映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。アクターズ・コース俳優養成講座2023、9/1(金)開講決定!

修了生トーク(2)吉田庸さん(1期初等科修了生)

これまでもブログやHP、「ときどきアクターズ」なんてレアな広報誌で目にしたり作品への出演やクリエイションの現場ですれ違ったり、という方もいらっしゃるかと思います。みんながいたこの場所でも、インタビュー、対談、コメント、いろんな形でなるべくたくさんの一人一人少しずつ紹介していきます、という企画です。

 今回は1期・吉田庸さん。1期からはよっしーって呼ばれてます。つい先日、わっしょいハウス木星の運行』への出演を終えたよっしーに、最近のことを聞いてみました。

f:id:eigabigakkou:20150711184926j:plain

 

 

最近出演されたわっしょいハウス、評判よかったみたいですね!
感触はいかがでしたか? 個人的な気づきや、作品として面白いと思ったところなどをお聞かせください。

 秋葉原の3331 Arts Chiyodaというところでやったのですが、狭い空間で客席は組まずに、舞台の周辺をぐるりとお客さんが囲むというオールスタンディングの形で上演をしました。(実際大体の方が座ってましたが)観客との距離がとても近く、オールスタンディングという変わった上演だったので、普段以上にお客さんの反応と共に作品が出来ていく感じがあって、怖くもありましたがとても面白かったです。
 あとちょっとリアルを逸脱したような、デフォルメを強くしたような芝居をやったり、今までのわっしょいハウスではなかったような、美術を組んだり、照明や音響をがっつり使ったりした部分もあって、それもあってか割と好評でした。やっぱりビジュアルとか派手さみたいなものって大事なんだと思いました。

 

舞台、映像どちらも出演が続いている印象ですが、今はどんなペースで活動していますか? 最近気になってる人・団体、アプローチしたい場所はどういったところでしょう。

 今はこまばアゴラ演劇学校無隣館というところに在籍しながら、客演で舞台に出たり、たまに呼ばれれば自主映画に出たりしています。
 こないだユーロスペースで『息を殺して』という映画を見まして、とても静かな映画だったのですが、出ている俳優の静かな、なんでもないような芝居がとても良かったんです。同時期にマームとジプシーの『cocoon』を見たのですが、俳優に物凄く強い負荷をかけながら、強い空間を立ち上げるという『息を殺して』と比べると全く質の違う、かなりあからさまなことをやっていたのですが、この俳優の状態もまたよくて惹かれました。それぞれ両極端なのですが、自分はそのどちらにも興味はあるし、そういった芝居が出来る場所にアプローチしていきたいなというのはあります。

 

映画美学校を経て3年。少し時間が経って、今自分に生きてるなーと感じるところはありますか? 

 僕が通っていたのは1期初等科の一年だけですが、一年を通してたくさんの種を蒔いてもらった感じです。すぐに役立つこともあれば、最近になってようやく活かし方がわかったというようなこともあります。また、言われたことを今でも思い返したりもします。
 例えば講師の山内さんに「音を聞け」と言われたのはとても印象的なことばとして残っています。芝居中に相手役のセリフや周りの環境をキャッチしろという意味合いで言われたのですが、今でも事あるごとにこのことばを思い出しています。音を聞くという意識の仕方をすることで冷静になれたり、気付けなかったことに気付けたりすることがあります。美学校にいたことが確かに自分に生きているんだなあと感じます。

 

もし今の悩みがあれば。また、俳優としてご自分の特徴はどう感じてる? 

  悩みはもう前からなのですが、自分をとても平凡だなと感じるところです。人として。もっと道を踏み外せればいいのになと思っています。

 売りがあるとすれば、平凡でも何とかやりようがあるとわかってきたことだと思います。芸名を庸という名前にしたのも、凡庸とか、中庸とかそういう自分を開き直ってやっていこうという気持ちからでした。だから名前がそのままキャッチコピーというか自分を表すものになっているんじゃないかと思います。

 

では最後に今後の野望を一言で!

 ドカンといきたいです。

  

よっしー、ありがとうございました!!
学校の実習や公演や、小さい撮影でよっしーと組んだシーンをよく思い出す。岩井さんの講義でやったお誕生日エチュードではやべっち演出で快作できたり、1期修了公演の「カガクするココロ」でロッカー前で隣に座ってたときに交わした小さい会話に和んだり。私が演じた西田さんは、あの心配りに励まされていたに違いない。フィクション生の撮影でおんぶしてもらったり。よっしーとは1年しか学校一緒に行ってないけど、実は結構組むこと多かったんだな。よっしーは自分を平凡、凡庸と言うけれど、いつも周りのことをとてもよく見ている人です。熱を腹に湛えて、周りを、自分を鼓舞する芯のあるナイスガイです。

アクターズ・コースは2015年4月に4年目を終え、修了生も50人を超えました。

7/4(土)の募集ガイダンスで講師の山内健司さんが言っていた。アクターズ・コースが終わったあと、修了生たちは劇団ならぬ映画団のような、組合のような関係になっている。つくったり、話したり、遊んだり。先輩後輩なんてほとんどなく、お互いにお互いをどこかで見合っている。監督志望や演出やりたい人、スタッフワークが得意な人もいるけれどみんなひとりひとり俳優。でこぼこ、魅力的な人々を引き続き紹介していきます。


(広報アシスタント・中川ゆかり)