ・コースに来たのは何故か?
2.修了公演「石のような水」をどのように観て欲しいのか?
3.修了公演を終えた後、どのように活躍していきたいのか?

これらの質問を投げかけて、いろいろ聞いてみました。

 最後はゾーンに旅立つ伊地知剛とその友人の朝永讓治、朝永の妹で御厨と付き合うことになる朝永香織を演じる3人です。

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伊地知剛:長田修一

 

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朝永讓治:津和孝行

 

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朝永香織:金子紗里

1.映画美学校のアクターズ・コースに来たのは何故か?

金子:これまでいろんな舞台をやってきたんですけど、映画に一本出演したことがきっかけで、映像で演じるっていうことが、舞台の稽古でのプロセスとだいぶ違うなあっていうのに驚いて。そういう映画の演技を学べるような学校はないかなあと思っていて。ここに映画を観に来た時に偶然見つけたのがきっかけです。覗いてみたら、面白そうな雰囲気だったんで、気になってたんですよね。で、パンフレットを見せてもらって、入ることに決めました。私が期待していたのは、映像で演じるとは何かを知ることでした。実際入ってみたら結構演劇、舞台でした。(笑)

長田:僕は大学時代に演劇サークルに入っていたんですが、そこではコントしかやっていなかったんですね。その演劇サークルで知り合った先輩が面白いって言っていた、ハイバイの『投げられやすい石』という2011年の公演を観て、今までの僕が思っていた演劇とはまったく違うことをやっているなって思いました。台本はあるんだけど、アドリブでやっているような所にすごく興味を持って。この演技って何なんだろうと思って、そこからハイバイ、五反田団、サンプルと観てきて、「あ、こういう演劇の系統って存在するんだ」と思いました。映画美学校はそのサークルの先輩が一期生だったっていうことと面白いなと思っている青年団系の方が講師として教えてくれるっていうのを知って選びました。実際に授業を受けてみて、「あ、そういう考え方でこういう演技をして、ああいう風になるんだ」というのが分かってすごく面白かったです。

津和:もともと知り合いが出ている舞台を観に行く機会が何回かありました。それを観て、自分も舞台上に立ってみたい、舞台に立ったら何か違うのではないかと思っていて。
まあ年も年なんで挑戦できるのもこれが最後かなあと思って、っていう感じですかね。ここの映画館には映画を観にしょっちゅう来ているので、映画美学校の存在を知っていました。

2.修了公演「石のような水」でどの点を観て欲しいのか?

長田:僕が最近すごく好きなシーンは、中盤に出てくる鞍馬絵と今日子と秋子が秋子のマンションに集まっているシーンですね。そのシーンで秋子がすごく押さえていたものがちょっとはみ出るというか。その瞬間がすごい、秋子の何かが見える瞬間というか、そこでちょっと泣きそうになっちゃうというか。

津和:観た人が、それぞれ自分がその状況下に置かれたときに反応するかっていうのと、目の前で起きている役者の反応を照らし合わせて楽しんでくれたら良いなと。僕は松井さんに君が演じる役は「普通の人」だからと言われるのですが、普通を演じるのは難しいですね。

金子:今回の『石のような水』は「お茶飲み芝居」みたいな感じが出ても良いんじゃないかなと思って。もうそこに居て、本当にお茶を飲んで、ため息ついたり、なんか怒ったり泣いたりしている人たちが、そこに本当にいるっていう感じが伝わると、もうそれで良いんじゃないかなと思います。ゾーンっていうのはその後ろにあるんでしょうけど。そこに人が居る、っていう。

3.修了公演を終えた後、どのように活躍していきたいのか?

金子:んー、ちょっとわからないですね。芝居は続けて行きたいですけど。
注:金子紗里さんは、維新派やパルコプロデュースの舞台に幾度と出演されている俳優です。

長田:ハイバイ、サンプル、五反田団など今まで観てきてすごかったなっていうところとか、マームとジプシーとか最終的にそこに行きたいなと思っていて。でも松井さんが言うには、リアリズムだけ出来てもダメで。そこからの幅を拡げるということを言っています。それもやっぱり出来るようになりたいなというか。日常会話だけじゃないところで魅せれるみたいな。そんな俳優を目指したいかなというところはありますね。

津和:僕も役者を続ける覚悟はありますが、日々を一生懸命生きることしか考えてないです。

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 11人にインタビューをしたところ、映画美学校に通い出した目的と修了後の目標が違うなんてびっくりさせられました。そのような彼らが集まって1つの作品を作り上げる。それもまたドラマの1つなのかもしれません。実際に舞台上で演じる彼らはどうなるのか、それがとても楽しみです。