映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コース ブログ

映画美学校アクターズ・コースの公式ブログです。アクターズ・コース俳優養成講座2023、9/1(金)開講決定!

【応援コメント!】映画監督・大工原正樹さんより!

【応援コメント!】映画監督の大工原正樹さんより!

こんにちは!ムビシク応援隊のSです!
今回は映画監督で映画美学校フィクション・コース講師の大工原正樹さんより応援コメントを頂きましたので掲載致します!

f:id:eigabigakkou:20170225080806j:plain

 

映画美学校アクターズ・コース「映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座」受講生が出演、映画美学校フィクション・コース受講生がスタッフ、そして現役の映画監督である講師4名がそれぞれ監督し、短編映画を創り上げた「ミニコラボ」。

今回は大工原さんの作品に出演した3名について「それぞれの印象と今後に期待すること」を寄稿頂きました!ありがとうございます!

 

=======================================

 

『やす焦がし』の鈴木睦海さんと金岡秀樹くんについて

 

f:id:eigabigakkou:20170225080836j:plain

鈴木睦海さんは「オンナは黙ってサッポロビール」のような人でした。ミニコラボ実習では、アクターズコースから配属された二人が「どんなシナリオで、どういう役をやったらその個性が輝くか」をフィクションコース生の班員が模索するところから始まります。僕が採用した設定は、フィクション生の志和樹果さんが書いてきた〈雑貨屋を営む若い夫婦の浮気騒動〉でした。いつもニコニコ楽しそうにしているけれど芯が強そうな鈴木さんのキャラクターが、この『やす焦がし』の若妻・きょん役と合わされば、僕らの想像を少し超える人物を生みだしてくれるのではないかと思ったのです。結果、とても不思議なヒロイン像を一緒に作ることが出来ました。短い映画ですが鈴木さんの役は劇中にやることが多く、舞踏、読経、歌、ミシン掛けにアクセサリーの細工、そしてもちろんドラマ上の役作りと、かなり忙しかったはずです。けれど彼女は、どの課題もコツコツと寡黙にやり遂げていきました。やる前にあれこれ質問はせず、まずは自分で納得いくまでやってみるという姿勢に「潔いなー、根性あるなー」と感心しました。映画作りのプロセスも楽しかったようで、ロケハンや美術の手伝い、仕上げでも編集から整音まで、ほとんど皆勤賞で作業に付き合い、好奇心に目を輝かせながらフィクション生より映画作りを楽しんでいるように見えました。彼女のこの「なんでも楽しむ才能」と持ち前の愛嬌は、これからも役者として必ず活きてくると思います。でも、たぶんまだ何か隠している……。

f:id:eigabigakkou:20170225081428j:plain

今風の若者でも熱を感じる人が多い役者志望の中で、金岡秀樹くんは珍しい宇宙人でした。現場を通じても控え目な優男の貌を崩さず、そのくせどこか心ここにあらずというか、居心地はたしかに悪そうなのだけれど、それをあまり苦にしていない佇まいというか……。といっても役者を志すくらいですから、きっと秘めたる欲望はあるはずで、それを表に見せるのは今ではないと機会を伺っているのかもしれません。大学で神主の勉強をしているという彼がなぜアクターズに入ったのか、最初の方で訊いた気はするのですが、いま覚えていないということはきっと上手くはぐらかされてしまったのでしょう。なんとも捉えどころのない不思議な人です。金岡くんの役は劇中で唯一心の安定した人物だからこそ、その振る舞いが難しくもありました。陰できょんを支える優男ながら、包容力も必要な役です。ラストで安男(松下仁くん)に真実を告げる時の短いセリフが、この拓平という役の見せ場だったのですが、そこは一発OKでした。リハの時からそのトーンが的確だったので、金岡くんには役を捉える潜在的な直感力があるのだと思います。これからの課題としては、普通の歩き方と相手の目を見て芝居ができるようになってほしいなと思います。

f:id:eigabigakkou:20170225081509j:plain

たしか「映像の演技」を志望してアクターズに入ってきた鈴木さんと金岡くんですが、3月の佐々木透さん演出の本公演でどんな芝居をしているのか、また、本気の舞台を経験した二人の「映画の演技」がどう変わっていくのか、とても興味があります。

 

大工原正樹 Daikuhara Masaki
1962年生まれ。高校時代から自主映画を作り始め、大学在学中に中村幻児の雄プロダクションに所属。廣木隆一、石川欣、鎮西尚一らの助監督を務める。その後廣木らが設立した制作会社フィルムキッズに所属し、89年、ピンク映画『六本木隷嬢クラブ』でデビュー。以降は『もう・ぎりぎり』(92)、『未亡人誘惑下宿』(95)、『のぞき屋稼業 恥辱の盗撮』(96)、『同・夢犯遊戯』(96)、『風俗の穴場』(97)などのVシネマを監督する。テレビドラマでは「真・女神転生デビルサマナー」(00)、「七瀬ふたたび」(00)、「ミニチカ」(06)などを監督。他に音楽ビデオ、CF、TV番組、VP等の演出作は数百本に及ぶ。映画美学校では、『赤猫』(04)、『姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う』(10)、『坂本君は見た目だけが真面目』(14)を監督している。新作『ファンタスティック・ライムズ!』(仮)が2017年に公開予定。

 

+++++++++++++++++++++

2017年3月2日[木] - 3月5日[日]
アクターズ・コース2016年度公演
『Movie Sick ムービーシック』

作・演出:佐々木透(リクウズルーム)
リクウズルーム代表。ク・ナウカシアターカンパニーで演出家・宮城聰のもと俳優として活動。退団後、執筆活動に取り組む。「日本の劇」戯曲賞2013最優秀賞受賞、第5回泉鏡花記念金沢戯曲大賞受賞。 文学への深い知識、鋭い感性と美意識を持ち、”戯曲構造”と”物語の可能性”を探る事をテーマに創作活動を行う。

出演:浅田麻衣、太田英介、大西美香、金岡秀樹、
   鈴木睦海、鈴木幸重、外崎桃子、仁田直人、
   塗塀一海、四柳智惟、米川幸リオン
  〔アクターズ・コース映画・演劇を横断し活躍する俳優養成講座〕
======================

公演日程
2017年3月
2日(木)19:30〜★
3日(金)19:30〜★
4日(土)14:00〜/19:00〜
5日(日)14:00〜/18:00〜
★=終演後アフタートーク開催〔30分程度を予定〕

※未就学児童の入場はご遠慮ください。 
※受付開始・当日券販売は開演の40分前、開場は開演の20分前 
※演出の都合上、開演後はご入場をお待ちいただく場合がございます。

会場:アトリエ春風舎
〒173−0036 東京都板橋区向原2−22−17 すぺいすしょう向原B1


チケット料金(日時指定・全席自由、予約・当日とも)
一般:2,300円
学生:1,800円※公演当日、受付にて要学生証提示

予約受付はこちらから!
→ 映画美学校アクターズ・コース2016年度公演『Movie Sick』 予約フォーム